私が世界最高の情報屋!?   作:書人

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お久しぶりです。
お待たせしました。


07 ANAM:初めまして『ボム』さん!

07 ANAM:初めまして『ボム』さん!

 

「御見逸れしました!!あなたこそボスにふさわしい!!!」

 

獄寺君がすごい勢いで土下座をする。ツナを見つめる目が、キラキラと輝いていた。

そして、肝心のツナは、そんな獄寺君に引いていた。

 

「負けた奴が勝った奴の下に付くのがファミリーの掟だ」

 

「はぁ!?」

 

「オレは最初から自分がボスになろうなんて、そんな大それたこと考えてません。

ただ10代目達がオレと同じ歳の日本人だと知って、どーしてもその実力を試してみたかったんです!!」

 

私の見立ては間違っては居なかったみたいです。

獄寺君って、真直ぐで一途な子なんだろうな……。

 

「でも貴方はオレの予想を超えていた!!」

 

ツナの手が握られた。

 

「身を挺してオレを守ってくれた!!貴方に命を預けます!!10代目!!!」

 

「こ、困るって。俺部下とか要らないし……」

 

「そーはいきません!!」

 

ゴメン獄寺君。疑問があるので割り込みます。

 

「あのさ獄寺君」

 

「はい!何でしょうか?」

 

しかし気に障る様子も無く、凄く良い笑顔私に返事を返す。

 

「私は試さなくて良かったの?」

 

私を試すことが、結局うやむやになってる気が……。

 

「貴方は身を挺して10代目を守ろうとしていました!!認めないわけがありません!」

 

「まぁ獄寺じゃあ、絶対マナには勝てねーだろうがな」

 

えっ?そうなの?

 

 

 

 

「そうなんですか!?」

 

獄寺君はそう言って本気で驚いた様子で真奈をみる。

 

「いや、いくら真奈でもダイナマイト相手は不味いと思うけど……獄寺君はマフィアなんだよ?」

 

護身術を自己流でやっていることを知っているし、助けてもらったことも在るから俺より強い事は知っているけど……。ダイナマイトは……。

 

「私もそう思うけど……」

 

真奈もそう言ってるし。

 

「……マナはまず、自分の実力を把握しておいたほうがいいぞ?」

 

なんかリボーンの声に呆れが入っていた。

 

……リボーン本気で言ってるの?

 

「十代目の妹君もすごいお方なんですね!!」

 

「「妹君!?」」

 

「運動も勉強も出来ると聞いてましたが、戦闘も強いなんて!!」

 

「えっと…妹君はちょと……。後、敬語も要らないよ?」

 

「そう言うわけにも行きません!!」

 

「それじゃあせめて『真奈』って呼んで?」

 

「それでは真奈さんと呼ばせていただきます!!」

 

「えっとまぁ、それでいいかな。ツナのことよろしくね?獄寺君」

 

諦めたのか、肩をすくめた後苦笑いでそう言った。

 

「お任せください!!」

 

「って真奈!?」

 

あれ?さり気無く俺の部下認定してない!?

 

その後に現れた3年の不良達を、獄寺君は嬉々として吹き飛ばした。

 

 

 

 

「先に帰るね」

 

今日の帰りは獄寺君も入れて三人でした。

 

「今日もパソコン?」

 

ツナはあいかわらず獄寺君に馴染めない様だ。

 

「うん」

 

「ネットっすか?」

 

「そうそう。私よくチャットするんだ」

 

「チャットなら俺もしますよ!」

 

「そうなんだー」

 

「……」

 

……どうしたんだろう?

