ISGジェネレーション   作:京勇樹

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今度書こうと思ってる艦これの小説に、トライアドを出そうかと思ってます
戦術機でですが


帰還

数分後、出撃していたメンバーは全員、旅館近くの砂浜に帰還した

その砂浜には、千冬を筆頭に山田先生とセツコが居た

全員が帰還したのを確認すると、千冬が一歩前に出て

 

「総員、ご苦労だった…………そして、よく、帰ってきたな」

 

と言った

それを聞いて、全員笑みを浮かべた

すると、千冬は直哉が抱えているナターシャ・ファイルスを見て

 

「アメリカの代表、ナターシャ・ファイルス……まさか、福音が有人機だったとはな……」

 

と言いながら、腕を組んだ

すると、カオルが一歩前に出て

 

「それに関してですが、彼女のデータがアメリカさんのデータバンクから消されてました」

 

と報告した

それを聞いて、千冬は眉をひそめた

すると、セツコが

 

「織斑先生、怪我人も居ますから、報告は後でいいかと……」

 

と進言した

それを聞いて、千冬は頷いて

 

「そうだな……しかし、神崎、五反田……そして、織斑」

 

と三人を見た

 

「お前達が無事で何よりだ……ただし、そろそろ話してもらおうか? …………二年間の詳細を」

 

千冬がそう言うと、三人は顔を見合せた

そして、手話で会話を始めた

しかもそれは、国際共通規格ではなく、スピリッツ独自の物だった

スピリッツはその時により、様々な勢力に助力していた

故に、昨日の敵が今日の友

昨日の友が今日の敵

というのは、非常にザラだった

だから内密な話をする時は、スピリッツ独自規格の手話で話していた

ちなみに、内容は以下の通りである

 

『どうするよ?』

 

『千冬姉のあの顔は、諦めない顔だ。話すしかないぞ』

 

『話すにしても、問題は場所だろ』

 

『IS学園は論外。様々な勢力が居て、防諜に不安あり』

 

『だよな……』

 

三人はそこまで話すと、今度はカオルに顔を向けて

 

『確か、近くにオーブの大使館が有ったよな?』

 

とオーブ軍式の手話で話した

まさかオーブ軍式を使うとは予想してなかったのか、カオルは僅かに驚いた表情を浮かべたが直ぐに頷いた

それを確認して、続けて

 

『防諜は大丈夫だよな?』

 

と問い掛けた

すると、カオルは不敵な笑みを浮かべながら

 

『当たり前だろ』

 

と答えた

それを聞いて、直哉が

 

『じゃあ、大使館の会議室を一室借りられるか? なるべく、外から見えない場所で』

 

『わかった。任せろ』

 

『じゃあ、次は移動手段だが……』

 

『それだったら、ヘリを使いましょう。幸いにも、IS学園にもヘリポートはあるし』

 

『じゃあ、決まりだな』

 

直哉達はそこまで話すと、千冬達に視線を向けた

 

「わかりました……ただし、こことIS学園では話せません。日時と場所はこちらで指定させてもらいます」

 

直哉がそう言うと、千冬が

 

「IS学園でもか?」

 

と問い掛けた

直哉はその問い掛けに対して、頷きつつ

 

「IS学園は様々な勢力が居るので、防諜に関して不安があります」

 

と答えた

それを聞いて、千冬はしばらく腕組みして黙考すると

 

「わかった……そちらの提案に従おう」

 

と答えた

それを聞いて、直哉は頷き

 

「それじゃあ、手当てや飯にしましょう。疲れましたし」

 

と先を促した

その言葉に、千冬は頷いて

 

「そうだな……そうしよう」

 

と同意した

それを受けて、専用機メンバーで怪我を負っていたメンバーは山田先生を中心にして治療を受けた

そして数十分後、千冬の判断により食事を始めた

そんな中……

 

「ねえ、何があったの?」

 

と一人の女生徒が、シャルロットに話しかけていた

しかし、その人選は間違いだった

シャルロットはその真面目な性格故に、非常に口が固い

そういう意味で喋りそうなのは、鈴と箒である

二人は挑発に弱いために、少しの挑発で口を滑らしそうなのだ

 

「ダーメ。言わないよ?」

 

「そこをなんとか!」

 

シャルロットの言葉を聞いて、その女生徒は両手を合わせて拝んだ

しかし、シャルロットは睨みながら

 

「僕が喋ると、卒業まで監視されるよ? それでもいいの?」

 

と言った

すると、その女生徒はうっと言葉を詰まらせて

 

「それは嫌だなぁ……」

 

と呟いた

それを聞いて、シャルロットは

 

「でしょ? なら、この話はこれでおしまい」

 

と言って、食事を再開した

したのだが、シャルロットは先ほどまで居た直哉が居なくなっているのに気付いた

 

「直哉……?」

 

食堂を見渡すが、直哉の姿は見えない

すると、セシリアと視線があった

どうやら、セシリアも直哉が居なくなっているのに気付いていたらしい

二人は顔を見合せると、手早く食事を終わらせると食堂から出た

直哉を探すためである

しかし、二人にはなぜか直哉の居場所がわかった

二人は旅館から出ると、少し離れた場所の高台に向かった

直哉はそこの、ベンチに座って満天の星空を見上げていた

二人がある一定の距離に近付き、声をかけようとした

だが、それより先に

 

「シャルロットとセシリアか」

 

と直哉は姿を見ずに言い当てた

二人が軽く驚いていると、直哉は肩越しに二人を見て

 

「二人の気配を感じたし、二人は覚醒してきてるみたいだしな……NTに」

 

と言った

すると、二人は首を傾げて

 

「NT?」

 

「それは、一体?」

 

と問い掛けた

 

「簡単に言うなら、俺と同じ存在だな……新しい環境に適応した新しい人類だ」

 

「新しい環境……?」

 

「どこに、適応したのですか?」

 

二人の疑問を聞いて、直哉は星空を見上げて

 

宇宙(ソラ)さ」

 

と言った

 

「ソラ?」

 

直哉の言葉を聞いて、二人は星空を見上げた

すると、不思議な体験をした

無限に広がる虚空を、数多くの人型機体が駆け巡り、その手に持った武器を使って戦っている

更には、白亜の巨艦がビーム砲を放っては、幾つもの光の華が咲いた

二人が驚いていると、その光景は消えた

そして、二人が直哉に視線を向けると、直哉は肩を竦めながら

 

「詳しくは、今度話そう……旅館に戻ろうか」

 

と言って、立ち上がった

そして、旅館へと戻っていった


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