ぼくのかんがえた(ry でアイラたんに恨みをぶつける物語   作:ユルサナイネン

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 作者の自己満足小説を読んでくれてありがとう。Gジェネフロンティアでのアイラたんのジト目にイラッとした同士がいるなら幸い。

 タグには書かないけど多分これが含まれる。
 「主人公無双」「ガンプラ無双」「ガンダム無双」「フルコーン無双」
 「女の子を泣かせる残酷描写」「女の子を泣かせて攻略する残酷描写」「アイラ・ネトラレルネン」「レイジ・スマンネン」
 「アリスタマジ便利」「現代世界のガンプラ事情がチート過ぎて辛い」「ザ・ご都合主義」
 ぐらいだろうか。基本はギャグ寄りなのでシリアスじゃなくシリアルな展開が多いと思う。オリキャラはオリ主含めてオリ家庭だけ。他は名もなきモブファイターだけ。
 後はホモ展開を媚を売るように差し込む。





0-1

 

 

 

 

 

 赤い機械の翼から生える桃色の光の羽が綺麗に彩る。彩り、美しく映える。僅かながらの残像が更に演出をしており、高速で機械の天使は動いている。

 対峙する青い機械の翼を持つ青い天使を追い込むように縦横無尽に残像を残しながら動き回り、一瞬の隙を突いて赤い天使が青い天使を大きな機械の剣で両断した。

 

 ――デスティニーがフリーダムを討つ、新しい結末の誕生の瞬間だった。

 

 

 

 

 

 

 

 俺の勝ち。と勝ち誇るように少年、瑞樹はドヤ顔を披露する。デスティニーのHGを操ったガンプラファイターの彼は自分の姉が操るストライクフリーダムを墜とすという原作無視の結果を叩き出した。

 瑞樹の姉、アゲハはクールな顔を悔しそうに歪めると彼女が操っていた倒れたHGのストライクフリーダムを持ち上げる。デスティニーの一撃で腕の部分が破損していた。

 

 

「クッ、短い期間でそこまで強くなるとは」

 

 

 アゲハは悔しい思いをしていた。彼女はかつて、第五回ガンプラバトル世界選手権で敗退したとはいえ、世界大会に出場出来るだけの実力を持つプロのガンプラファイターである経歴を持つ。

 だが、まだガンプラファイターとしての戦績が浅い瑞樹はアゲハに既に勝ち越しを果たしている。駆け出し、見習いの頃はまだアゲハが勝つ事はあったものの、今では瑞樹のガンプラファイターとしての腕が彼女よりも勝るようになったのだ。

 一刀両断の格好で固まるデスティニーを携帯のカメラで撮影する彼が彼女よりも強くなるなどとアゲハは思いもしなかった。ここまで強くなるとは、という感情が強い。

 撮影を終え、大事にデスティニーのガンプラを持ち上げる瑞樹。空いている片手はニギニギと開いたり閉じたりしてはガチャポンを回す仕草を繰り返していた。

 ガンプラファイターであるアゲハはその動きがガンプラを操る際の動きである事はすぐに気付いた。

 

 

「貴様、あのクズとは同一人物だとは思えんな。こうして三ヶ月、共に過ごしてみたがまるで正反対の存在ではないか」

 

 

 性格も、その才能も。天に恵まれているとしか言えない才能をこの瑞樹は持っているのだとアゲハは思う。

 対する瑞樹は笑うだけ。GPベースと呼ばれるガンプラバトル専用の記憶媒体の中身を確認し、楽しそうにしている。それがアゲハにとっては滑稽にしか見えなかった。

 

 彼女の知る瑞樹、ヒナタ・ミズキは最低下劣、人間としてクズな弟である事を恥じるような男。それが今は別人のようにクズのミズキとは正反対の“誇れる”弟のような存在に生まれ変わっているではないか。

 この瑞樹と会えたのは全くの偶然、数多の偶然が重なり合った結果生まれた一種の奇跡であると言える。ガンプラファイターとしての仕事を終え、帰宅すると弟が生まれ変わっていた事から奇妙な姉弟の関係とヒナタ家の新しい関係は生まれた。

 彼はこうも語った。彼が知る家族は父だけで母は事故死、姉は死産でいないと。恵まれた家庭とは言えず、再婚した新しい母親に金を搾り取られ、大学に進学できなくなった時にこの奇跡は起きたのだと言う。

 対して、アゲハの知るクズのミズキは瑞樹と入れ替わるように瑞樹の世界の母親に殺されたそうだ。神様の悪戯か、天に愛されている瑞樹は違う世界線の世界に来た事で命が救われたのだ。

 

 そんな瑞樹と過ごして三ヶ月。醍醐味であるガンプラバトルを教え、自分の気分転換の相手にさせているといつの間にか自分よりも強くなった。複雑な気持ちになるのもしょうがないだろう。

