ヒカルの傍観者   作:dorodoro

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第14話

「彼女が、緒方君が話していた子か?」

私が挨拶をすると、

「ふむ、緒方君が研究会に人を連れてくるとは珍しいね。」

それだけでなく、プロや院生でない人が参加するというのはとても珍しいらしい。

研究会では、対局したり様々な対局の検討をしたりする。私も積極的に発言するようにする。

ほとんど、そこはダメなどいわれるが、面白い一手だといわれることもある。

たまに幽霊が打つ場所を提案するように扇子で指してきたりするけど、

ある程度考えて分かる一手はそのまま提案するようにするけど、

分からない一手については相当議論が動かないときを除いて発言しない。

基本的にはアキラ君のお父さんが中心になって進める。

今日は、アキラ君は対局で来られないようだ。

そして、私の師匠の話になる。

「アカリちゃんは、師匠とかいるの?」

なんと答えるべきだろうか。幽霊1とか幽霊2とかに教わっている気はするがやはり師匠といえばヒカルになるのかなぁ。

師匠はヒカルに当たると言うと、みんなヒカルのことを知っているらしく、彼はなぜ院生をやっているか分からない。

プロになったら直ぐ上がってくるだろうなど、いろいろ言われた。

みなさん、アキラ君との対局を通してヒカルの強さを知っているらしい。

やっぱりヒカルはすごいなぁ。

研究会は週一回で行なわれているそうで、トップレベルの棋士と話すだけでも非常にためになるし、親の説得材料になるし通える限り通うこととなった。

 

 

囲碁部では、私の復帰をみんなが歓迎してくれた。でも対局は少し様子を見ながら増やしていこうと言うことで詰め碁がメインとなった。

うう、対局したいよぉ。ヒカルはプロになるため毎日打っているだろうし差が開く一方な気がする。

もちろん、津田さんや夏目君、いれば三谷君との検討などには参加する。

あと、棋譜を並べている振りして幽霊と打ったり、何とか会話できないかなこの幽霊。

まあ、幽霊のほうも囲碁を打っているだけで楽しそうだからいいんだけどね。

幽霊が楽しいと思っていると私の体調も良くなる気がするので大歓迎だ。

いや、でもこの幽霊相変わらず強すぎ。一回も勝てない。古い定石で打つことが多く、どこかネットに載っていたsaiの棋譜と似ている気がする。

 

普段この幽霊は見た目はいい大人なのに私が棋譜を見出すとじぃーと棋譜を覗き込んできたり、テレビや車などに驚いていたり幽霊観察しているだけでも面白い。

どこかヒカルに似た雰囲気を持っていて見ていてほんわかするんだよね。

囲碁が大好きすぎるというところもヒカルと一緒だし。初めの幽霊がいなくて初めからこの幽霊だけが付いていてくれればよかったのに。

 

 

 

 


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