ぼくのかんがえた(ry でアイラたんに恨みをぶつける物語   作:ユルサナイネン

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 とりま、Gジェネフロンティアのイベントの達成ができたら順次、更新します。ネオ・ジオングの攻撃範囲にワロタ。

 感想の罵倒とかは構わんよー。これネタで書いてるから寧ろ書かなければならないはずだもの(白目) キャラの設定はちょいと考えてある。今んとこ、主人公のミズキは本性を出していないからあれなだけで実はヒナタ・ミズキ以上に異常な日向瑞樹だったりもするんだよねー(ネタバレ) ねーちゃんとかかーちゃんはオマケ。二つの世界と正反対を考えてたらこうなっただけ。深くは考えていない。





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「おい。ヒナタ先輩がまた挑戦を受けたらしいぞ」「しかも十対一らしい」

 

 

 コウサカ・チナは最近よく聞くヒナタという高校生の先輩が学園の話題をかっ攫っている事に少なからずの嫉妬を抱いていた。それはある意味、女の子らしい可愛いでもあるのだがヒナタという先輩は、チナは好きになれなかった。

 

 

「行こうぜイオリ」

 

「うん!」

 

 

 中学生であるチナは恋する相手がそのヒナタに夢中なのが気に入らなかった。会話は時々するものの、話す話題はガンプラよりもヒナタの話題しか出ないとなると恋の敵だと思っても仕方のない事だ。

 クラスメイトに誘われ、喜々としてついて行くセイに面白くない顔をするチナ。ガンプラは聞くものの、あまり知らないチナは熱の入っている相手を視察しようとヒナタのファンの同じクラスの女子と共に戦場に赴くのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ざわざわ、ざわざわざわ。今か今か、とバトルが始まるのを待つ聖鳳学園生徒一同。相手の方は既に準備をしているが、来ないヒナタ・ミズキにイライラし始めていた。

 コウサカ・チナといえば体育館の上でイオリ・セイの近くをキープしながらセイをチラチラ見ながらも現れないヒナタを待っていた。私の敵はどんな奴だ、と意気込んでいた。

 

 チナが聞いた噂によれば。

 曰く、ヒナタ・ミズキはいじめられっ子の希望の星。

 曰く、ガンプラファイターの腕は生徒会長であるユウキに並ぶ凄まじいもの。

 曰く、爽やかイケメン。姉が超美人らしい。

 良い噂しか聞かないが、本当はどうなのだ、というのが素直な気持ちである。恋する少女は盲目だと誰かが言うがまさに今はそれである。

 

 

「すまない。待たせたようだね」

 

 

 あれ、とチナは首を傾げる。現れたのは件のヒナタではなく、生徒会長のユウキ・タツヤだった。ヒナタ・ミズキはどうしたのだろうかと違うざわめきが辺りを包む。

 

 

「ミズキは先生方から呼び出しを受けている。今度の世界大会に出場する為に必要書類を書いている最中だ」

 

「マジかよ」「いや、あの強さなら納得だろ」「ユウキ先輩よりも強いって噂もあるしな」「だとしたら何のガンプラを使うんだ?」

 

「だから諸君を待たせる間、僕が彼の代わりに相手をしよう」

 

 

 その言葉に色めき立つは、観客。だが内心穏やかではないのはヒナタに挑戦する十人の生徒の男子。ヒナタ・ミズキは最近、有名になったから気に食わないところもある。前にいじめられっ子である経歴がそれをさせる。

 しかし、ユウキ・タツヤとくればかなりマズイ。聖鳳学園の生徒会長であり、世界大会出場経験もある輝かしい経歴を持ち、更にはメイジン・カワグチのガンプラ塾の生徒でもある噂もある。

 最もな理由は生徒会長であり、女子からの人気も高いこと。故に敵に回すと女子からどんなバッシングを受けるのかとチェリー一同は戸惑う。生意気な奴を懲らしめようとしてたのにこんな展開は望んでいない。

 

 

「さあ、始めよう」

 

 

 どう言い訳しようかと集まって相談し始める十人。やる気満々のユウキ・タツヤを見ると断りにくい。もうピンチであった。

 

 

「あ。ヒナタ先輩だ」「ほらあそこ」「待ってましたー」

 

 

 そこに待った、を掛けるのが件の男子。歓迎ムードに包まれる体育館に現れたのは息を切らすヒナタ・ミズキその人であった。

 十人にとって救いの手か、もしくは地獄に叩き落とす悪魔の手か。ユウキ・タツヤの隣に息を整えるミズキを見て、十人全員が前者を思う。やっと来たか、生意気な野郎を叩きのめしてやると意気込む。

