私が世界最高の情報屋!?   作:書人

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06 ボム:近々、日本に引っ越す事になりました

『Relation』非公開チャットルームより

 

ボム:こっちで会うの久しぶりです

 

ANAM:そうですねボムさん

ANAM:今日はどうしたんですか?

 

ボム:近々、日本に引っ越す事になりました

 

ANAM:本当ですか!?日本は平和でご飯がおいしくて良い所ですよ

 

ボム:もしいい店見つけたら情報登録しておきます!

 

ANAM:是非よろしくお願いします!!

 

 

 

最近はイタリアから日本へ来る人が多い。この間もボムさんが日本へ引っ越してくるって言ってたし。イタリアからの転校生と言う話しを聞いてそんな事を思った。

帰国子女らしいその転校生は『獄寺(ごくでら)隼人(はやと)』と言う名前で、銀髪の不良系イケメン男子だった。

 

ガッ!

 

彼はいきなりツナの机を蹴ると、私を一(にら)みして席に着いた。彼から漂う火薬のような匂い。……まさか。けど、彼は悪い人では無い。と私の知識が言っていた。

 

(大丈夫?ツナ)

 

そういう気持ちを込めてツナに目線を投げる。

 

(大丈夫)

 

それにツナは気が付いて、小さく頷いてくれる。

 

 

 

自分で言うのもなんだけど、私は成績がいいし、運動も出来る。だけど私は『友達』が一人も居ない。私はすごく人見知りが激しくて、学校では家での明るさの半分も無いと思う。

 

学校で私はずっと『独り』……ツナが居なかったら。

 

本当は恥ずかしい筈なのに、ツナはもう独りじゃ無い筈なのに、こうして今でも、時々一緒に居る時間を作ってくれる。……私はそんな優しい(ツナ)に依存している。それはきっと、普通の兄妹の範囲を超えていて。

 

「おーいてっ骨折しちまったかも」

 

ツナが先輩にぶつかられた事で、とりとめの無い思考を止めた。

 

「ごめんなさい!ごめんなさい!本っ当すみません!!!行こう真奈!!」

 

そう言ってツナは私の手を引っ張って猛ダッシュ。

 

 

そして、走った先の中庭には先客。

 

「オイ」

 

「き、君は転入生の……!」

 

「獄寺君?」

 

私は少し警戒値を上げる。彼から敵意と興味と観察の意思を感じる。私よりも……ツナに?

 

「俺はお前らを認めねぇ……10代目にふさわしいのはこのオレだ!!」

 

やっぱりこの人マフィア関係者だった!

 

「っな!?何だよ急に!」

 

「目障りだ、ここで果てろ」

 

獄寺君が取り出したのはダイナマイト。

 

「んなぁ!?バ、爆弾!?」

 

「ダイナマイトだよツナ!!!!!」

 

ここ日本だよ!?そんな危ないもの持ち込んじゃダメだよ!?

 

さっそく護身術を使うことになりそう……。そう思って動く前に後ろから来た気配に足を止めた。

 

ヂヂヂヂヂ…………

 

「あばよ」

 

獄寺君はダイナマイトに火を付ける。

 

「うぎゃああぁあああ!!!!」

 

ツナの悲鳴が響いた。

 

ズキュウウゥ!

 

 

****

 

 

銃声!?

 

「チッ」

 

そう言って転校生がある方向を見た。

 

「!?!?」

 

こ…怖かった!!!!

 

「ちゃおっス」

 

そこにはスーツを着た赤ん坊が居た。って!

 

「リボーン!!」

 

「…思ったより早かったな、獄寺隼人」

 

「ええ?知り合いなの?」

 

「ああ、オレがイタリアから呼んだファミリーの一員だ」

 

「じゃあこいつマフィアなのか!?」

 

「やっぱり……」

 

隣から小さく声が聞こえた。

どうやら真奈は気が付いていたらしい。

 

「アンタが9代目が最も信頼する殺し屋リボーンか」

 

なっ。

 

「沢田兄妹をやれば俺が10代目内定だと言うのは本当だろうな」

 

「はぁ?何言って……」

 

「ああ、本当だぞ。先に兄の方(ツナ)と殺り合え」

 

「おっ俺!!?」

 

「なっ…ま、まさか…裏切るのか?リボーン!!今までのは全部ウソだったのかよ!!?」

 

「解った」

 

「了解しなくていいから!!」

 

「オレは戦えって言ってんだ」

 

チャ

 

そう言ってリボーンは銃を構える。

 

「た、戦う?オレが転入生と……?」

 

そんなの無理だよ!!オレなんかあっさり死んでそれから……!!

