嬉しいですねぇ( ´ ▽ ` )ノ
衝動的に書いたので今回は少ないです。
しばらく歩いて(馬並みの速度)、俺たち二人は、目的の場所に辿り着いた。
その場所は、地下に続く洞窟のような場所であった。
「はぁ、ふぅ、疲れた〜。それにしても、本当に今までと身体能力が段違いだな。さっきまでの速度なら段蔵にも追いつけるし。」
「ふっ、私の言った通りだろ?それにしても、あの程度に付いて来れる様になったのが相当嬉しいらしいな。」
「なんでここで褒めずに煽ってくんだよお前は・・・。」
でも本当に付いて行けてとても嬉しかったのは秘密だ。
その事に勘付かれない様に話題を例の洞窟へ切り替える。
「えっと、ここで合ってるのか?」
「ああ。私の記憶が確かならな。」
「まー、そりゃ確かにらしいところではあるがよぉー。見てみいこれ、地下に階段が続いてるじゃねえかよ。違法建築だ、業者を呼ぼう。」
勿論、こんな時代にそんな業者がいるわけがないと言う事は知っている。
いたとしても取り合ってはくれないだろうし。
そう、怖くて入りたくないだけである。
「なんだよ、ビビってんのか?」
「べ、別に怖くねえし!って、お前も震えてないか?」
「べっ、べ別にこっ、怖くねえし!」
「ちょっ、顔真っ青だぞお前!悪かった、俺が悪かったから!」
「うぅぅぶおぉぉぁぁぁ、こっ、怖くなんかなーい!」
「なっ、落ち着け、落ち着けよ、な?」
いきなり体育座りして叫びだした段蔵の背中をさすりつつ、落ち着かせようとする。
ある程度落ち着いて来たところで、探りを入れてみる。
「なぁ、なんでそんなに怯えてるんだよ?なんかあったのか?」
「実はな、私は幼い頃戦で両親を亡くし、天涯孤独の身になったんだ。そこで拾ってくれたのが英賀のおばばこと芦屋道海だったんだが・・・。」
「ほう、それで?」
割と重い話が来た。
しかし、ここからどうここまで怯える事に繋がるのだろうか?
「私に幻術の才能があまりないと見るや、色々な人体実験の被験体にされたんだ。このままでは流石に殺されるって思って逃げたんだよ。そして抜け忍の男に拾われて今に至るって事さ。」
「さらっと言ってるのにかなり重い話だぜ・・・!」
こいつぁ重い!重過ぎる!
無理にテンション上げないと聞いていられない。
「その時の人体実験で身に付いたのが、『骨肉細工』を始めとする忍法さ。もう忍術と言うよりは体質と言った方が良いだろうけどね。」
「・・・なるほどな。あれはやっぱ訓練して出来るもんじゃないのか。それはそうと、お前は幻術使えないの?」
あまりないって事は、少しは出来るって事じゃないのか?
すると段蔵は、何言ってんだコイツ?みたいな目で見てきた。
「何言ってんだお前?その身でしっかと喰らっているだろうが。」
見てきただけでなく言って来ましたわー。
それはそうと、いつ俺が幻術なんて、あ。
「もしかして、最初に戦った時、俺が斬った後に二つに分かれたのって・・・?」
「ご名答。あの時、私がお前に触れていたのを覚えているか?」
「・・・もしかして、それが幻術へはめるための行動か?」
確かに、あの時こいつは俺に触れていた。
「そうだ。流石に幻術にはめる為だけに接近するのもアホらしいし、これは初見殺しくらいにしか使えないな。手に妖力貯めないといけないからそんなホイホイ使えないし。」
「あー確かに、あの時は俺拷問される予定だったから、眠らせるには確かに都合はいいけど、それするくらいならさっさと殺したほうがいいか。」
まぁ、運よく俺は生きてますけどね。
生きてるって最高ッ!
「そういうことだ。言っとくが、おばばを怒らせるなよ。あの人くらいならすぐに幻術にはめる事くらい造作もないからな。」
「えっ何それ怖い。そんなに強いのかよ。」
「まあこの辺りまで接近しても何もないって事は、攻撃してくる気は無いと思うが、な。でも、気は抜くな。」
「ウィッス。」
「よし、では向かおうか。付いて来い信盛!」
「ああ!ってなに俺の後ろに隠れてんだお前。お前先頭じゃねえのかよ。」
後ろを見れば、俺の服の左裾をちょこんとつまみながら、おどおどと怯える段蔵がそこにはいた。
おぉ、なんか可愛い、お化け屋敷に彼女連れてくるならやっぱこんな反応してもらわないとな。
今から入るのはお化け屋敷じゃねえけど。
それはそうと。
「・・・・・・お前本当に大丈夫?」
「だっ、大丈夫だ、問題ない。」
それはダメな奴や。
「怖くなったらすぐ言えよ、対処が遅れるから。」
「怖い。」
「早いなオイ。んー、じゃあここで待っといてくれ。」
「その方が怖い。」
「まだお天道様がこんにちわしてるのにか?」
お前は吸血鬼か。
すると段蔵は顔をそらしながらボソッと呟いた。
「信盛と離れる事が嫌なんだよ。こんな所なら特にね。」
「そ、そうか。ありがとな。」
「かっ、勘違いしてんじゃねーぞ!お前なんかおばばに鬼にされてしまえっ!」
「照れ隠しが重過ぎる・・・。」
俺たちは、なんとも言えない空気のままで階段を降りて行った。