ラグドリアン湖 ガリアトリステイン間に広がるハルケギニア一大きな湖で水の精霊が独自の文化を気づいている。その湖のガリア側旧オルレアン大公家の領地にハルケギニアの大小を問わず各国の王や大公果ては独立伯、独立市長にいたるまでの指導者達が豪華な天幕を立てて湖に浮かぶ小高い丘ほどの高さを持つ、巨大空母を眺めていた。
「いやはや、あのような巨大なフネに戦いを挑みたくはないですな」
ガリア両用艦隊の艦隊参謀リュジニャン子爵は艦隊指令クラヴィル卿にサンドウィッチをつまみながら話し掛けた
「リュジニャン君あのフネはただ巨大なだけじゃないぞ。あのフネに乗っていたアラノ将軍が言うには船体はチタン合金、武装はレーザーにミサイルを積んでいるとのことだ」
「ちたんごうきん、みさいる、れーざー。なんですかそれは」
「さぁ、私も詳しいことは分からないがなんでもチタン合金は木の数百倍の防御力、レーザーは光を集めて敵に打つものらしい。ミサイルは敵に向かって攻撃ができるらしい」
「それがぜんぶ本当なら戦い方が変わりますね」
「そして、古い戦いしか知らない我らはお払い箱か。やってられないよリュジニャン君」
クラヴィル卿はそういうとスピリッツを仰いだ。
空中攻撃空母ビバ・バルビエール
「ペヌルティーモ君、アジテータに演説を始めさせろ。もちろんサクラも一緒にな」
バルビエールは長さが10メートルはある実験の結果リザードマン帝国の皇族であることが分かった。黄金のリザードマンの皮で作られたマントを使用人たちにつけさせているとバルビエールの頭に声が響いた。
貴様わが一族を裏切り!よくもあのような苦しみを苦しみを与えてくれたな!貴様にわが一族のすべての苦しみを与えてから殺してやる!
家畜の分際でうるさいやつだな。マントになったお前達が万物の霊長である人間の最高位の存在である私にかなうわけがないだろう。まったくお前たち含めてあの吸血鬼の小娘、反逆者のローランド君、あの原住民の小娘のペネリネ。その他私が殺したものたちはなぜ夜な夜な私の夢に出てきて恨み辛みをいうんだ。普通は感謝の言葉いうのではないのか!まぁそのことが分からないかえら貴様らは死んだんだ。そのことが分かったら私の頭から出て行け
とバルビエールが言うとマントが彼の首を閉めようとしたがすぐに動きが止まった。
ハルケギニア最強の国であるガリアによって湖畔に諸侯会議の会場が作られていた。その内容は豪奢にして巨大まさにガリアを象徴していた。規格外の存在であるビバ・バルビエールがなければ参加者が孫にまで語り継ぐほどだっただろう。
諸侯会議場
「陛下、お気持ちは分かりますがここは冷静にならなくてはなりません」
マザリーニはすぐにでも復讐相手に復讐をはじめそうなアンリエッタの耳元で落ち着くように告げた。彼自身も
神聖皇帝オリヴァー・クロムウェルのそばにいる。ワルドー子爵を見たときに杖を彼に向けて女王への不忠、伝統あるグリフォン隊を解体させた責任。それをおもっきり言いたかった。しかしそれがあまりにも統治者として無責任であることをマザリーニは知っていた。
「あの男がウェールズ様の敵だとしてもですか」
マザリーニはアンリエッタの憎しみの深さを知っていても国家のために止めなくてはいけないと言うことをすでに決めていた。それは国のために感情を殺すことはアンリエッタが統治者として生きていくために絶対に必要なことだからだ。
「そうです陛下、あなた様が女王になったからには必要なことなのです」
マザリーニが耳元で告げるとアンリエッタは
「分かりましたマザリーニ。わたしは女王になりました。強くなければいけませんウェールズ様との約束ですもの」
といって頷いた。
なんだこいつら。このわたしのことをじろじろじろとめずらしい動物のように見やがって、まぁいいここに居る連中も一人残らずこの私に跪くだ。これぐらいことは許してやろう。
「あなたが人類帝国皇帝バルビエール様ですか?わたしはトリステイン王国アンリエッタ女王直属女官ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールです」
