ISGジェネレーション   作:京勇樹

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ちょっと、本編に介入


刻に抗う者達12

この戦役の名前の由来ともなった、コロニーレーザー

グリプス2

それのある宙域に、エゥーゴ、ティターンズ、アクシズ軍の三軍が集い、三つ巴の決戦が幕を開けた

ティターンズはコロニーレーザーを奪還を目指していて、コロニーレーザー目掛けて進撃を開始

エゥーゴはティターンズを壊滅させるべく、コロニーレーザーの使用に踏み切り、それまでティターンズの足止め

アクシズ軍もコロニーレーザーを再度奪取しようと、コロニーレーザー目掛けて進撃を開始

直哉達は、ティターンズとアクシズ軍の両方を相手に、戦闘を開始した

 

『アクシズ軍、機体性能は大したことないが……っ!』

 

『数が多いな!』

 

『一年戦争からの生き残りも居る! 気を付けろ!』

 

三人は互いに声を掛け合い、死角を無くしながら戦っていた

その時、直哉がある方向を見て

 

『つっ! あっちか!』

 

と言って、最大速度でスラスターを噴かした

 

『直哉!?』

 

『待てって!?』

 

一夏と弾の二人は、慌てた様子で直哉の後を追い掛けた

しばらく進むと、一機のガンダム

ガンダムMkー2が片腕を無くし、隕石に隠れながら戦っていた

だが、それは蹂躙だった

コウモリを彷彿させる機体

ハンブラビは、わざと直撃を外して弄んでいるような感じだった

しかも、その近くでは一隻のアイリッシュ級

ラーディッシュが、爆発・炎上していた

 

『ラーディッシュが!?』

 

『ヘンケン艦長!!』

 

『間に合わなかったか!?』

 

どうやら、直哉はラーディッシュ隊に危機が迫っていたのを感じていたようだ

その近くでは、Zガンダムが一機の可変式機体

ケープ・バウンドドックと交戦していた

 

『02、03!』

 

『了解!』

 

状況を察した直哉は、一夏と弾を呼ぶと同時に突撃した

直哉達は、ガンダムMkー2

エマ・シーンを蹂躙しているハンブラビに向かった

Zガンダムとケープ・バウンドドック

カミーユ・ビダンとジェリド・メサの方に向かわなかったのは、下手したらカミーユの邪魔になると判断したからだ

直哉達は接近しながら、それぞれビームを放った

よく見れば、戦闘開始時は三機編制だったのが単機だ

撃破されたのか、それとも別行動中か

理由は分からないが、絶好のチャンスだ

そんなチャンスを、三人は見逃さなかった

三人はハンブラビを狙い、次々と砲撃を発射

ハンブラビはそれを回避したが、部が悪いと判断したらしく離脱していった

なお、ハンブラビを見て

 

「あの機体は!?」

 

「合宿の時の敵!?」

 

と、シャルロットとセシリアが声をあげた

それを聞いて、直哉が

 

「あの海上の戦闘で現れた機体の内、三種類はこの時代の機体だな」

 

と語った

すると、束がその三種を表示させた

まず、今さっきまで戦っていたハンブラビ

次に、漆黒の破壊者

サイコガンダム

最後に、サイコガンダムの兄弟機体

サイコガンダムMkー2

その三種類を見ながら

 

「ハンブラビは小数生産されたジュピトリス製の可変式MSで、NTじゃないパイロットでも扱える機体の中ではかなりの性能を有してる。ただまあ高性能な分、パイロットの腕も問われる機体だな」

 

と説明を始めた

 

「次に、サイコガンダム。こいつは地球のNT研究所の一つ、ムラサメ研究所で開発された機体でな。強化人間にしか扱えない機体だ。それは、兄弟機のサイコガンダムMkー2も同じだ。そして、こいつらの戦闘は、基本的に大火力によるものだな」

 

直哉の説明を聞いて、参加メンバーはその火力を思い出した

正に暴力の権化のような、圧倒的火力を

 

「他の二機種は、別の世界だから。その時に」

 

直哉がそう締め括ると、三機がカミーユの方に向いた

その直後、Zガンダムはケープ・バウンドドックを爆発しているラーディッシュの方に投げて

 

『動き過ぎたな!』

 

と言って、ビームライフルを連射

そのビームライフルの連射を受けて、ケープ・バウンドドックは完全にバランスを崩し、ラーディッシュの爆発に巻き込まれる形で爆散した

そして、ケープ・バウンドドックを撃破したZガンダムは中破しているガンダムMkー2に近寄り

 

『エマさん!』

 

とカミーユがコクピットから出て、呆然とした様子のエマの肩を掴んだ

 

『カミーユ……私、ラーディッシュが沈む所を……ヘンケン艦長が死ぬ所を見たの……』

 

『エマさん……っ』

 

どうやら、エマはラーディッシュが沈んだことを自分のせいと思っているようだ

それにより、茫然自失になっていた

それに気付いたのか、カミーユは自分のヘルメットの横に手を添えて

 

『エマさん……人間の命って、自分達が思っている以上に……』

 

と喋りながら、突然にヘルメットのバイザーを開けた

 

『あっ!?』

 

それによってエマは我に返り、急いでカミーユのヘルメットのバイザーを閉めて

 

『カミーユ!! 貴方、今何をしたのか分かってるの!?』

 

と叫んだ

そう言われたカミーユは、深呼吸しながら

 

『今一瞬、意識が飛んでました……もう、こんなことはしません』

 

と返した

 

『カミーユ……』

 

エマはカミーユの行動が、自分を激励する行為だと気付いた

一段落したことを確認して、直哉は静かに近寄り

 

『エマ中尉、カミーユ。俺達が援護しますので、アーガマに後退を』

 

と提案した

すると、エマが立ち上がり

 

『そうね。Mkー2を直さないといけないし……カミーユも、一度戻って補給を受けなさい』

 

と頷いた

 

『了解』

 

カミーユが敬礼すると、エマと共にそれぞれ自機に乗り込んだ

そして、ZガンダムがガンダムMkー2に肩を貸す形で移動を開始

直哉達は二機の周囲を固めて、援護

アーガマまで後退した

そのタイミングで、アーガマの甲板には金色の機体

零式改め、百式が巨大な火砲

メガバズーカランチャーに跨がる形で出撃しようとしていた

すると、百式のパイロットたるクワトロ・バジーナが

 

『Mkー2は簡易アームを着けたら出撃。Zは補給を受けたらすぐに出撃しろ』

 

と指示を出した

そして、直哉達に機体の頭を向けて

 

『君たちはどうするかね?』

 

と問い掛けてきた

それに対して

 

『自分達は、母艦に帰投して補給を受けます。ご心配なく』

 

と返答した

それを聞いて、クワトロ大尉は最終確認をしていたらしく、少し間を置いてから

 

『分かった。二人の護衛、感謝する』

 

と言って、二機が退いたのを確認してからメガバズーカランチャーと共に出撃していった

それを確認した後、三機は母艦へと帰投していった

そして、グリプス戦役は終局へと向かう


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