仮面ライダーカブト×IS 〜天の道を往き、総てを司る男〜 作:ドラグブラッカー
「雪ノ下陽乃さん。」
遂に彼女の名前が呼ばれる。
「はい。」
そう言うと俺の隣に座っている彼女は席を立った。
それと同時に女子達は「凄く美人」等と当たり前な事を抜かす。彼女の美しさは世界一だ。俺が保証する。
「雪ノ下陽乃です。天道君とお付き合いさせて頂いています。好きな物は天道君、嫌いな物は女尊男卑です。宜しくお願いします。」
そう言って彼女は席に座る。その途端、口々に色んな発言が飛んで来る。「えぇぇぇぇ!天道君と付き合ってるの!?」や、「雪ノ下ってあの雪ノ下財閥の!?」等と言った内容だ。少し考えれば分かるだろう。この俺と陽乃だぞ。釣り合い過ぎているにも程がある。馬鹿共の集まりか何かかここは。因みに雪ノ下財閥と言うのは陽乃の実家の雪ノ下家の事だ。莫大な財力を持っている。
「静かにしろ!喋らんと生きていられんのか貴様らは!」
全くだ。その後の自己紹介は何事も無く進んで行った。
休み時間になると織斑が話しかけて来た。
「なあ。」
「何だ?」
「俺は織斑一夏って言うんだ、宜しくな。」
そう言って奴は手を差し出して来たが、俺はそれをを払い除けた。
「!?」
「俺は貴様と仲良くするつもりは無い。とっとと席に戻れ。」
「一夏、ちょっと良いか?」
そこでポニーテールの女が織斑に話しかけて来た。名前は確か...篠ノ之と言ったか。丁度良い。篠ノ之共々どっかに行って貰おう。これ以上陽乃との時間を無駄にする訳にはいかん。
「箒。でも...」
「俺は良い。と言うか二度と来るんじゃない。」
「そうか。では一夏を借りて行くぞ。」
「わ、分かった。じゃあまたな。天道。」
もう二度と来るな。
「いやあ、随分酷い物言いだったね。せめて友達位にはなってあげても良かったんじゃない?」
「何を馬鹿な。只単に男だから親しみ易いと言う理由だろう。そんな上辺だけの関係は要らん。」
「相変わらず総ちゃんは手厳しいね。」
「当たり前だ。」
等と話していると、突然話しかけられた。
「ちょっとよろしくて?」
「何だ?」
「まあ!折角私が話しかけてあげていると言うのに、なんですのその態度は!?」
成る程、大体分かった。こいつは女尊男卑主義者だ。台詞から想像するに難くない。自分が偉いと思い上がっているクズだ。
「誰だ貴様は?」
「知らないのですか!?この私、イギリスの代表候補生であるこのセシリア・オルコットを!?」
代表候補生の事なら知っている。だがこいつについては知らない。
「何故俺がお前を知っていると思う?」
「それは勿論、私がーーー」
「エリート中のエリートだから、だろ?」
「物分かりがよろしい様で。」
ここではそう言うことにしておこう。この怒りはISバトルをする機会があればその時にぶつける。
とその時、チャイムが鳴った。
「また後で来ますわ。逃げないことね!」
何故お前の様な奴から逃げる必要があるんだ?
その後、授業は進んで行った。途中で織斑が「殆ど分かりません」等と言って織斑千冬に参考書を再発行するから一週間で覚えろと言われていたが自業自得だ。因みに俺は30分で全て覚えた。陽乃も大体同じ位で覚えた。
3時間目が始まる直前、織斑千冬が思い出した様にクラス代表の事について切り出した。クラス代表とは、学級委員の様な物で、クラス対抗戦等に出るらしい。誰でも良いが、陽乃が出る事は絶対避けたい。あいつに大変な仕事等やらせたくない。そしてクラス委員の推薦が始まった。
「はい。織斑君が良いと思います!」
「私は天道君が良いと思います!」
ふぅ、良かった。陽乃を推薦する者は誰もいn...何!?
俺が推薦されるとは...まあ仕方無い。何せ俺だからな。
「自薦他薦は問わない。他にいないなら織斑と天道の多数決で「ちょっと待って下さい!その様な選出は認められません!」何が言いたい?」
「男がクラス代表等良い恥晒しですわ!大体文化としても更新的な国で暮らさなくてはいけない事自体堪え難い苦痛でーーー」
こいつ、さっきから言わせておけば...
「口を謹んだ方が良いぞ。」
「文句がありますの?言って御覧なさい!」
「男が代表なのが恥晒しだと?笑わせるな!男がいなければ貴様はこの世に存在すらしていない。勿論俺も、ここにいる全員もな!男と女、この二つが存在しなければこの世界は成り立たない!それを覚えておけ。そしてもう一つ!文化としても後進的な国?貴様まさか国際問題に発展しかねないと理解した上での発言では無いだろうな!」
「っ!!決闘ですわ!」
「良いだろう。但しクラス代表決定戦と言う名目でな。」
「よし、では明日、クラス代表決定戦を織斑、天道、オルコットの3名で行う。いいな!」
「「「はい!」」」
それから暫くして放課後になった。
「さっきの総ちゃんかっこ良かったよ。流石私の彼氏!」
と陽乃が胸を張って言う。
「まあそれ程でもあるがな。
そういえば俺は自宅通学か。」
「それについては大丈夫だよ。」
「何?」
そこへ後ろから声をかけられた。
「天道くーん!」
後ろを振り返ると山田先生がいた。
「実は事情が事情で天道君は今日からこの学園の寮に住むことになりました。」
成る程な。政府は男のIS使いである俺を危険な目に遭わせたくないって訳か。
「でも荷物はどうするんですか?」
「それなら私が持って来といたよ。」
どうやら陽乃が持って来てくれたらしい。
「ありがとう、陽乃。」
「良いってば。」
「それで部屋分けは勿論...」
「はい!ちゃんと希望通り陽乃さんと同じ1026号室です。」
「なら良いです。」
「じゃあ今日からまた総ちゃんと一緒の部屋だね!」
「ああ!」
その夜、俺達は幸せに過ごした。
ー翌朝ー
「総ちゃん起きてー。」
「んー、もう朝か。」
その後着替えて朝食を摂り、アリーナへ向かった。
と言う訳で第2話でしたが如何だったでしょうか?
ヒロインは『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている』の登場キャラの雪ノ下陽乃でした。原作では腹黒いですが今作では純粋に天道の事が好きな乙女です。天道も純粋に彼女の事が好きです。二人が付き合い始めた理由は何れ書きます。呼び方が『総ちゃん』となっているのはご近所同士の幼馴染と言う設定だからです。
前書きにも書いた通り遂に次回はカブト登場です。
実は天道語録も出そうかなあ、何て事も考えていたりします。
感想・意見等どしどしお待ちしてます!