向こうで息が詰まりそうなので。
前のあとがきで云々言ってたけど要は、ここからの話はナルトで言うところのボルト的な話だと思ってくれれば良い。蛇足も蛇足よ。
まぁエネルサイドでも時々話を進めるから安心して(安心できるとは言ってない)
「おかえり」「いってきます」
「ヤハハハハ! 脆い、脆い。練度が足りぬのではないか!」
「うぅ………おにちく」
「エネル様ホントおにちく」
「ほう、お前達はまだそんな軽口を叩ける余裕があるようだな。望み通り鍛えてやろう」
「「「「いやぁあああああ!!!!」」」」
床に転がる兵士達を練習用の棍で掬い上げて打ち上げていく。我流でしかない棒術も中々様になってきたとおもうのだけど、どうだろう。
ぐわーとか言いつつ飛んでいるのでまだ余裕あるな(にっこり)
いやぁ、最近出来るようになった分身は便利ですねぇ(唐突)
事務処理の効率化を図るために思考分割したら出来るようになったんだけど、使える能力は体を共にしてるエネルとワポルのゴロゴロとバクバクの能力だけだが、感覚が共有しているので諜報活動にも使える。お忍びには大変便利。
お忍びといってもエネルって名前の食客なんですけどね。エネルさん主に戦闘の指導係やってますよ。
ご覧の通り白髭海賊団のクルー達相手に無双ゲーですが何か?
いやー白髭のおじさんに頼まれたんだから仕方ないよねぇ!
―――と、中々に気骨の入った奴が若干一名いたようだ。すすけたローブで全身すっぽり隠して果敢に向かってくる。さっきまで居たかな、こんな奴。
逆立ちしてからの覇気を纏わせた回転蹴りを始めとした、卓越した足技の妙技に隙を作って攻撃を誘ってくるような戦い方はハンコックたちに似た何かを感じる。かといって、大胆にそして果敢に攻撃を仕掛けてくる事もあって、マリーゴールドやサンダーソニアのようでもある。ローブから覗く手足は女のものと見受けられるが、革命軍に居るあの娘でもないとなると―――
「―――やっぱり強いなぁ! ただいまっ!! おと―――じゃなかった。エネルさん!!」
「っ―――! これはこれは第四皇女さま。旅から帰られたのですかな?」
といってとどめの一撃といわんばかりのライダーキックをかましてきた愛娘を練習用の棍で受け止めて力を流す。
家出したと思ったら帰ってきて早々何してきてるの? メッチャ心配したんやで? 夜も寝られない日が一ヶ月くらい続いたんやで? 可愛い子には旅させろっていうけど迎えに行こうかとどれほど考えたか分かってる?
というか怪我させちゃったらどうするんだ!(親バカ)
一応エネルさんはこの国ではこうした体裁をとっているから表だっては謙らないといけないんで。マリアちゃんそんな不機嫌になっちゃやーよ。
色々言いたいことはあるけどおかえり。電伝虫でどこにいたかとか実は知っていたけど、こうして元気な姿を直接目で見られて何よりです。
「マリアで良いでしょ、………エネルさんはお客さんなんだから。継承権も立場も低い、私相手にそんな謙遜しなくても、ね?」
「しかし、居候の身なのでね。公私は弁えるとも。皆の前では示しがつかんでしょう」
「………みんなって言っても気絶させちゃってるのに何言ってるの?」
「ああして気絶したふりをして虎視眈々と私の隙を狙っているのだろう。さっさと立ち上がって来てはどうかね?」
「「「「………」」」」
ああ、これはあかんな。白目むいてダウンしてるや。
そっとしておこう。娘からの冷ややかな目が痛いですね。知ってる。
「………城には一度戻ったのか?」
「ううん、二つあるからどっちに行こうかと迷ったので。近いからこっちに来てみた」
どうせ分身でも出来るようになったんでしょう、とちょっと生意気な風に肩をすくめてみせる娘可愛い(超親馬鹿)
Ξ-Ξ-Ξ-Ξ
立ち話も何だということで先に雷速で城に戻ったつもりが、マリアちゃん出待ち。顔に抱きついてくるのはやめなさい。血が繋がってない娘とは言えそろそろいい歳した女の子でしょうが。女の子らしくなってきた娘の柔らかい触感にお父さん気まずい!
エロの権化なの知ってるでしょ! 優柔不断なのもあるけど、アインから色々やらかした話聞いてたでしょーが!
「………よさぬか」
「ふふふふーん」
確信犯め! 可愛いなチキショウ!
そしてそれは今日も態度におくびにも出ない。自動変換さん仕事しすぎぃ!