 それにしても瑞樹のガンプラファイターとしての才能は素晴らしいの一言に限る。ぎこちない動きから自分の手足のようにガンプラを操るのを見ればアゲハ以外のガンプラファイターもそう評価するはずだ。

 姉さん、と優しい声で語り掛ける弟の声にアゲハは思考を中断する。同じ声、同じ呼び方でもこうまで違うのかと思わず理想の弟像に顔が緩んでしまいそうになる。

 

 

「……む、むぅ。大事な弟の為なら何でもするぞ。そこまで畏まらなくとも、ミズキと私は姉弟だ」

 

 

 照れる様子を頬を掻く事で誤魔化すアゲハ。ちょっと顔が赤い彼女に嬉しそうに笑う瑞樹。

 彼の元いた世界では姉は死産で姉弟愛を知らなかった。兄弟に憧れた、姉妹に憧れた。その夢が叶ったのだからアゲハ以上に喜びを隠せずにいる。

 死に別れて母の顔も知らぬ事もまた、母に会えた事で更に喜びが浮かぶ。父に何度も聞かされた優しいイメージ通りで感動もしているが、本来のミズキがその母にした事でまだ母は自分に対して恐怖心がある事だけはショックではあるが。

 姉、アゲハの助けを借りて少しずつ母を自分に慣らす事をし始めたので当初の時と比べれば余所余所しくはないと思っている。

 

 

「ところでミズキ。もう少しで休学期間は終わるが大丈夫か?」

 

 

 その言葉にうっと声を詰まらせる。抱える問題の中でも特に大きいのがアゲハの口から語られた事だ。

 現在、瑞樹は十九歳で残り一ヶ月ほどで二十歳の仲間入りをする。それ故にどうしてもこれだけは勘弁してくれと言いたくなる事案があるのだ。

 

 運命の悪戯か、選択の相違か。この瑞樹はこの世界のミズキよりも二年早く生まれているのだ。つまり、戸籍上はヒナタ・ミズキは十七歳で高校生。既に大学合格を得ている彼としてはまた高校生をするのは受け入れがたい事である。

 ひきこもりでもあった前の彼の取り巻く環境は決して良好とは言えない。現代社会の学生が抱える問題のほとんどを抱えているので余計にだ。

 集団イジメ、カツアゲ、教師の贔屓による理不尽な扱い。クズになり下がったのもそれが原因だろうとアゲハから聞いた瑞樹は思う。

 

 

「む。そうだ。お姉ちゃんにミズキのガンプラを見せてみろ。ユニコーンのOVAも見てみたいぞ。ダブルオーもセカンドシーズンと劇場版があるんだろう?」

 

 

 目を爛々とさせ、瑞樹に掴み寄るアゲハに苦笑する。ガンダムオタクでもある姉に催促され、次は何を買えばいいのだろうかと考える。

 アゲハに伝える。アニメならまだしも、スピンオフ作品なら漫画や小説でも腐るほどあるんだと。それを買えばいいのか、と。

 

 

「お姉ちゃんは金持ちだからな。ガンプラ全種類大人買いもできるし限定版の高いボックスも余裕で買えるんだぞ……む。あっちでもこっちの紙幣が使えるのかって? 多分大丈夫だろう」

 

 

 もう一つ、瑞樹には大きな秘密がある。

 世間的には死んでいる事になっている以前の世界へどこでもドアのように世界間を行き来できる不思議なパワーを秘めている。だが、それはヒナタ家のガンプラバトル部屋の隣にあるガンプラショールーム部屋のドアからしか行けず、瑞樹しか渡れないようにできているのだが、詳しい仕組みは分からず仕舞い。

 最初は瑞樹を扱き使うように放送もガンプラの種類も進んでいる世界のガンプラを買わせてまだ売られていないガンプラでガンプラバトルをしており、冷たい態度をしてしまった事を今更ながら後悔していた。

 姉というものは弟に嫌われたくないものなのだ。それも理想の弟となればだ。

 

 中でもアゲハがお気に入りなのはまだ公開されていないユニコーンの最終章の部分の映画で登場していたモビルスーツのガンプラ。変身をするガンダムというコンセプトは彼女にとってストライクだったのだ。

 ユニコーンガンダム、バンシィにバンシィノルン、幻の三号機のフェネクス。まさに素晴らしいとしか言い表せない。できる事なら世界大会にもそのユニコーンを使いたいものだとささやかな願いを抱えている。

 

 そして、絶対に知られてはならない事がもう一つ。アゲハのいる世界の事だ。ガンプラファイター、ガンプラバトル。この単語から記憶の中にあるとある世界が思い浮かんだのだ。

 ガンダムの作品の一つに数えられるガンプラが動き、戦う平和なガンダム作品“ガンダムビルドファイターズ”の世界の設定と同じである事に気付いたのだ。アニメには興味は示さなかったが、隠れてその作品を見直したものだと彼は考える。思えば、夜が明けるまで時間を潰したのは初めてだったとも考えた。

