鬼畜な独裁者の物語   作:おは

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コンキスタドール

「・・・ああそうだ。最後にここに君の名前を書くから。君の名前を言ってくれ」

 

とシェナイターは、強制収容所仕込の登録術で次々と原住民達を、国家統計局員より速い速度で登録していった。

 

どうしてこのようなことになったかというと

 

バルビエールの会話後、原住民達は一度自分達の村に帰って仲間を呼んでくる。と言うと村に帰っていった。そして数日後。原住民達が全滅したと思っていた。アラノたちの目の前に、1万人を超えた、原住民が海岸にやってきたのだった。

 

 

そのあまりに多い人数のために、トロピコ各地から彼らに仕事を与えるために、さまざまな職業の人間が海岸にやってきた。そんな中アラノは、ジャングル進入に備えて500人の原住民の訓練をやっていた。

 

「糞ブタ、そんな撃ち方じゃ、何所にも当たらないぞ!もっと目標を狙え」

 

と言うとアラノは外した原住民を同じ分隊を集めると全員の顔を殴った後に

 

「お前ら、こいつと同じ分隊だな。腕立て伏せ100回だ」

 

「なぜ、俺たちがこいつのせいでそんなことしなくいけないんだ」

 

それを聞いた一人の原住民がアラノに反論すると。アラノはその原住民をおもっきり殴ると

 

「お前達は10人でひとつのチームだ!一人が起こしたことは全員で償わなくてはならない。

お前は、上官への反抗とチームを分裂させた。全員、腕立て伏せ200回」

 

と言うとアラノは部下の兵士を呼んで原住民達の腕立て伏せの監督をするように命令した。

 

「これで、十回目だな。即席にしてはなかなかよくやっているな。ただ・・・もう時間があまり無いかなら、少しの訓練で命が助かるなら、文句のひとつやふたつ、聞いてやるさ」

 

とアラノは葉巻を取り出しながら、一人つぶやいた。

 

なぜ時間がないかというと。それは、明日コンキスタドールを率いてジャングルに入れと、バルビエールに命令されているからだ。

 

 

バルビエールが言うには、コンキスタドールは少ない兵力で。アステカ、インカ二つの帝国を征服した。その精神と、なによりも兵器が発展したのだから。大丈夫ということだ。

 

その頃 原住民達の登録を終えた。シェナイターは原住民をやっているアラノを見つけると

 

「将軍、私も連れて行ってくれないか、私の知識は役に立つと思うが」

 

と頼み込んだ。

 

「博士、あなたの知識はは戦場では役に立たないと思いますが」

 

とアラノは呆れた口調で言った。

 

「将軍、確かに私の知識は戦場では役に立たないが。大量処刑の現場にいたから、すこしはリザードマンを絶滅させる事の役には立つ思うぞ」

 

とシェナイターは笑顔でとんでもない事を言った

 

「博士、あなたは科学者なんでしょう。なぜそのような場所に?」

 

とアラノは冷や汗をかきながら聞いた。

 

「将軍、私は『戦犯』の科学者なのだよ。そういうところに居なければ、戦犯になるはずが無いではないか」

 

とさっきより笑顔で語った

 

「やけにうれしそうに話すのですね。普通は話さないか、後悔しているように話しますが」

 

とアラノが聞くとシェナイターはさっきまでの笑顔から真顔になると

 

「そりゃ、私は後悔していないからな。それにこれからお前がやることは、それぐらいの精神じゃないと心が持たないぞ」

 

とアラノのことを諭した。

 

「なぜ、私にそこまで言うのですか?」

 

人のことに興味がなっそうなこの男が、なぜ気にかける事を言うのか疑問に思った。アラノが聞くと

 

「ノイローゼになった指揮官ほど、厄介なものは無いからな。私もこの部隊に入るのだから。昔みたいに部隊の指揮官がノイローザになって、ソ連軍の捕虜にされそうになるのは、いやだからな」

 

シェナイターまた笑顔になりながら、アラノの疑問に答えた。

 

「博士、わたしは入れるとはいってませんよ。たださえ足手まといが沢山居るのにこれ以上増やしたくないですからな」

 

 

「あー将軍、実はな。私がこの部隊と同行することを、総統・・・大統領閣下は承認しておるのだよ。それを断ると総統・・大統領閣下の心象が悪くなるぞ」

 

「博士、それを最初に言ってくれたら、うれしかったですなぁ。あなたと話す時間を訓練に使えて」

 

「将軍、それは私を部隊に入れるということですな」

 

「そうです、それ以外の選択肢は無いですから」

 

こうしてアラノに新しい足手まといがやってきた。

 

 

トロピコ島 大統領官邸

 

いつもならコンキスタドールの壮行会の、準備ををしているバルビエールだったが。原住民と取り残された、旅行者のせいで深刻化している。食糧問題の解決のために担当者たちと会議をしていた。

 

「・・・島中の農場を稼動させても、1万人しか養えないか」

 

「はい、大統領閣下。現在、わが国が養う必要がある人間が2万にもいますから、食料の配給制をして、食事の量を減らすし、新たな陸地の農地を作るまで我慢するこれしかありません」

 

と農業担当者が答えると

 

「大統領閣下、このあたりの海の魚介資源は豊富にあります。それを活用すればこの食料危機を解決する。大きな手助けとなります」

 

といつも農業担当者より下に見られていた。漁業担当者が自分の地位を上げるために提案した。

 

「その提案は、面白いが。この世界のどの魚が食べられるのかを我々は知らないぞ」

 

「大統領閣下、大丈夫です、その答えは我々の『新しい同胞』が知っているでしょうから、彼らに聞けばすぐに分かります」

 

「なるほど、いいだろう、ではそのようにやってくれ」

 

とバルビエールが言ったとき

 

「大統領閣下、よろしいですか。食糧問題の解決もいいですが、わが国の産業も危機的な状態です。それの解決をお願いします」

 

と話を聞いていた。産業担当者が手を上げて話に割り込んできた。

 

「産業も危機的状態か。まったくこんな状況は1969年のソ連侵攻危機以来だな」

 

とバルビエールはつぶやくと葉巻を吸った。

 

 

 

そして、翌日

 

海岸には515人のコンキスタドールたちと200名の支援中隊が整列をして、陸軍総司令官である。ロドリゲスから訓辞を受けていた

 

「諸君達は16世紀の英雄。エルナン・コルテス、フランシスコ・ピサロの魂を引き継いでいることを私は確信している。」

 

とロドリゲスの訓示が終わると。アラノ率いるコンキスタドールたちは、リザードマンの勢力圏となった。ジャングルの中に足を踏み入れた。

 

ジャングル派遣隊

 

兵員715名

 

指揮官アラノ・シルベストレ

 

装備

 

92式装輪装甲車

多目的工作車

AK74、 RPK-74

37MM迫撃砲


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