「さて、そろそろ一石を投じるとしようか」
「ロクなことにならないので手を出さないで下さいまし」
酷い。
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というわけで女神を全力で守り抜いた後、私達は普通に登校していた。
敵意全開で睨みつけてくる折紙が怖い。
「あなたたちの目的はなに?」
「ふむ。人目につかない場所を選んだのは失策ではあるね」
「きひっ、全くですわ」
女神があっという間に折紙を影で拘束。
百合百合しい展開が始まった。
「あっ、やめ……触らないで……」
「きひひひひ……」
ぴろりん。
冷たい視線が二組私を貫くが気にせずポケットにカメラをしまう。
携帯に付属しているカメラで撮影など言語道断……!
「……こほん。興奮し過ぎましたわ。ともあれ、わたくしは士道さんを頂く為にここに居ますの」
「私は女神を
「あなたは黙って」
「……何か今ぞわりとしましたわね……」
勘がいいね。
私が考えていることが分かる、つまり、そう、つまりこれは私と女神が以心伝心している証……!
「……あの、悶絶しないで下さいません?」
「〈ナイトメア〉。あなたは側に置く人をもう少し考えた方がいい」
「……おや、最近私の株は急上昇しているはずなのだがね」
「今のでマイナスですわよ」
これは手厳しい。
「おや。そろそろ私は戻らねばならん。女神も教室に戻らねば遅刻だぞ」
女神が遅刻したら情報操作するが。
「分かりましたわ。では戻りますわね」
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さて。時間は飛んで。
現在屋上で女神と士道が向かい合っているのを上空から見ている。
あ、飛び降りた。
女神に抱き抱えられるなど……許すまじ……!
「俺は、お前を救うって、決めたんだ……!」
よし、第一のターニングポイント通過だ。
ポカンとした表情をしている女神も可愛いよ。永久保存だね。
第7952496318967個目のコレクション。女神のポカン顏、と。
これだけであと七京回は回帰出来る。
私の隣の空間が軋みをあげ始め、私の腕を抱き込むように巻き込んで行く。
--痛い痛いでも女神の空間震……!
「さぁ、撤回して下さいませ!」
おぉ、白熱している。
「必死な女神も可愛いね。この情景もまた、時空間から切り離して保存しよう。……おや、言いくるめられている。ふふ、悔しそうな顔も素敵だよ我が女神」
本体たる女神が女神を腕で刺し殺して登場。
少し心が痛いが、仕方あるまい。
折紙と十香も登場。
さらに実妹である祟宮真那も登場。
役者は出揃った、という事か。
「あなたにわたくしは絶ェ対に殺し切れませんわァ!」
「貴様を殺す。それが私の存在理由ってわけです……!」
戦闘開始、というわけだね。
「さぁ、私達の舞台を始めよう。他ならぬ女神の幸せの為に」