 

 待たせてごめん、と観客に謝り、相手に謝るミズキ。盛り上がりを見せる体育館に応えるようにミズキはガンプラを取り出す。隣のユウキが驚いた顔を見せたのがチナからも見えた。

 ガンプラバトルフィールドが形成されると、バトルの準備を済ませたファイター達が構える。

 

 

「なあイオリ。あれ……」

 

「うん。GNアームズみたいだ。だけど装備が微妙に違う?」

 

 

 イオリくん、詳しいなぁ、とチナは思う。真剣に考察するセイの顔にキュンとしている間にもガンプラバトルは開始され、ガンプラが飛び交う。

 それぞれのガンプラがフィールドを駆け巡る中、一際大きなガンプラが鮮やかな緑の粒子を発しながらバレルロールをしながら宇宙のフィールドを駆け抜ける。ミズキが操るガンプラ、ダブルオーの作品に出るGNアームズを改造したガンプラだ。

 チナは大きいな、と簡素な感想しか抱かなかったがセイやガンダムに少なからず詳しい生徒は動くそれに心を突き動かされる。

 

 GNアームズの左腕部分にマウントされたコンテナが開く。そこから発射されるミサイルが相手の逃げる道を塞ぐように広範囲に展開され、爆撃する。

 

 

「凄い! ミサイルの数を増やしているんだ。デュナメスのタイプDを使っているのは間違いないけどエクシアのタイプEの大型GNソードも付けて動けるの?」

 

「粒子の量が多いから増設コンデンサでも使ってるんじゃないか?」

 

「貯蔵タンクを使って推進力だけに使うように配分しているかもしれないね。あんなに速いのに見事に操っているのは凄いよ」

 

 

 何かの呪文なんだろうかとチナは思う。イオリ・セイ以下、友人同士が交わす会話に意味がわからないと頭が混乱する。

 

 ミズキの操るGNアームズは雑談している間にも順調に動いて敵のガンプラを破壊する。エグいとも言える破壊っぷりに唖然とするチナ。こんなにも野蛮な事をするのがガンプラバトルなのだろうかと考えてしまう。

 左のミサイルコンテナ、ポッド。右の大型GNソード。巧みに武装を使いこなし、ほぼ瞬殺でガンプラを破壊する。世界大会出場経験のある姉の指導があるミズキ、更に絶妙に改造されたガンプラ。並の相手では数がいても敵うはずはなかった。

 盛り上がりが収まらぬまま、あっという間に決着が着いた。十対一というアドバンテージも無意味だと言わんばかりの戦いっぷりであった。

 

 

「スゲー」「キャーヒナタせんぱーい」

 

 

 爽やかイケメンスマイルをしながら手を振り、返事をするミズキ。一番の特等席で見ていたユウキはミズキを誘い、共に退出する。

 

 

「これでヒナタ先輩、七十四連勝だぜ」

 

「流石ミズキ先輩」

 

「なあ、イオリ。ヒナタ先輩を名前で呼んでるけど仲が良いのか?」

 

「う、うん。実家の模型店でちょくちょく会話するんだ。優しい先輩なんだ」

 

 

 もうジェラシーしか感じないコウサカ・チナであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「つまり、だ。規定をクリアしなければガンプラバトルには出場できない。まあ、緩い部分もあるからあまり考えなくてもいいがあまりやりすぎるのはよくないぞ」

 

 

 うん、と頭の中にメモをしながら返事をするミズキ。基本、姉の言う事は素直に聞くのだが垣間見える弟に抱いてはいけない感情を持つ事だけは容認できない。あの一件以来、距離を置くようになったのは事実だ。

 それでもグイグイと攻めるのが姉のアゲハ。その程度は障害とは呼ばんとばかりに攻めまくる肉食系女子。今も胸を押し付けながら世界大会の説明をしている。

 そんなアゲハが許容できないのが一つ。厳しい目をしながら“彼”を見ている。

 

 

「何でスケコマシがここにいるんだミズキ」

 

 

 いるも何も、とユウキ・タツヤがいる理由をさっきも説明したのにとミズキは思う。どうもアゲハは自分が絡むと暴走するようで、姉の理想像が崩れてしまう事にガッカリ感が否めないミズキでもあった。

 

 

「スケコマシは酷いですね。ヒナタ選手」

 

「スケコマシだろお前。顔が良いからって私のミズキに近付くんじゃねえ。ファンの女の子とでも付き合えよクソめ」

 

