有り難き幸せであります( ̄^ ̄)ゞ
これからも頑張ります!
取り敢えず早く本編に絡みたい・・・。
動員できる兵力を確認する為に俺が平手さんを探していると、
見知らぬ女の子と共に新しく信奈ちゃんの家臣や小姓になった奴らに指導をしていた。
出勤先で誰だか分からない人がいるっていうのも嫌だから紹介してほしいが、
今はそれどころでは無いので無視する。
「平手さん、平手さん。」
チョイチョイ、と俺は平手さんだけにわかるように手招きする。
「なんじゃ?何か用でもあるのか?」
「・・・今、時間ありますか?というか、時間無くても手伝ってもらいますけど。」
「一体何があったんじゃ?」
「ここじゃ言いにくいから、場所を移したいんですが・・・。」
「ふむ、よかろう。では行こうか。」
「助かります。」
取り敢えず混乱を避けるためにまずは平手さんだけに伝えてみよう。
そんな俺の様子を訝しんだのか、新人の指導をしていた女の子と新人達の間でヒソヒソ話が始まった。
まぁ、女の子って言っても、俺より少し下ってくらいだが。
あれ、十分女の子か。
まず俺何歳なんだろうな。まぁいいや。
「あれって、信盛様ですよね、姫様の教育係の。」
「平手さんと二人っきりで何をなさるのでしょうか。」
「ふふん、知らないのか?佐久間信盛という男は妻帯者でありながら男が好きという噂なのだよ。」
「えー!嘘ォ!初耳です!」
えー!嘘ォ!初耳だけど!
何その噂!名誉毀損で訴えるぞ!
「ちょっ、てめぇ!誰だか知らんが新人に嘘を吹き込むのはやめろ!信じちまうだろうが!」
俺が大声を張り上げながら訂正しに行こうとすると、俺の肩に手を置きながら平手さんがこう諌めた。
「大丈夫じゃよ、信盛。」
「平手さん・・・。」
「ちゃんと、お前の全てを受け入れるから、のぅ。」
「微塵も嬉しくねえよ・・・。てかそれ誤解だよ・・・。」
もういいや。しょうがない。
後で誰だか知らんがあいつシバく。
今は一人でも多くの兵力が必要だ。
減らすわけにはいかない。
なんかもう疲労感が半端無い。
けど、とにかく今の状況を平手さんに伝えなくては。
そうして俺と平手さんはその場を後にした。
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「で、話とは何かな、信盛。」
「実は・・・・・・。」
かくかくしかじか。
「な、なんじゃとぉー!」
「ちょっ、声デカイよ声!」
お約束かよ!まぁ無理は無いけど・・・。
「お主が男が好きという話は嘘だったのか・・・。」
「あのさ、それどころじゃないよね?誤解が解けて嬉しいけど。」
何でこんな時にボケられるんだ。
そんなエンターテイナー精神などいらん。
今必要なのは緊張感と兵力だろうに。
それでも、俺の事を全面的に信頼してくれているのはありがたい。
普通は信じないもんな。
「とにかく、今は相当厄介な状況だ。そこで、俺は山口教継殿の裏切りを無視するしかないと思う。」
「しかし、それでは・・・。」
「いや、そうしなければ兵力が足りない。相手は何人いるかわからないから多いに越したことは無いよ。」
「そうじゃが、裏切り者すら始末できんで示しがつくじゃろうか?」
「重要度が違いますから。それに、裏切り者ごとき逃げ込んだ家ごと潰せば良いんですよ。」
「・・・お主、いい性格しとるのぉ。」
「いやぁ、姫様程じゃないですよぉ。」
「取り敢えずそれを姫様に伝えなくてはのぉ。」
「えっ?いやちょっとそれはほらその困るっていうか・・・?」
「告げ口ではなくこの裏切りの情報のほうじゃよ。」
あ、焦ったー!なんかサラッと言うんだもんこの人ー!
危うく俺が圧し切り長谷部の被害者第一号になるとこでした。
「じゃあ、姫様の元へ急ごうか。おそらく天守じゃろう。」
「分かりました。あっち物が多過ぎて好きじゃないんだよなー。」
こうして俺達2人は天守へと向かった。
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信秀殿が亡くなってから清洲城の城主は姫様になった。
そして清洲城の天守はどうなっているかというと。
那古野城から持ってきたガラクタ・・・もとい南蛮製の珍しい物で溢れかえっている。
もし、姫様の前でガラクタとか言えば即座に斬られる事は間違いない。
もちろん、圧し切り長谷部で。
取り敢えず長谷部で、的な。
ヤダそれ怖い。
てか俺の斬られる可能性が高過ぎる。
「ってあれ?居ないね?どこいったんだろ?」
「うぅむ・・・。」
俺達が天守から引き返すと、先程とは打って変わって城内は騒がしくなっていた。
何か祝い事でも有ったのかな?
だが、それにしては切羽詰っている様な・・・。
「ねぇ!そこの君!って、お前はさっきの!」
「ん?あぁ、誰かと思えば、男好きの信盛様じゃねーか。」
「誤解だ!まず誰だテメー!名を名乗れやボケェ!」
「なんだと!お前もしかしてさっきから俺の事知らずに話しかけてたのか⁉︎」
「お前に話しかけてねえしお前の事なんぞ知るかよバーカ!俺にとっちゃ初登場だアホが!」
「俺の名は森可成だ!も・り・よ・し・な・り!どうだ、覚えたかこの低脳!」
「なんだとこのクソアマがぁ!表出ろやコラァ!」
「コラァ!って何語だよ笑わせるんじゃねぇぞコラァ!」
「使ってんじゃねーか!」
解説しよう!
「オイ、コラ」という言葉の語源は鹿児島弁、しかも伝わった時期は明治時代辺りなのだ!
そりゃこの時代の人には伝わらんわな。
「全く、やめんか二人共!」
「痛い!」
「ぐはぁ⁉︎」
平手さんの仲裁が入るまで互いの罵り合いは終わらなかった。
てか、可成の方は頭をビンタなのに俺は腹パンってどゆこと?
ちなみにビンタも鹿児島弁だそうな。
日本語って、奥が深いなあ。
「クッ、そこのバカのせいでいらん時間を食っちまった!どうしてくれる信盛!」
「し、知らねえよ・・・。ていうか、何でこんなに慌ただしいんだ?」
「知らないのか⁉︎あの山口教継殿が今川方へ寝返ったんだ!それを追撃する為に姫様が親衛隊の出撃準備を始めたのさ!」
「そ、そんな!いくらなんでも」
早すぎる、そう言おうとした途端に、城下から鬨の声が上がる。
走り去る無数の馬の足音。
城下を見れば、今まさに姫様の部隊が出撃していたのだった。
「一足遅かった様じゃのう。」
「あっ!どうするんだよ、姫様行っちまったじゃねぇか!これじゃあ一番槍の手柄が!」
「・・・いや、手柄ならあるぞ。生き残れれば、の話だけどね。」
「あ?どこにだよ。」
「とにかく平手さん、こうなってしまえば、もう仕方が無い。俺たちだけで迎撃しよう!」
「そうじゃのう、城をむざむざ明け渡すわけにもいかんしのう。」
「オイ、俺を無視するなよコラァ!」
「痛え!叩くんじゃねぇよ!」
「オイ、コラ」気に入ったんですね、可成さん。
まぁ、そんなどうでも良い事は放っておいて今は迎撃準備だ。
備えあれば憂いなし。全く備えてなかったぁ・・・。
あ、信辰ちゃんどうしよ・・・。
忘れてた・・・。