他力本願は私の十八番。
最近自分で動くことが多くて忘れていたよ。
女神ごと移動するにはリスクが高く、私が移動するというには帰還出来ない覚悟と女神から離れる覚悟を同時に決めなくてはならない。
なんという言語道断。
我が息子と親友には悪いが、私の代替品として適当にかすめた強度が強めの魂を送ったのでそれで許したまえ。
原作介入がどうとか言っていたので不二の地下遺跡には行くだろう。
現在どこまで進んだかは分からんが。
まぁ、彼が辿り着ければ勝手に分解されて消え去る定めだ。
まぁ、抵抗しても槍に仕掛けた術で地下遺跡にワープさせるが。
つまり、あの世界に着地し、槍に仕掛けた術がワープを行い、その場で魂を燃料に元あった場所に安置される。
これだけのプロセスだ。
ついでに槍には矢文ならぬ槍文を巻いておいたので、息子ならきっと私の真意を察してくれるだろう。
……あ、やっぱりつけない方が良かったか。
助走付きで殴りかかってくる息子を幻視したので後悔するが、遅い。
「カリオストロさん。何を神妙な顔で空を眺めているんですの?」
「あぁ、すまない。女神があまりにも眩しいので直視出来なかったのだよ」
それはそうと、私たちはモンハンによく似た世界に居る。というかどうしてもエスカドラ装備の女神が見たかったので作った。
女神の世界とのリンクは切ってないので、折紙が動く時にでも戻れば良いだろう。
「実は重いんですのね、この双剣」
女神がツインハイフレイムを持ちながら顔を赤く染めつつ話を逸らす。
あぁ、なんと可愛らしい。
「重いのであれば軽くするが」
「……具体的には?」
「魔術で」
「……お願いしますわ」
腕にあまり筋肉をつけたくないんですの、と差し出されたそれを女神の体温を永久保存しつつ軽く弄り、重さを調整する。
「さて、今回はティガレックスの狩猟との事だが、女神はそれで良いのかな?」
「ちゃんと雷属性の剣に変えますわよ。そういえば、ティガレックスが砂地で飛ばしてくる岩、なんなんでしょうね。どこから掘り出してくるのやら気になりませんこと?」
「あれならジャガイモだとどこかでもっともらしい説明と共に見たが」
「ジャガイモ!?」
大体三桁くらいの人数は賄えそうなジャガイモだね。
「まぁ、良いですわ。どうせ今日で最後ですし。思いっきり戦いますわよ!」
ジンオウガ装備で張り切ってる女神を保存する、と。
来て良かったとは思わんかね。思うとも。私ナイス。
このあとはしゃぐ女神とティガレックスをフルボッコにしていると折紙が動き出したので仕方なく帰ることにした。