「いえいえ。ミズキは世界大会は初めてなので経験者として、同級生としてアドバイスをするのは当然だと思いますが? それに僕は彼からアドバイスを頼まれています」

 

「そこはお姉ちゃん権限で許さん」

 

 

 あちょーと変な構えを取るアゲハ。その様子を見てもアゲハがユウキを毛嫌いしているのがミズキから見てもわかる。

 ユウキ・タツヤ、彼と仲良くなった際に呼び名をタツヤへと変えた事もアゲハにとって気に入らないようだ。

 

 少なからずの関係を持っている二人。世界大会で対戦もした事があるアゲハとタツヤだからこそ因縁もある。いや、この場合はアゲハが一方的にタツヤを嫌っているだけでタツヤからすればアゲハは尊敬の対象なのだが。

 純粋にファイターとしての実力を尊敬し、リスペクトしているのだがミズキと関わるだけで更に拒否するという理不尽ぶり。

 ちなみに実力の差は今はわからないが、以前に対戦した際はアゲハがタツヤに勝利している。二戦二勝無敗とい戦績だ。

 

 

「アゲハさん、そんな方でしたか?」

 

「フンッ。お姉ちゃんは偉大なのだ」

 

「すいません。意味がわかりません」

 

 

 気持ちはわかる。と言わんばかりの表情をタツヤに見せるミズキ。弟でさえも姉の言動の意味も行動の意味も理解しきれない部分があるのはどうなのだろうか。

 いい加減に鬱陶しく思えてきた姉に姉さん邪魔、と核爆弾級の爆弾発言で黙らせるとミズキはショックで倒れた姉を無視してタツヤと会話を再開する。

 

 

「い、いいのかい?」

 

 

 いいんだよ。と返した。姉に会話を加わせると、いつまでも終わらないので敢えて無視する事にしたのだ。普段は見せないような表情をするタツヤは倒れ伏すアゲハをどうすればいいのかと戸惑うばかりだった。

 そんな事は余所に、ミズキは話を進める。世界大会基準に何が違反なのか否なのか、それを中心に問い質した。

 

 ミズキはビルドファイターズという世界観はアニメを通じて知ってはいるものの、現実世界で言うルールは大雑把でわからない部分が多い。つまりは細かい部分を知らないわけで、レギュレーション違反になる改造が何たるか、制限されている武装が何かをしっかりと把握する必要があるのだ。

 姉のアゲハには少し聞いているが大雑把で半分も理解できない説明だったため、知り合いで容易く聞けるであろうタツヤを頼ったのだ。リカルドにも聞こうかと考えたがアゲハとの交際の架け橋になってくれと言われそうなので選択肢を除外した。となると、真面目なタツヤを選ぶのが筋だろう。

 アニメでもユウキ・タツヤという人物は生真面目な性格のはずだ、とミズキは思う。それに付け込んで頼れば何でもしてくれると考えた結果がこの行動だ。別にホモォではない。

 

 

「意外と知られていないのだが、重量をある程度オーバーすると反則になる場合がある。ハイグレードとマスターグレードにそれぞれ設けられているから後で確認するといい」

 

 

 ふむふむとメモする。後でインターネットでも使って調べてみるか、と思いながらタツヤの声に耳を傾ける。

 

 

「レギュレーションだが、特に武装の制限はない。二号機のアトミック・バズーカも可能、使えるのであれば月光蝶といったバランスブレイカーも大丈夫だ。が、実現できればの話だがな」

 

 

 ファンネルといったものは使えるのに核ミサイル連射とかは不可能。もしタツヤにガンダムVSシリーズをやらせればどう反応するのだろうかと疑問に感じた。

 一番新しいシリーズだとアトミック・バズーカ連射も擬似的に可能だったりするのを知れば世界観が崩壊しそう。そんな思いと共に更にメモをする。

 レギュレーション規定をある程度把握すると今度はタツヤの会話を傍目に世界大会用のガンプラの改造プランを考案する。ユニコーンの変身スライドの改造もある程度完成しているのでそれを踏まえれば世界大会の優勝もできるはずだ、と考える。

 

 

「さて。僕が教えられるのはここまでかな? 次からは僕と君は敵だ。ライバル同士だ。もう手助けはできない」

 

 

 ある程度の説明を終えたタツヤは急にシリアスモードになり、宣戦布告してきた。言われた側としてはどう反応すればいいのかと困っている様子であった。

 

 

