更新は、遅めですが週一のペースで、書いて行きます。
こんな小説ですが、何とぞよろしくお願いします。
これは、今から数ヶ月前の話だ。
僕は、何と無く気まぐれで一冊の本を手に取った。
ベストセラーとか、今、売れてます!とか、店長のオススメとか、書いてあったからというのが、理由の一つだ。
本の内容は、木組みの家と石畳の何処か中世の城下町を思い立たせる町のごく小さな喫茶店の話だ。
コーヒーに対する情熱が誰よりも強く、時々空回りをする喫茶店のバリスタがライバル店と旗から見れば、え?そんなことで?と、思って仕舞うような事で争いドンドン周りを巻き込んで最後は大事になってしまったり、実はライバル視しているのは自分の方だけと気ずいてしまいデカイショックを受け『ウサギになりたい』と夕日を見ながら呟く姿に大変心を打たれた。笑いあり涙ありの小説でスッと頭の中にもその映像があたかも映し出されているかの用に頭に内容が入ってきて気がついたら一日で読破していたのだ。
まぁ、何が言いたいのかと言うと、僕事、優希古奈(ゆうき こな)は、その小説『うさぎになったバリスタ』が大好きだということだ。
つまりファンだ。
そして、その本が僕がバリスタになりたいと思い
「コナさん。いつまでも同じ皿を洗ってないで、早く次のを洗って下さい。水が勿体ないです」
「あ!す、すいません!」
ここ、『ラビットハウス』で働く理由だ。
「どうしたんですか?今日は、ずっとボーっと、してますよ?」
「あ、いえ、何でもないですよ…アハハ」
コテンと何とも可愛らしく首を傾げたこの少女の名前は香風チノこの『ラビットハウス』の看板娘で事実上この『ラビットハウス』を切り盛りしている。
ストレートに銀髪をおろし両側を×形の髪止めで止めているのが何とも可愛い。
もう、一度言う可愛い!
そして
「フム……今日のお前さんはもっと別の所を見ているようじゃな、仕事中にも関わらず」
「ヴッ……すいません」
そのチノさんの頭に乗っている何とも渋い声を発するこの丸くフカフカな毛で覆われ最早デカイ毛玉としか言い様のないこの喋るうさぎが、何を隠そう!あの『うさぎになったバリスタ』の喫茶店の主人公のモデルである!
まぁ、普通の人なら『ハァ~?なに、言ってんの?』
と、言うだろう。
だが、事実どういう訳か知らないけど、このうさぎチノさんのおじいさんなのだ。
「そう言えば、コナさんにお伝えしたいことが」
と、チノさんが何かを思い出した用で裏口の従業員用の扉をチラ見しまた僕の方を見ながらとっ言ってもチノさんよりも僕の方が身長がチノさんよりも頭一つ分大きいのでチノさんが僕を見上げる形になってしまう。
そこが、また可愛いのだが。
「あの?聴いてますか?」
おっと、また思考にふけってしまったらしい。
どうしても、この悪い癖は治らない。
「はい、聴いてますよ?それでお伝えしたい事とは?」
「はいそれがですね今日から――」
カランカラン
と扉の方からお客様が来たときに鳴るなにじみ深い音が店に響くついでに
「うっさぎ~うっさぎ~♪」
良く分からない歌と共に
「いらっしゃいませ」
「い、いらっしゃいませ」
と、チノさんがお客様に対し挨拶し僕も少し遅れて挨拶する。
だが、そのお客様は、不思議そうに辺りをキョロキョロと見始た。
そして
「ウサギがいない!」
と、当たり前な事を叫んだ。
「なんだ…この客」
「チノさん声に出てます」
これは、何か厄介事が起きそうだなぁ~
と、僕は、皿を拭きながら一人思った。
……一番最初に洗ってた皿を。
ちなみに、主人公の名前は『コナコーヒー』
のコナから来ています。
粉コーヒーじゃ、ありませんよ?