ヒカルの傍観者   作:dorodoro

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第1話

「宝探しをしよう!」

 

昨日のテレビの影響か、ヒカルは突拍子のないことを良くするのはいつものことなので

苦笑いしながら仕方なく私も付き合う。

そして・・・・・・

なぜかヒカルのおじいちゃんのお蔵に来ていた。

「あ、これ知ってる。五目並べする台でしょ。」

ヒカルに「バーカ」と馬鹿にされ、お小遣いを止められたというしょうもない理由で高値で売れるのではないかとはしゃいでいる。

確かに見れば見るほど古臭く、しかし何か恐れ多く感じてしまうのは私だけだろうか。

「しかし、この汚いよごれおちねぇえな」

汚い?まあ、確かに古いから埃とか古くなっていくので汚く見えないこともないけど

しかしヒカルは血の痕に見えるらしい。私にはまったく見えない。

ヒカルの汚いというところに触れてみても何か分からない。

「あれ、地震かな?」

「ヒカル危ない!」

棚が倒れてきてきたので、私はヒカルをかばったところで意識が落ちた。

 

 

私が次に気が付いたのは病院のベットだった。

女の子にかばわれてなど、などヒカルが横でガミガミ怒られている。

これに懲りて少しは大人しくなるといいんだけどな。

私自身がそうなるとはこれっぽっちも思わない願いが叶うとはこの時にはつゆほども思わなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最近ヒカルの様子がおかしい。

昔はそんな古臭いものと見向きもしなかった囲碁を始めだすし、

教室ではうって変わって大人しくなるし、いったいどうしたのだろう。

最近では、囲碁教室にいったりもしたようだ。

・・・と人の心配をしている場合じゃない。今は私のことで精一杯だ。

「アカリ、本当に大丈夫?進藤と一緒にこの間まで入院していたんでしょ。」

あの事故から私の頭痛が止まらない。

検査でも原因不明としか言われないしどうなっているんだろう。

何かに話しかけられているような気がするけど、内容も分からない。

まるで雑音が常に頭に響いているようだ。

「マジ顔色悪いよ、休んだほうがいいんじゃねぇ?ほら進藤保健室へ連れて行けよ。」

何で俺が。などといいながらも何だかんだでヒカルが付き添ってくれる。

「なあ、本当に検査はなんともないのか。ずっとそんな感じだよな。」

ああ、ヒカルに心配されるなんて、世も末だ。などと失礼なことを思いながら

ちょっと休めば大丈夫と言ったら、ヒカルは心配そうにしながらも戻っていった。

 

 

結論から行くと何時までたっても戻らない。

というよりこの状態に慣れてきたのか・・・・・・。生活そのものは普通に戻った。

あれから、ヒカルはなにやら囲碁に夢中になっているようだ。

それに急に大人びてしまったように落ち着きがあって、なんだか突き放されたような気持ちになりうれしさ半分悲しさ半分という感じだ。

 

 

 

 


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