「ミズキ。君が強いのは知っている。だからこそ僕は君に挑戦をしたい。ユウキ・タツヤというガンプラファイターとして、君に敬意を払いながらも敵意を抱くというこの矛盾する思いを! 君にぶつけたいんだ!」

 

 

 ふざけんなスケコマシ! と姉が起きていたら暴れ出すだろうが、今は寝て(死んで)いてよかったと心から思うミズキ。彼も何故そんな事を言い出すのかと戸惑っているのだから。

 もしかして、ポエマーなのかとアニメのユウキ・タツヤと比べてみると……案外ポエマーでござるとげんなりするミズキであった。もし大会でタツヤに当たる事になれば意味不明会話を繰り広げながら戦う事になるだろうか、と更にげんなりする。

 意外とダブルオーのハムさんのテンションに似ているタツヤ。しかも最終回には乙女軌跡トランザムをしているのを考えるとブシドーしているな、と大会でタツヤと当たりたくないという気持ちがドンドン湧き出てくる。タツヤは戦いたいとは言うが、ミズキからすれば戦いたくない気持ちでいっぱいであった。

 

 あ、うん。と乗り気ではない返事をするしかできなかった。反対にタツヤはやる気に満ちているため、正反対の反応だとわかる。

 今、ミズキの頭の中を占めるのは世界大会用のガンプラの調整だけで挑戦を突き付けられてもきちんと反応しようとしない。寧ろ、早くガンプラの改造に手を入れたいという気持ちでいっぱいになっているようだ。

 

 

「君とは数える程度の対戦しかしていない。故に本気を互いが知らないとも言えよう。今度の世界大会では初見の本気の対決ができるという事だ」

 

 

 思わず心の中で謝るミズキ。ごめん、君が使うであろうガンプラも戦い方も皆知っているんだとスイッとタツヤから顔を逸らす。

 アメイジングシリーズも尚更。ザク、ケンプファー、エクシア。アニメで描写されたのを見ると大体の対策ができてしまう。故に罪悪感で胸が張り裂けそうになっていた。フェアだと思ったらアンフェアそのものだなんてタツヤにとっては絶望であった。

 

 罪悪感を紛らわせる為にミズキは敢えて自分のガンプラを明かす事にした。タツヤは驚いたような顔をするが、止められる前にベースとなるガンプラと武装オプションのテーマを大体明かした。

 

 

「ユニ、コーン? フルアーマープラン? ユニコーンか。それにウィングガンダムとフリーダムのミックス? 多対一に特化したプラン……」

 

 

 他に考案しているものがあるが、ユニコーンが完成しなければという予備に当たるものだ。フリーダムはアゲハのゴリ押しによるものだ。ミズキとしてはデスティニーかインパルスがよかったりするのだが、姉には何だかんだで甘いのでフリーダムを受け入れた。

 使うかどうかと問われればわからないが、フリーダムをベースにしたガンプラは考案してある甘い弟。

 

 

「面白い。面白いなミズキ。では僕も明かそう……今はアメイジングザクを使っているがアメイジングケンプファーはほぼ完成している。世界大会の前半では恐らくケンプファーを使うだろう」

 

 

 ほら、と誰に言うまでもなく心の中で呟いた。誇らしげに言うタツヤに心が痛み始めるが、次の発言でミズキの余裕は次第に消え始める。

 

 

「後半は別のガンプラを用いる。やはり君とは思う部分が共通するようだ。初めはエクシアをアメイジング仕様にしようとも考えたが、君と対決するには足りないと思い、別のガンプラも用意しておいた」

 

 

 ……ん? と疑問を感じ始める。最終決戦ではアメイジングエクシア、もといエクシアダークマターを使うはずなのに別のガンプラと表現する事に思わず首を傾げる。

 段々と嫌な予感を感じ始めるとタツヤは今まで以上に自信満々そうな顔をして口を開く。

 

 

「シナンジュだ」

 

 

 ごべはっとよくわからない呻き声を漏らすミズキだった。

 少しずつ変化を始める事柄に少なくない不安を抱え始め、世界大会の暗雲が立ち込め始める始まりだった。

 

 

 

 

 

 





 メイジン・カワグチならぬメイジン・フロンタル爆誕の可能性が微レ存……? フロンタルの仮面を着けたユウキ・タツヤはよ。

 ちなみにアメイジングシリーズはザクアメイジング、ケンプファーアメイジングとなるようなのでシナンジュはシナンジュアメイジングになるのか? アメイジングシナンジュの方が語呂はいいよなーとどうでもいい事を思う。




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