真奈がオレなんかより100倍強いのは解ってる……けど!!

 

「じょ…冗談じゃないよ!マフィアと戦うなんて!!真奈!!」

 

オレはそう言って真奈の手を引っ張った。オレが逃げている限り真奈には手は伸びないはず。

 

 

 

私はすぐにリボーンと獄寺君の意図を察した。伊達に『人』のプロフェッショナルは名乗ろうとしていない。とりあえず手を出さないけど。

 

「うわぁ!!」

 

私はツナに引っ張られるまま走っているけど。

そっちって、行き止まり!

 

「だめっ!!ツナ!!そっちは!!」

 

そんな私の声もむなしく、ツナは行き止まりへと走ってしまった。

 

「っ!!!」

 

後ろには大量のダイナマイトを持った獄寺君。

 

「終わりだ」

 

リボーン。私は小さいころから知ってる。ツナが、本気になったら凄いんだって。それこそ死ぬ気になったら、きっと誰にも負けないんだって。けど、人は簡単には死ぬ気になんてなれない。

 

だから、これがツナのためだったとしても、これ以上は!!

 

「ぎゃぁぁあああ!!!!」

 

「っ!!」

 

 

 

いつの間にか真奈はオレの前に居た。

 

「お前、妹の背に守られるつもりか?」

 

そんなリボーンの小さな声が異様に近い気がした。

 

「っ!!!」

 

「死ぬ気で戦え」

 

ズガン

 

 

 

 

 

私は驚愕を隠せなかった。

 

復活(リ・ボーン)!!死ぬ気で消火活動!!」

 

そう言って兄が私の前に出たのだ。

 

だから私は今の状況に、少し呆けながらその光景を見ていた。

最初は驚いたけど、もう大丈夫だってわかったから。

 

「消す消す消す消す消す消す消す消す!!!」

 

ダイナマイトの火を消していく。

何時もよりも荒々しくて。だけど、それは確かに私が視て(しって)いたツナで。

 

「なっ!!?2倍ボム………!!!!」

 

獄寺君は動揺して焦った。

 

「3倍ボム!!!」

 

そして一つ零れ落ち……崩落する。

 

「「!!!?」」

 

ダイナマイトは手のひらから次々と零れ落ちた。

 

「しまっ」

 

明らかに死を覚悟した表情で、落ちるダイナマイトを見つめる獄寺君を無視して火を消し続けるツナ。

 

「……」

 

全て消されたダイナマイトを見て、呆然とたたずむ獄寺君。

 

私は少し微笑んでいたと思う。

 

頭に付いたオレンジの炎が消えて、へたり込む兄の安心した顔を見て。

何時もの優しい兄は、何も変わっていないと。

 

 

 

 

私はツナに対して過保護(ブラコン)な自覚がある。だから

兄のする事に結構口を出している。

ただ、兄に出来ると思った事、それで兄が成長できる事、……あとは、兄が独りにならなくて済む事に私は絶対に手を出さない様に気をつけている。

 

兄妹共に友達募集ってサイトに出してみようかな?

……いや、情報出すなってヴェルデさんに怒られちゃうかな。

それにマフィアが怖いし駄目だよね。

 




あけましておめでとうございます!

この話を修正している途中で矛盾にいくつか気が付いたのですが
けっきょく放置でいきました。
現時点でいくつかイベントが抜けていますが、
主人公がそもそも全く関わっていない、
もしくは主人公が現れた事によるバタフライ効果と思ってそっと流して下さい。

12/25に活動報告で時系列まとめの一部を掲載しました。

主人公の学校での生活模様が明かされるはず。すこし特殊な内弁慶?

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