謁見の間でワポルやってる自分と二人で相手するのもややこしいのでエネルの自分を元に戻す。
「あ………お父さん消えちゃった」
「あれも私であろうに。消えたわけではなかろう?」
「………。でも私にとってのお父さんは」
多感なお年頃の女の子はよくわからんので、名残惜しそうにするマリアが理解できない。エネルの姿でも、ワポルの姿でも自分は自分だし。………ギルガ君? 知らない子ですね。
「それで、どうしたのだ? 恋しくなったから、というだけではないのだろう?」
「あ、うん。………私、海賊になります。その、ルフィ君………ドラゴンさんの息子さんと一緒に海賊王目指そうって」
「………」
ちょっと照れた風に言う愛娘。
うーん。ちょっと何言ってるのかわからない。
「も、勿論ピースメインで、モーガニアになるつもりなんてこれっぽっちもないんだけど………」
「そうか………―――ダメだ」
「どうしッ―――!! 身分も隠すよ! マリアだなんて名乗りをあげるつもりなんてさらさらない!」
「………マリア」
「迷惑は掛けるかもしれないけど、元々私は
「………。マリア」
「っっっ! ごめんなさいっ! 別に、そんなことが言いたいんじゃなくて………! やりたいの! 私が、初めてやりたいことなの! 自分で考えて、自分でやろうって!」
………気持ちはよくわかった。考えもなしに言った訳じゃないのか。
「誰にも言伝することなく、書置きだけを残して出ていったときはどうしようかと思ったが」
「それは、………ごめんなさい」
「まぁ良い。確かにどういうことかと一時は悲しくもあったが、それもまた人の世の理だ。何時の日か子は巣立つ。それが偶々マリアにとって早かったというだけのこと。子離れをしなければならない、ということだろう」
「それじゃ―――」
ゆっくりと立ち上がって、仕舞っていたのの様棒・
「―――でもダメだ。少なくとも、お前が出ていって二年間………。何を得て、何を学んだのかを知らねば、到底許すことなど出来ない」
………まぁ、自動変換さんが色々と建前らしきものを代弁してくれてるけど、ぶっちゃけた話ただの八つ当たり。
だってズルいじゃん! ルフィと海賊王を目指して冒険の旅に出るとかずるい! おれだってマリアと風来坊っぽく旅がしたかったんじゃあ! おのれルフィ!
くそ、自分が選択してなったとはいえ、ドラム帝国皇帝という立場が今以上に鬱陶しいと思ったことないぞ!
出来る事なら、おとーさんも連れてってと素直に言いたい。でも出来ない。自動変換さんも仕事する。そう、これが現実。
パチンとマリアは両頬を叩いて………あーあ、あんなに赤くしちゃって。
「うっし、覚悟完了っ!! 覚悟の程、しっかりと見てもらうからねっ!」
マリアの周囲が揺らめく。虚空から現れた武装色の覇気を纏った足裏を棒術で弾き、距離をとるが、その都度その都度、マリアは転移して追いかけてきて、脚撃を仕掛けてくる。やっぱり厄介だな、ユラユラの実の能力は。
加えてボアの三姉妹仕込みの技量。やはり強い。エネルの卓越した見聞色の覇気で分かるが七武海にも通じるぞ、これ。
ちょっと無駄な思考を省かないと不味いな―――
―――結果だけ言うと、なんとか親としての尊厳は守られたとだけ。
髪の色を除いて、出会ったころのマリアそっくりになってきたマリーゴールドとの娘、アンジュに交ぜてとせがまれたので、これを止めるために停戦。流石に五歳になったとはいえ悪影響を考えると止めざるえない。
四歳、三歳と続くサンダーソニアとハンコックとの娘たち、トレニアとストックも興味津々な様子で見てたし。
建築物に被害が出ることを考慮して海上に特設した島に戦闘を移していたというのに、冷静になって見渡してみると島全壊。二人だけ他のジャンプ作品の世界に来たんじゃないかと焦った。マリンフォード頂上戦争なんて目じゃないくらいの影響が出てた。だというのに、皇女様と皇帝様なら仕方ない、と寛容な国民たちマジ仏様。
一応、悪魔の実の能力は過剰戦力になりかねないので、極力使わないようにと約束して電伝虫を一匹持たせた。
行ってきますと抱きついてきたマリアを抱きしめ返して、娘の旅の無事を祈る。………今度はちゃんと送り出せそうだ。
「何時でも帰ってこい。私は此処にいる」
「―――! いってきますっ………!」
「………ああ」
少しの揺らぎと一滴の涙を残してマリアは行った。
つい先程まで自分の胸ほどの高さにあったマリアの頭を思い出し、月日の流れを噛みしめる。
………子供達の所に戻ろう。辛気臭いのはやっぱ駄目だなぁ。
ちょっと大人になったマリアちゃんは今170㎝ぐらい。胸の大きさはワンピース初期のナミぐらい(重要)