ほーこれは美しい。胸がないのがおしいがほかは顔体つき滑らかそうな肌すべてが高水準だ。ぜひとも私の妻にしなくては。まずはこの少女がほかの男のおんなではないことを確かめなくてはな。
「そうだ私が人類帝国の皇帝バルビエールだ。ところでルイズ君。君は結婚しているかね?」
バルビエールがそうたずねるとルイズはカーと真っ赤に顔を染めると
「い、いえ結婚はしていないです陛下」
よーし、これで私の障害は消えた。わたしは権力も富みもそして自慢の竿も持っている。これで落ちない奴はいない。もし好きの男が居てもいつものようにそいつを殺せば問題は解決する。
「なら、私の妻にならないかお前がほしいものをなんだってあげるぞ」
バルビエールがルイズを口説いていると
「おいやめろよ!ルイズが迷惑しているだろ」
なんだこいつ騎士気取りで私の邪魔をするとは命が惜しくないようだな...ん。
「お前ここの人間じゃないな。顔のつくりがまったく違う」
バルビエールはルイズを口説いてきたのを邪魔した少年。才人に不機嫌な声で言った。
「お前だって黒人じゃないかってまさかお前もこっちから来たのか」
こいつも服装からなにやら見ると私同じ場所から来たみたいだな。たぶん東洋人だろう何所の国はしらんがな
「そうだ少年。私も君と同じ世界からやってきた東洋人だろう何所の国だ」
「日本」
「あー日本かすまんが私は良く知らない。後でここを通るシェナイター博士なら話に乗ると思うぞ。奴は日本に少なからぬ縁があるからな」
バルビエールがどうでもよさそうに答えると
「サイト、なんてことしたのよ!相手は皇帝よ皇帝失礼じゃないの!」
「なにすんだよルイズ!こいつがお前のことを妻にするとかいったから助けてやったのに」
サイトという小僧に怒っているようだがありゃかなり好きだな。見れば分かる表情やら何やらが好きな男に向かって喋っている女の姿そのものだ。だが俺は必ずこいつを手に入れて記念すべき150人目の妻にする。
「気にするな。それよりもわたしのことを諸侯会議が行なわれる場所に連れて行ってくれないか」
バルビエールがそういうとルイズは白い豪奢な衣装を整えてから
「このような姿を申し訳ありません陛下。こちらです」
ルイズはバルビエールを案内した。
ここかここか、周りにいる連中すべたから高貴な雰囲気がただよってきているな。こればかりはいかに私が完璧超人であろうとも手に入れられない。一流の高貴さは生まれながらにして人の上に立つものでないと手に入らん。いや、一人だけ高貴さの輪から外れている奴がいるな。お前だオリヴァー・クロムウェル。確かアルビオン王家を断絶させ自分の帝国を作り上げた男だよな。それにしてはそういう人間の独特の雰囲気がまったくないな。この男は誰かの傀儡だ。誰だアルビオン諸侯か?いや、俺だったらこんな男に王座は渡さんこれは海外だな。戦争をしたトリステイン、ゲルマニア、力のない小国を除くと。残るはわが友ヴィットーリオのロマリアか無能王ジョセフのガリアだな。さてどっちだ?・・・んあの女美しい。誰だ確かめに行かなくては。
「ご婦人あなたのお名前は?」
バルビエールは諸侯会議所に入ってすぐ諸侯達のなんだこいつはという目線をまったく気にせず、目的の女性へ突き進んでいた。
「あっあ。私の名前はイザベラ・ド・ガリア、ガリア王国の国の王女ですがあなたは」
イザベラは突然現れた。枯れたとしか言いようのないしわくちゃな黒い顔の醜い男が混乱しながらどうにか淑女の
仮面を外さずにいられた。
顔を見るにこの女気が強そうだな。気が強い女を征服するのもいいものだ。さてこの女ガリアの王女と言ったな。ガリア王ジョセフよ見ず知らずの男が自分の娘を妻にといったらどういう反応をみせる。
「私の名前はバルビエールですイザベラ殿、あなたの美しさはまるで天空の天使のようだ。どうだね私の妻にならないか」
その場にいるもののすべてが凍りついた。どう見ても80歳はくだらない老人が肩膝を突いて初対面の女性にプロポーズしたのだから当たり前の結果であるが。例外はバルビエールの恐ろしさを知っているヴィットーリオともう一人。
