『Relation』非公開チャットルームより
ヒットマン:今度、日本に行くことになった
ANAM:そうなんですか!日本はいいところですよ^-^
ヒットマン:ひょっとすると、何所かで会うかもしれないぞ
ANAM:私は探しにくいかも知れません
ANAM:けど、もしも会った時は一緒に美味しいもの食べに行きましょう!
ヒットマン:甘過ぎるのは余り好きじゃねーな
ANAM:それじゃあコーヒーを飲みに行くとかどうですか?
ヒットマン:飲めるのか?
ANAM:コーヒー単品では余り好きじゃないですけどね
ANAM:クッキーとかと一緒に頂きます
ANAMは、一つだけ自らの情報を明かしている。
ただ本人には全く情報を明かしているつもりが無い。ただ単なる注意書きのつもりなんだろうがな。
・私は日本人です。すみませんが、日本語しか分かりません。
多くのマフィアはコレを頼りにANAMを自らの組織に勧誘
あるいは抹殺するために、日本へ向かう。
ただ、今までANAMどころか日本に辿り着けた組織は一つも無い。
……何故なら、関わった人間は俺みてぇに思うからだ。
そんな事
「依頼は受けてもらえますか?最強のヒットマン」
そう声をかける先、照明に一人の赤ん坊が照らされている。
「……断る」
ズガンッ!!
赤ん坊は素早く銃を抜き男に向けて打ち放った。
「ヒッ!?」
怯えて悲鳴を上げる男の頬から、一筋の血が流れ落ちる。
「コレは警告だ、ANAMに手をだすんじゃねぇぞ」
これは一人の
私は普段ツナより家に帰るのが早い。
「ただいまー」
ツナの声だ。
「お帰りツナ!!」
今は急ぐ用事も無いので玄関へ迎えに行く。
「ただいま、真奈……」
そう言うツナの背が、いつもより更に曲がってる。
「どうしたの?そんなに疲れて」
「ちゃおっす」
(下から?)
突然かけられた声の方を見てみると、そこにはスーツを着た赤ん坊が居た。
「こんにちは、貴方は誰?」
(……これで三人目、かな?)
「お前らの家庭教師をすることになったリボーンだぞ」
「そうなの?私はツナの妹で真奈です」
「ちょっと待った真奈!なに納得しかけてるのさ!!赤ん坊だぞ!?」
「こういう赤ちゃんに会ったの三人目だから……あるのかなと」
そりゃ私も最初は驚いたけどね。三人目ともなると耐性がついた。
「嘘―!!?こんな赤ん坊が他にも居るの!?」
「三人目?」
「あら、ツナも帰ってきてたの?」
「母さん!!何か家庭教師名乗ってる変な赤ん坊が居るんだけど!!」
「家庭教師なら、確かにたのんだわよ?」
二人は他にも何か言い合っているけど、とりあえずお母さんがこの子を雇ったんだ。ツナ、そんなに成績……悪いね、うん。
「リボーンだぞ」
「あら!貴方がリボーンさん?いや、リボーンちゃんかしら」
「いや!母さんも納得しないで!!!!」
勉強は確かに出来ないけど、我が家一番の常識人はツナだと私は思う。
「私は部屋に戻ってチャットでもするかな」
「待つんだぞ」
「?」
「マナも一緒にツナの部屋に来い、話が在るからな」
リボーン君がそう言うので、私も一緒にツナの部屋へ。
……何の変哲も無いと思っていた、私の『
「オレはボンゴレファミリーのボス、ボンゴレ
「「マフィア!?」」
(と言うかちょっと待って!!『ボンゴレファミリー』って思いっきり聞いた事あるんだけど!!?えっ!?マフィア!?)