 

ツナが微妙な顔をして黙り込んでしまった。

 

「パソコン持って無いんで、携帯でなんですけどね」

 

そう言って折りたたみ式の携帯をパカリと開くと慣れた手つきで操作する。

 

「ここの管理人は最高の情報家ってマフィアの間で有名で、

誰にでも気さくな凄く良い人なんです。俺もこっちに来る時色々世話になりましたし」

 

凄く良い笑顔で告げる獄寺君……

 

「「……」」

 

ツナの疑惑の顔が確信に変わって、どんどん青ざめていく。

そこまで来ると、ツナが何を考えているのかが私にも解った。

 

「マフィアの最新情報はここにありますから知っておいたほうがいいっスよ」

 

そう言って獄寺君が私に携帯の画面を見せてくる。

そこには見慣れた画面と言葉があった。

 

「コレです」

 

『welcome to Relation!』

 

私はものすごく頭を抱えたくなった。

無言でツナを呼び寄せて、借りた獄寺君の携帯の画面を見せる。

 

「やっぱりそうなのー!?」

 

「知ってたんすか?さすがですね!!」

 

知ってるも何も……

 

「知ってるも何も……」

 

心の声がツナと被った。

 

私はサイトの管理人用画面を呼び出して、何時か使うことがあったら良い。と思っていた、メッセージプレートを呼び出してから、獄寺君に携帯を返した。

 

 

 

 

「ん?」

 

真奈さんに携帯を返してもらうと、画面にメッセージが表示されていた。

 

『『ANAM』からメッセージが届いています!』

『見ますか?』

 

ポチッ

 

『初めまして『ボム』さん!私が『真奈(MANA)』こと『ANAM』です』

 

そんな可愛らしい文字が音符と共に出てくる。

 

「―――――……え?」

 

「初めまして、私がANAMです」

 

「ぇぇぇええええええ!!!!???」

 

真奈さんが『ANAM』!?確かに日本人だし、優しそうなお方だが。

けど、いやだからこそ真奈さんが、自らを狙うマフィアを尽く潰す姿が想像出来ない……。

 

けど、リボーンさんは俺が絶対に叶わないと仰ってたし。

 

「なんかデジャウだなぁ……」

 

感慨深く真奈さんは呟いてました。

 

「どうしたんですか?」

 

「いや、リボーンがうちに来た時も、何日か前にチャットで日本に行くって話をして……。なんか獄寺君と似たようなパターンだったな、と」

 

「そうだったんすか」

 

「リボーンが来た時はビックリしたんだよ?」

 

そう言って真奈さんは苦笑いした。

 

「いきなり家に現れたと思ったら、マフィアのボスになってもらうとか言い出して。その後に私がマフィアも恐れる世界最高の情報家だ!とか言われたんだから」

 

「あー。あの時は俺もすごいビックリしたよー」

 

「真奈さんって情報家じゃないんすか!?」

 

「うん。うちは交流サイトなんだけどな……」

 

うなだれる肩を十代目がポンと叩く。

 

「チャットで情報収集してるんじゃないんすか?」

 

「うちのサイトはそんな設立目的じゃないよ?」

 

「それじゃあどうして作ったんすか?」

 

「その……」

 

顔を真っ赤にして指を合わせだす真奈さん。

同じ歳の女の子に縁が無かった俺でも、その仕草は可愛いと思う。

そんな真奈さんを十代目が温かく見守っていました。

 

「……友達が欲しかったの」

 

「?」

 

『ANAM』は凄く優しいし、面倒見もいい。

サイトでものすごく皆から慕われているのに、ご友人がおられない?

 

「私さ、学校だとあんまり明るいほうじゃ無くて物静かと言うか。その上、成績優秀者っていうのが皆との壁になっちゃって……」

 

その顔はとても寂しそうで……。

 

「それで話がなんかよそよそしくなっちゃって、学校の友達が未だに一人も居ないんだよね……」

 

ーそれじゃあ自分が真奈さんの『友達』になります!

 

その時浮かんだ言葉は、恐れ多くて言えなかった。

 

 

 

 

『Relation』日記より

 

今日初めて知ったのですが、携帯電話から来て下さっている方もいたんですね。

それだとこのサイトはものすごく見辛いんじゃないかと思って、

今日は携帯用のwebページ作りです。

ちゃんと携帯とパソコンでのチャットは出来るように作りたいのですが

少し時間がかかるかも知れないので

楽しみに待っていてください♪


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