「よかったなイザベラ、良い縁談が見つかったぞ」
それはイザベラの父親であるジョセフその人だった。困惑するイザベラをよそに
「ここにガリア王であるジョセフ・ド・ガリアはガリア王国王女イザベラ・ド・ガリアと人類帝国皇帝バルビエール・アルマス婚約を宣言する」
ジョセフは諸侯達の前で婚約の宣言をやってのけ。これにはヴィットーリオも含めて諸侯達は乾いた笑いが自然とでるのに任せるしかなかった。
これはこれはいい物を見れた。ジョセフという男無能王というあざけりとは違ってかなりの怪物だな。自分の娘をゴミだとしか思っていない。何かに取り付かれた狂気を持っているぞ。わが友ヴィットーリオと同じくめんどくさい相手の一人だな。
「父上とでも言いましょうかジョセフ王」
「いや、よばなくていいぞバルビエール。面白いものを見れた御礼だ」
バルビエールとジョセフはお互いにそういうとそれぞれの席に座った。
私の石の隣はトリステイン王国か、あの美しき女王わたしのことをありえないもののように見ているぞ。すまないなルイズ150人目の妻はイザベラに決まった、君は端数で我慢しなくてはならない。ほかにも美しい女がいるいい場所だが、ここに来た本題を果さなくては
「さて、ここに集まった皆さんに私がこのハルケギニアに光臨した理由を話そう。それはここにいる諸侯達全員の連合軍を組織しエルフ共を抹殺することだ」
それを聞いた会場は別の意味で凍りついた。それはハルケギニアの住人にとってエルフと戦い続けても適わなかった唯一のものだからだ。過去に編成された聖地奪還軍はすべて大損害を受けて敗北、最後の聖地奪還軍に至っては教皇がとらわれるという事態まで発生した。それを明らかに頭がおかしい男がもう一度やろうというのだから当然である。
「バルビエール卿、勝算はあるのですか。卿の驚異的な軍事力があるのにもかかわらず、連合軍を組織しようというのはエルフがそれ以上の軍事力を持っている証明では]
ゲルマニア皇帝アルブレヒト3世が諸侯達を代弁してバルビエールに訪ねた。
「その質問はもっともだ。アルブレヒト殿、警備兵例のもをもってこい」
バルビエールが警備兵にそう命じると、警備兵達は布で覆われた円筒型の容器を10個運んで会場の中心に設置すると覆いを外した。それを見た諸侯達息を呑んだそこにあったのはホルマリン漬けにされた、倒すことができないとされたエルフ達の標本だった
「シェナイター博士に感謝してもらいたい。ご覧のとおり私の軍勢はエルフどもを倒すことができる。ではなぜ連合軍を組織するかといえば人類が一丸となって亜人どもを皆殺しにする。そこに象徴的な意味があるからだ」
とバルビエールがこぶしを掲げては言うとアルブレヒト3世は動揺しながら別の質問をした。
「だが、戦争が終わったばかりのわが国やトリステイン、アルビオン。都市同盟戦争で疲弊した都市国家軍は参戦する力がない」
アルブレヒト3世は要用を隠しながら言うと
「それに答える前に一つ質問がしたい。君たち諸侯が人の上に建つ資格の一つに良きブリミル教徒である事きいたのだがそれは本当かね」
それをきいたアルブレヒト3世はバルビエールの罠にかかったことを知りながらも言わざるを得ない状況に追い込まれたことを悟った。
「そ、そうだ」
バルビエールは醜い顔をゆがませながら
「エイジス32世殿、正しきブルミル教徒はエルフとの戦いに参加しないものなのですか?」
とバルビエールが教師に質問する生徒のような態度でヴィットーリオ聞くと
「エルフとの戦いは聖戦です。この戦いに参加しないものは主の教えに背くものであるばかりか、敵であるエルフに協力する異端者です」
バルビエールの質問にヴィットーリオは生真面目な教師に用に答えた。
「さて、ここにいる諸侯の中でエルフに協力する異端者はいないかね」
トバルビエールが会議にとどろく声で言うと誰も何も言わなかった。
「沈黙は賛成と受け取っておくよ。聖戦は半年後するということでいいかね?」
またとどろくような声できくと答えもまた沈黙だった。こうしてエルフとの戦いはバルビエールとヴィットーリオの共同作業によって、半年後に決まった。