ヒカルの傍観者   作:dorodoro

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第27話

あれから、やけに幽霊が対局、たーいーきょーくという感じで迫ってきた。

それも毎日だ。

おかげで、学校には遅刻しかけるし良いことがない。

 

今日は部活のみんなで囲碁のイベントへ行くことになった。

なにやら、碁盤を売っている所から言い合っている声が聞こえる。

この声は、ヒカル?

他のみんなに断って一人ヒカルと思われる声のする方へ行く。

「だから、これは秀作の字じゃないって、鑑定士からお墨付き貰っている俺が言うんだから絶対だ。」

「なんだと、言いがかりつけるんじゃねぇ。」

「お前みたいなやつがいるから、秀作も浮かばれないんだ。どうせ最近成績悪くなって株で失敗でもしたんだろ。」

「このガキが。」

ヒカルが言い合っていると、会場の管理人なのか、仲介に来た人に引っ張って連れて行かれてしまう。

あっという間に見失ってしまった。

改めて噂の碁盤をみると、幽霊の声がする。

「これは、虎次郎の字じゃない!」

虎次郎?どっかで聞いたような。

 

思い出せないことを気にしてもしょうがないのでみんなと合流すると、指導碁の申し込みをしている。

せっかくだから、みんなで受けようという話になった。

 

指導碁の時間まで倉田というプロの講座を聞いていた。

そういえば、この間に緒方さんが快勝したとか言っていたのがこの人だな。

初心者にも分かりやすいように、体に似合わず丁寧な説明をしてくれる。

終わった後、指導後に向かうと、なにやら、劣勢の碁をひっくり返したという声が聞こえてくる。

倉田さんが体に似合わず、俊敏な動きで噂の対局のほうへ走っていった。

指導碁の時間までまだあるので、気になって噂のほうへ向かうと、倉田さんがヒカルに連れられて、さっきの碁盤の方へ向かった。

結局どんな碁を打ったのかは見られなかった。

その後に指導碁をしてくれた先生は、やる気がなくどこかぼろぼろな雰囲気が漂っており、私が完勝して更に酷い雰囲気になった。

まったく、プロっていうわりに酷い碁だった。

あれならみんなで話している方がためになったのではないだろうか。

 

そのあと、部活のみんなでためになったねとか、話をする。

私が担当の先生が酷かったというと、アカリちゃんならそういうこともあるんじゃないと言われてしまった。

津田さんが倉田さんかっこよかったねとかキャーキャー言っている。

そういえば今日の言いだしっぺは珍しく津田さんだったことを思い出した。倉田さんのファンなのかな。

ちなみに、私と対局してからあの先生は体調を崩されたらしくて、夏目君が次に受ける予定だったけど急遽他の先生に変わった。

私もそっちの先生のほうが良かったな。段はまだ低いようだけど手筋がしっかりしていたし。

ちなみに結局ヒカルとは合流できずにそのまま帰宅となりました。

 

 

 


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