「ちょっと待って!」
一通りの話が終わった後、私はリボーン君に待ったをかける。私が頭の中でパニックになっている間も、リボーン君の話は続いてたから。
「?」
「今の話に嘘は無い?」
「全部本当の事だぞ」
私の中の何かが崩壊する音がした。
「ごはん出来たわよー!」
下からお母さんが呼んでる。
「「わかった!すぐ行くから待ってて!」」
こんな時でも、双子の息はピッタリだった。
PLLLL……
とりあえずご飯を食べてお風呂に入った後。
ツナの部屋に集まり、二人の前で電話をかけていた。
「えっ?まさか……」
「?」
ツナは私が何をしようとしているか分かったらしい。
リボーン君には分からないらしいけど。
『もしもし』
「もしもし?ボンゴレファミリーさんで合っていますね。何時もお世話になってます。『ノーノ』さんはいらっしゃいますか?」
「!?」
リボーン君が驚いて目を見開いている。
『あぁ、ANAMさんですね。少々お待ちください』
そう、私の中で『ボンゴレファミリー』と『ノーノ』は
、『Relation』の会員で、良く
『もしもし』
「ごめんなさい。こんな時間にアポもなしで」
『全然構わないよ』
電話越しに年をとった男性の、低くて優しい声がした。
「実は今、私の目の前に『ボンゴレファミリー』の人だっていう人が居るんですが……。本当なのか確認を取ろうと思って」
『……分かった』
急にノーノさんの声が真剣になった。
「スーツを着た赤ん坊で」
で、コレがリボーン君の一番の特徴な気が……。
まぁ、今は水玉の寝巻きだけど。
『!!?まさか黄色いおしゃぶりをつけているんじゃないかい!?』
確かに、リボーン君も黄色いおしゃぶりを付けていた。
そう言えば、他の二人もこれの色違いを付けたな……。
「はい。リボーン君と言うんだそうです」
『まさか…君は……!?』
電話の奥で『ノーノ』さんとさっき電話に出た人が話していた。
『……悪いが君の名前を聞いていいかい?』
「えっと……」
『あぁ、すまない。こういう時は、私が先に名乗らないといけないんだったね。私はティモッテオと言うんだ』
「改めまして、ティモッテオさん。私は沢田真奈です」
『……やはり、そうなのか』
……嘘だ。
そう思いたかった。
「リボーン君は『ボンゴレファミリー』の人なんですね?……それじゃあ、あなた達がマフィアって話も」
もしもコレが本当なら、私が知っている『ファミリー』は全てマフィアの可能性がある。
ぱっと思いつくだけで、30は越すんだけど。
『やっぱり気が付いていなかったんだねANAM。……いや、真奈ちゃんと呼んだほうがいいかな?』
あぁ……本当だった。
「…………」
……私、何時か消されるんじゃないだろうか?
本気で『破滅の言葉』の使用を考えとかないとだめかも。
『リボーンに変わってもらえないかい?』
「は、はい。リボーン君」
「なんだ?」
「ノー……ティモッテオさんが貴方と変わって欲しいって」
「!?」
電話をとったリボーン君はおそらくイタリア語で話し始めた。
「まさか真奈『ボンゴレファミリー』から依頼受けたことあったの?」
ツナが戻って来た私にそう聞いた。
「うん……」
「けど、確かに真奈のプログラムは凄いからな……」
世界一のマフィアが欲しがったっておかしく無いかも。
何か感慨深く、ツナが頷いていた。
「終わったぞ」
リボーンが真奈に電話の切れた携帯電話を差し出す。
「あ…うん」
「マナはどうして、ボンゴレのこと知ってたんだ?アイツがオレもマナの事を知っているはずだって言ってたんだが……」
「それってリボーンも真奈のサイトに来たことがあるって事?」
それってリボーンも利用者って事?
「サイト?」
「そう。真奈は学校で中々友達が出来なかったから、交流サイト作ったんだよ。『Relation』って名前でANAMってHN名乗ってる」
「『Relation』の『ANAM』だとっ!!?」
「やっぱり知ってるの?」
「『ANAM』と言えば裏の世界で世界最高と呼ばれている情報家だぞ!?」
少しリボーンが冷や汗をかいている。
…………。
「「はぁぁあああ!?」」
その言葉に俺達は絶叫した。
「それ本当?」
「本当の事だぞ」
「それよりお前が本当に『ANAM』なのか?」
凄く疑われてます、リボーン君に。
「う…うん」
「それじゃあ俺が『誰』なのか当ててみろ。『ANAM』はユーザーなら一発で分かるらしいからな」
「やっぱリボーンも『Relation』のユーザーなんだ……」
呆然とツナが呟いていた。
それを聞き流しながら解析をする。
(えっと…………あ)
「『ヒットマン』さんだ!!そういえば確かに日本来るって言ってたもんね!!」
本当に会っちゃった。
「…本当に『ANAM』なのか?」
ちゃんと当たっていたらしい。
「うん。でも、確かにそれリアルで会うと良く聞かれるかも」
聞き返さなかったのって、アリアさんユニさん位じゃなかったっけ?
「……ってあれ?それじゃあリボーン君は、私の事『情報家』だと思ってたの?」
「リボーンでいいぞ。薄々一般人じゃないかとは疑ってたが……まさか中学生だとは思わなかったぞ」
「でもそれってリボーンの言う『ANAM』が真奈ってことだよね」
ツナのダイレクトな一言。
「「「……」」」
とりあえず詳しい説明は明日にして、眠ることになった。
あ、余りにも衝撃が一気に…………。
一体何なの!?
私とツナがマフィアのボンゴレファミリーボス候補で。
しかも、
……と言う事で原作開始となりました。
突然で、びっくりされた方も多いかもしれません。
後半、文の雰囲気が変わりました。
何故原作に入ったかの詳細(iiwake)は活動報告に綴りたいと思います。
一応アルコバレーノつながりだし……だ、大丈夫?