ISGジェネレーション   作:京勇樹

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お待たせしました
昨日投稿しようと思ってましたが、執筆途中で机で寝てしまった………
腰が………


バルバドロ

「ガンダム伝説の祖……ファーストガンダム」

 

「そして、そのパイロット。アムロ・レイ」

 

「ファーストガンダムとアムロ・レイ……この二つの要因が揃ってたから、ガンダム伝説は起きた」

 

三人がそう言うと、一機のMS

ガンダムが、高速で駆け抜けた

ガンダムが駆け抜けた場所や進路上では、凄まじい勢いで爆発が次々と起きていた

 

「ガンダムはジオン公国軍からは通称で、連邦の白い悪魔と恐れられた」

 

「反対に、連邦軍では白き一角獣と呼ばれてた」

 

「アムロ・レイとファーストガンダム。ホワイトベース隊の活躍で、連邦軍は戦況をひっくり返せたって言っても過言じゃないな」

 

三人がそう言うと場面は変わって、三機のガンダムタイプ

トルネードガンダムが、連邦軍のMS部隊を先導していた

 

「もしかして、直哉達?」

 

「機体が、違いますわね」

 

シャルロットとセシリアが困惑した様子でそう言うと、三人は

 

「まだこの頃の俺達は、そんなに腕が立ってなかったんだ」

 

「だから、連携しやすいようにって、性能が同じで尚且つに操縦性が良い機体だったんだ」

 

「俺達にとったら、始まりの機体だな」

 

と告げた

すると、その三機が突如動きを止めて周囲を見回し始めた

そして

 

『レーダーに反応あり……』

 

『どこだ!? ミノフスキー粒子の影響で、正確に捕捉出来ないぞ!』

 

『どうやら単機らしいが、動きが速いぞ!』

 

と、今より少しばかり幼い感じの三人の声が聞こえた

 

「ミノフスキー粒子?」

 

弾の言葉を聞いて、虚が首を傾げた

 

「ミノフスキー粒子ってのは、宇宙世紀で見つかった新しい粒子だ。効果はレーダーと通信の妨害だな」

 

と弾が説明した

その時、一機のジムが三人より前に出た

 

『待て! 今は迂闊に動くな!』

 

『あ?』

 

直哉の言葉に、そのジムのパイロットが反応した

その直後、一発のビームがジムを撃ち抜いた

 

『上かっ!』

 

一夏はビームの来た方向から、敵の居る方向を特定した

その方向に見えたのは、赤と黒い塗装が施された楕円形のシールドを保持した機体だった

 

『パーソナルカラー……ヤバそうな相手が来たな』

 

『クソッ……相手は誰だ!?』

 

一夏と弾がそう言った直後、その敵機

ゲルググ高機動型は、ビームライフルを連射した

 

『散開回避!』

 

直哉の号令に従い、部隊は一気に散開した

直哉達は避けられたものの、ジムやボールの部隊に次々と着弾

撃破されていった

 

『クソッ! これ以上はやらせるかよ!』

 

一夏はそう言うと、ビームサーベルを抜いて突撃した

 

『一夏っ!』

 

弾は追いかけながら、撃破されたジムが装備していたバズーカを保持した

 

『ちいっ!?』

 

直哉は同じようにジムが落としたマシンガンを保持して、二人を追いかけた

 

『っらあ!』

 

一夏は気合いと共にビームサーベルを振り下ろしたが、敵機は素早く抜いたビームナギナタで防いだ

しかも膝蹴りを叩き込んで、バズーカを構えていた弾機に蹴り飛ばした

 

『があっ!?』

 

『ぐうっ!?』

 

ぶつかった二人は縺れ合い、大きくバランスを崩した

それを狙って、敵機がビームナギナタを振りかぶった

しかし、その一撃は直哉によって防がれた

しかも直哉は、左手に保持していたマシンガンを斉射

敵機は離れた

その間に、二人は態勢を立て直した

 

『悪い、直哉』

 

『助かった』

 

『大丈夫だ……けど、あいつは一体……っ!?』

 

二人の言葉に返答すると、直哉はその敵機の左胸にあるマークを見た

雷と一角獣が重なったパーソナルマークだ

 

『クソッ! 最悪だ!』

 

