鬼畜な独裁者の物語   作:おは

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ある日

カリブ海に浮かぶ 小国トロピコ 人口2000人で有りながら

なぜか世界の先進国一員である奇妙な国である

 

そんなトロピコを治めるのは、終身大統領、陸軍大元帥、神の息子、人民の守護者という大層な肩書きを、四つも持っている男だった。

 

その男の名は、バルビエーリ・アルマスは、島が無人島とほとんど同じ状態だったのを

50年で先進国にまで発展させた優秀な人物だったが。その代償としてたくさんの個人的欠陥を持っていた。

 

欠陥のなかでも、特に悪いのは2だった。反逆者の頭蓋骨を使ってなぞの儀式をする事と

つまらない演説を、長々と話しつつけることだった。

 

 

そんな男の元で国民は繁栄を味わっていた。

 

そんなある日のこと

 

トロピコ共和国大統領宮殿

 

「プレジンデンデ。大変なことが起こりました」

 

と頭のゆるそうな男が、頭蓋骨と話していたバルビエーリに息を切らしながら言った。

 

「ぺヌルティーモ、なにを慌てているんだ?もしかいて島の近くになぞの陸地が現れた事なら、

君も知っている、ローランド君が教えてくれたよ」

 

バルビエーリは頭蓋骨を机に置くと執務室のカーテンを開けた。

そこには、カリブ海の孤島だったトロピコに無いはずの大地が永遠と続いていた。

 

「ペヌルティーモ、ロドリゲス将軍をすぐに呼んで来るんだ」

 

とバルビエールが言うとぺヌルティーモは急いで執務室から出て行った

 

 

しばらくして執務室にロドリゲス将軍とやってきた

 

「将軍、遅かったじゃないかいつもの君らしくないぞ。いつもの君ならこんな時には

誰よりも早く私の執務室に入ってくるだろうに」

 

バルビエーリは頭蓋骨をなでながらロドリゲスに言った

 

「司令官、島中が今回の出来事で混乱しておりまして。その混乱をせいで到着が

遅れました」

 

ロドリゲスは姿勢を正しながら言った

 

「将軍、ちゃんと処理はしたんだろうな」

 

「もちろんです司令官、すでに軍と警察は島の混乱を収拾のために行動しております」

 

「よし、将軍、私が君を呼んだのは君にやってほしい仕事がある」

 

「それは何でしょう。司令官」

 

「第一歩兵師団と第一機甲師団に、あの未知の大地の調査をさせろ」

 

「しかし、司令官。この異常について我々は何も分かっていません」

 

「将軍、君の心配は分かるが、この異変が何なのか私は知っているから安心をするんだ。」

 

それを聞いた。ロドリゲスは困惑した表情を浮かべながら、執務室から退室した

 

しばらくして

 

トロピコのすべての放送局が、夕方に大統領の特別放送を流すように指示されて

その準備に追われ始めていた。

 

国民は、この異変は何なのかという、説明が聞けるという安心感と。大統領のあまりにひどい演説を聞くと言う。絶望感と板ばさみとなりながら。夕方まで過ごすことにした。

 

そして、夕方。国民たちはすべてのラジオとテレビに大統領の声と老けた黒い顔を見た。

 

『親愛なる、国民の諸君、私はトロピコにおきた危機について話そう。それはトロピコがこれまでの文明化された世界から野蛮な別の世界に飛ばされたことだ。』

 

それを聞いたトロピコ国民は大いに驚いたが、誰も朝のような騒動は起こさなかった。

なぜなら昼ごろに布告された。違反者は即刻死刑と言う厳戒令施行されていたからだった。

 

『なぜ飛ばされたと諸君らは聞くだろ、その答えは簡単だ。神が私に話してくれた。

それは、この世界にはびこる異種族どもを滅ぼし!我らの同胞を文明化させることだ!』

 

とバルビエーリは絶叫した。


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