俺の戦闘力は53万らしい   作:センチメンタル小室

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第1話

俺の戦闘力は53万らしい。

 

何を言っているかよくわからないと思うが自分でもあまりよくわかっていない。

 

一応自分はよくある転生者というやつなのだが、死んでから会った神様からもらった能力?が戦闘力53万だった。

 

まあそれでドラゴンボールなりゲットバッカーズなり、パワーインフレが激しい世界に行けば、使い道もあっただろうが俺の送られた世界は『魔法先生ネギま!』だった。

 

ネギま世界においてジャック・ラカンが作った強さ表があるが、その表で最強のラカンですら12000程度しかないのだ。

 

単純に比べてはいけないとは思うが、ネギまにおいて一般人である千雨が1、ドラゴンボールにて猟銃を持った農民が5でこれを等価とおいてもラカンは戦闘力6万。約9倍程度の差があることになる。

 

そんな強さを手にいれてしまったわけで、最初の頃は苦労した。

 

何がって弱く見せることにだよ。

 

何の変哲もない元高校生の一般人が宇宙最強を称すフリーザ様並みの戦闘力を手に入れたのだ。そりゃ苦労する。

 

小学生のはじめのスポーツテストでほとんど力入れてないのに握力計ぺちゃんこに潰れるし、シャトルランとか自分では歩いてるつもりでも周りからはワープするような速さみたいだし、走り幅跳びとか砂場飛び越して校舎の屋上まで飛ぶし訳がわからない。

 

生まれたのは極普通の一般家庭だったがそういったところを見せてしまったせいで魔法使いの巣窟、麻帆良学園に送られることにもなってしまった。

 

ちなみにそのスポーツテストのことは魔法使いの人が何人かで認識阻害魔法かけてごまかしたらしい。いや本当にすいません。

 

そして麻帆良学園に入って9年がたち今は高等部に通っている。

 

最近ようやく一般人に見えるように手加減できるようにもなって、本当に麻帆良さまさまだ。

 

転入して最初の頃とかひどかった……

 

幽遊白書じゃないがデコピンで相手を粉砕骨折してしまったときとか……いや、忘れよう。あれは嫌な事件だった……

 

まあ相手が一般人じゃなくて手合わせしようと言ってきたデスメガネだったのが幸いだったけどあれのせいで今でも裏に関わっている人には警戒されている。

 

そしてその強さをどこから聞きつけたか知らないが表側の生徒に決闘挑まれたりいろいろと大変だった。

 

刀語で鑢七実が見稽古身につけた理由がよく分かるね。

 

あれは自分が本気だすと体が耐え切れないから弱くあるために身につけたものだが、自分もそんな感じで地球が耐え切れなくなるので弱くあるために自然と身につけてしまった。

 

さすがに魔力はないので魔法系等は真似できないけれども、そうやって他者の弱さを真似することを覚えなんとかなるようになった。

 

それでも襲ってくる(麻帆良の生徒はよく手合わせとか決闘と称してやってくる)時は今でも手加減ミスらないかビビっている。

 

いやまじでやめて欲しい。小指一本程度の力しか入れてなくても普通に人が何100メートルも吹っ飛ぶのだ。まじやめろ。心臓が持たない。

 

なんでここの学園の生徒こんなに血の気多いんですかねえ……

 

結構な頻度で来るんだよ……3D柔道の使い手とか喧嘩三十段のリーゼントとか、後は例の中華娘が……

 

面倒なので前の二人に関しては麻帆良武闘四天王に勝ってから来てくださいと丁重にお断りしているが、中華娘に関してはうまく断る手段が無くて苦労している。

 

この麻帆良には武闘四天王と呼ばれる4人がいる。

 

忍者である長瀬楓、スナイパーの龍宮真名、剣士の桜咲刹那とその中華娘の古菲と名を連ねているのだが古菲以外は武器を使うこともあって純粋に素手だけで戦っているのは古菲だけである。

 

そのため素手での戦いを基本とする古菲はあまり他の3人とは手合わせしないらしい。

 

だからね、素手で強いと噂の自分に対してよく決闘申し込まれるんだよ……

いつも再起不能にしてしまいそうでヒヤヒヤしている。

 

原作開始前にネギの師匠がいなくなるって……ねえ?

 

ネギが原作より弱くなる→完全なる世界が止まらない→魔法世界滅亡→地球との戦争勃発、となってまあ割とヤバい

 

どうにかしたいなとは思っているが彼女が結構強引なところと自分が流されやすい性格なこともあっていつも断れていない。

 

そしてまた今日も彼女に呼ばれて世界樹前の広場で待っているわけだが今日の彼女はなにかいつもと違った。

 

なんというか鬼気迫るというのだろうか?なんだか分からないがそんな雰囲気を出している。

 

いつもなら「今日も手合わせお願いするアル」とか何とか言って戦うわけだが今日は何も話さずにただ目の前にいるだけだ。

 

こちらとしても帰って宿題とかしたいので手合わせしないのなら帰りたいのだが彼女は無言でこちらをチラチラと見ている。

 

そうして無言のままいるのも気まずいので「何もないなら帰っていいかな?」と言おうとすると彼女はなにか覚悟を決めたらしく意を決して話しかけてきた。

 

「私を弟子にして欲しいアル」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……What?弟子?誰の?誰が?

そうして自分の思考がフリーズしたまま時間が過ぎていった。


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