直哉はそう悪態を吐くと、右手を上げて信号弾を撃った

色は赤

それは、スピリッツで事前に決められた色だった

 

『直哉?』

 

『なんで、救援信号弾を?』

 

直哉が信号弾を撃った理由に気付いてないらしく、一夏と弾は問い掛けた

すると直哉は、その敵機を指差して

 

『あいつは、キマイラ隊の隊長のジョニー・ライデンだ!』

 

と叫んだ

 

『なに!?』

 

『よりによって、スーパーエースかよっ!?』

 

直哉の説明を聞いて、一夏と弾は驚愕していた

 

「あの敵、そんなに強いの?」

 

「ああ……深紅の稲妻、ジョニー・ライデン。初陣では戦闘機6、巡洋艦3隻を沈めたっていうエースだ。しかも、そういったエースのみで編成された部隊、キマイラ隊の隊長だ」

 

シャルロットからの問い掛けに対して、直哉はそう答えた

それを聞いて、ほとんどのメンバーは息を呑んだ

相手は、遥か格上だということだ

直哉達は、そういった格上相手に何回も生き残ってきたということだ

 

「格上相手に、何回も生き残ってきたのか……確かに、連携が重要になるな……」

 

千冬がそう呟いてる間に、直哉達は相手に対して弾幕を形成

近付かせないようにしていた

しかし、相手は名だたるエースパイロット

三人の弾幕は全て、回避されていた

 

『動きが速すぎる!』

 

『データよりも速いぞ!』

 

『推力だけじゃない。ビームの威力も、通常のよりも高いっ! 改造機か!』

 

三人がそう言った直後、ジョニー・ライデンの更に後方から、複数のパーソナルカラーのゲルググが接近してきていた

もはや、劣勢は明らか

このまま戦っていたら、壊滅する

この時の三人だけでなく、誰もがそう思った

その時だった

三機とキマイラ隊の間を、幾つものビームが駆け抜けた

 

『隊長達か!!』

 

『間に合ってくれたか!』

 

ビームが来た方向を見ると、十数機のガンダムタイプが居た

その先頭に居たのは、真っ赤な装甲の鳥を彷彿するガンダムだった

 

『よく持たせた! 後は任せろ!』

 

『了解!』

 

男の声に三人は返答すると、三人は散り散りになっていた部隊を再編成

進軍を再開した

それから数十分後、ア・バオア・クーは陥落

連邦軍の勝利となった

 

『終わったな……』

 

『ああ。俺達、生き残ったな……』

 

『ああ……』

 

と三人の安堵の声が聞こえた直後、異変が起きた

何処からか、強力な信号が発信されたのだ

 

『なんだ!?』

 

『信号だと!?』

 

『これは……』

 

と三人が慌てていると、巨大な機体が現れた

余りにも巨大で、禍々しい機体だった

まるで、悪意が凝縮しているかのようだった

 

「なんだ、あの機体は……」

 

「なんて禍々しい機体なんですの……」

 

「あの機体の名前は、なんだ?」

 

現れた機体を見て箒とセシリアは声を震わせて、千冬は三人に問い掛けた

 

「機体名はバルバドロ」

 

「本当だったら、あるシステムを守るための機体らしい……」

 

「だが、そのシステムの暴走から、バルバドロも暴走したとか……」

 

三人がそう説明した時、ア・バオア・クー周囲に展開していたあらゆるMSと艦隊がスピリッツにその砲口を向けた

 

「ジオンだけじゃなくって、連邦軍まで!?」

 

「どうして!?」

 

その光景を見て、その場のメンバーは驚愕した

協力していたスピリッツに対して、連邦軍までもが砲口を向けたのだ

裏切り行為と言える

その時だった

スピリッツの前方に、一機のガンダムタイプが表れた

紫と黒の配色のガンダムだった

 

『バルバドロめ。裏切りのコードを使ったか』

 

と言ったのは、そのガンダムタイプ

ハルファスベーゼを操ってる女らしい

 

『なんだてめえは?』

 

とクロスボーンガンダム(当時)に乗っていた男

ラナロウ・シェイドはビームガンを突きつけた

しかし、その女は無視して

 

『我が名はアプロディア。我と共に、バルバドロを撃破するぞ!』

 

と告げた

これが、ジェネレーションシステムを巡る戦いの始まりだった


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