 そこから得た知識。これから起こるであろう出来事にどうすればいいのだろうかと悩み始める。

 彼にはある目的がある。受け入れてくれた母と姉の為にガンプラバトルで金を稼ごうと。進んだガンダムの知識とガンダムのゲームで培われたガンダムの動きを生かせば勝ち進む事は容易いだろうと楽観的に思っていた。

 だがしかし。意外とファンタジーな設定がされているビルドファイターズの世界ではそれも難しくなる。特にマシタ会長のあれはないわ、と瑞樹は誰に言うまでもなく思う。

 

 

「うむ。もう少しガンプラバトルをしようか。今度は私が勝たせてもらうぞ」

 

 

 姉からの提案に、今は考えずに新しい遊びであるガンプラバトルを楽しもうとデスティニーとは別のガンプラを用意する瑞樹であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 まだ世間の記憶に新しい一人の青年が母親に殺された事件。自らの欲望を満たす為に再婚した夫にその息子に金を渡すまいと雑な殺人計画を立て、実行してあっさりと逮捕されたのが経緯だ。

 大きめのサイズのパーカーを羽織り、帽子を被って変装している殺されたはずの瑞樹は新聞に書かれた事件の顛末を読みながら自分の結末がどうなったかを知った。三ヶ月もの時間が流れようとも、次々に殺人を犯した母親の非人道的な動機に世間様を賑わしているようで未だに新聞一面に載っている。

 自分の事なのに何も感じない。捕まったあの母親はクソであった。ただそれだけで他に何を思えと言うのか。

 

 帽子を深く被り直し、パーカーのポケットに手を入れてその場から立ち去る。どういった原理であのドアが作用するのかわからない今は詳しく知りたいとは思わないが世界を渡る手段は使える時に使うもの。

 お目当てのアゲハに頼まれたものを買って帰ろうと足を早める。金を奪うかつての母親から守れた金からどれだけ上手に買えるかが課題だ。アゲハから金を貰っているとはいっても使うのは忍びない。

 ガンプラ、ガンプラ、そしてガンプラ。姉が望みそうな物は何でも買って帰って以前の自分とは違うのだと更にアピールを重ねたい理由から買収と変わらぬ事をしようとしている。

 最近ではプラモデル屋というものが少なくなっているのでガンプラを買う事も難しくなっているが、以前に通っていた品揃えがしっかりしている店がある。そこなら作らずにいたガンプラの幾つかがあるはずと狙いを定める。

 

 件の店に入れば、自分以外は一人だけ。ガンプラを見ては別のフィギュアを見るオタク風の男性の追従するように箱のデザインを確認してどれがお目当てなのか調べる。

 HGを中心にデザインが一新されている方がガンプラバトルで使える素体になる。以前の古いのは材質的に鈍重に動くからそれは省いて。

 あれやこれやと考えて選んだ結果はユニコーンとデストロイモード、バンシィノルン、クシャトリアリペアード。更にはこの店独自の商売であるバラ売りの武器のスクラッチも数点購入した。アームドアーマーは姉が最も喜ぶオプションだろうと思われる。

 ビルドファイターズの世界ではガンプラファイターの他にガンプラビルダーと呼ばれるガンプラを組み立てる者がいる。プロとは言えないが、アゲハはガンプラを上手に作れるだけの技術はある。ガンプラファイターには必須の最低限のスキルだけは持ち合わせている。

 ガンダムは知っているが、ホビー雑誌に載るような凝ったデカールやブラッシングで汚れを態と付け、リアルに見せる技術はない。ビルドファイターズでは観賞用には作られてもガンプラバトルには使わない技術だ。

 

 大きめの袋を伴い、彼は店を出る。財布に残る金額を確認しつつ本屋かゲーム店か、どちらに行くか迷っている様子。

 アゲハの好みはユニコーンかダブルオー。ユニコーンならばMSV系統があり、ダブルオーにはP、F、V、Iがある。どれを買おうかと迷う。漫画にするか小説にするかも大きな問題である。取り敢えずMS図鑑だけは買おうと投げ遣りに決める瑞樹であった。

 そしてアニメ。ダブルオーはファーストシーズンまで。セカンドシーズンや劇場版は未定でユニコーンに至っては小説はあるものの、映画はない。コンプリートボックスを買う場合は少し値が張る。

 

 帰還した世界で案外楽しく買い物をする瑞樹であった。帰る際に大荷物で疲れる事になったが。

 付け加えると最終的に金が足りなくなって結局姉の金を使う事になるのだが、諦めてセカンドシーズンのソレスタルビーイングのガンダム一式を更に追加購入する事になった。

 ヒナタ・アゲハは大変満足したようです。

 

 

 

 

 

 

 





 ヒナタ家の長女、アゲハ。銀髪バッテンじゃないよ。

 エタる前にアイラたんを泣かせるまで頑張ります(真顔)





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