ご注文はうさぎ……だよね?   作:クリティカル

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まだ、一話しか投稿していないのにも関わらず、この作品に、感想をくれた方々、お気に入り登録をくれた方々本当にありがとうございます!



第1羽…不思議なお客様

この世の中には、さまざまな、お客様がいると思う。

常連客、観光客、クレーマー、いろんなお客様がいる。

いろんなお客様と、関わって行く事で接客業としての腕前や、様々な場面での対処法何かを、人は身に付けて行くのだろう。

少なくとも僕は、そう思う。

 

だが――

 

「ご注文は」

 

「じゃあ、そのうさぎさん」

 

「非売品です」

 

「せめて、モフモフさせて!」

 

……こんなお客様は、始めてだよ。

僕の目の前には、何としても師匠を抱こうと交渉する、さっき「うさぎがいない!」と、叫んでいた女の子とそれを先程から、やんわりとお断りしているチノさんがいる。

本当なら僕もチノさんの所にいって助け船を出したい所なのだが、ああいったお客様には、どう接して良いのか全く分からない。

叫んだかと、思えば辺りをキョロキョロと見渡しその次は、チノさんの頭の上に乗っかっている師匠を見て

 

「…もじゃもじゃ」

 

と、言った時は、「こら!仮にも彼は『うさぎになったバリスタ』のモデルだぞ!大スターだぞ!そんな言い方をするな!」と叫んでしまいそうになったがそれをグッとこらえて、もうすでに拭ききってしまったグラスをいまだに、キュ、キュっと拭きながら、二人の戦い?のすべを見守っていると、チノさんが折れたのか、

 

「コーヒー1杯で1回です」

 

……さすが、チノさん、商売上手。

そんな、サービスは無い筈なのに。

と、そんな事を頭の隅で考えていたら、チノさんがトテトテと可愛らしい足音が付き添うな、歩きで、やっと皿を全部拭き終わった僕の所まで来て

 

「コナさん、コロンビア、ブルーマウンテン、オリジナルブレンドを1杯づつです」

 

あれ?聞き間違いかな?

 

「………すいません、もう一度言って下さい」

 

「コロンビア。ブルーマウンテン、オリジナルブレンドを1杯づつです」

 

耳を完璧に疑ったよ、今。え?何?あの、お客様コーヒー三杯も飲む気なのか?師匠を抱く為に?(決して卑猥な意味じゃない)まぁ、多く注文してくれるのは、ありがたいお客様だけど

 

「僕が、入れて、いいんですか」

 

「はい、今回は、コナさんにお任せします。コーヒーの注ぎ方は、あらかた合格だと私は、思うので」

 

なん…だと…

つまりあれか、認められたのか!

この『ラビットハウス』で働き早、半月。

普段はお客様に出すコーヒーは、チノさんや、もう一人のバイトさんが、入れているのだが、僕はまだお客様にコーヒーをお出しした事が無い。

だが、毎日チノさんや、師匠にミッチリ鍛え混まれた、この腕を遂にチノさんにお見せる時が来たようだな!

ありがとう!お客様良く分からないけど、チャンス到来!

 

と、張り切っていれたのだが…

 

「この上品な香り!これが、ブルーマウンテンかー」

 

「いいえ、コロンビアです」

 

「この酸味…キリマンジャロだね」

 

「それがブルーマウンテンです」

 

「安心する味!これインスタントの…」

 

「うちのオリジナルブレンドです」

 

……せめて、せめて、オリジナルブレンドだけは、分かって欲しかった。

 

あの、オリジナルブレンドは、僕が、この数ヶ月研究に研究を重ねて作り、師匠と、チノさんにここに置くことを許してもらった唯一の自信作コーヒーなのに。

この店のサンドイッチやケーキに合うようにスッキリかんを出して甘さ控えめにしてチノさんも飲めるように少しミルクを加えると、ガトーショコラとか少し苦めのケーキに合うような、またはチノさんの嫌いな、セロリが食べれるようと言う師匠のリクエストまで加えた一品なのに!

インスタントはないだろう……インスタントは……。

と、心の中で涙を堪えつつ。

コーヒーポットを洗うのだった。

 

 

 




とりあえず、ここまでにします。
次回は、もっと早めに投稿出来るように頑張ります。
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