ISGジェネレーション   作:京勇樹

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復活

「僕達じゃあ………ダメなのかな……」

 

福音の攻撃で砂浜に墜落したシャルロットは、諦めの気持ちと共に呟いた

一度は撃墜した福音

しかし、セカンドシフトして復活してきた

そこから起きた、圧倒的蹂躙

シャルロットは得意の戦法で福音を撃墜しようとしたが、成す術なく撃墜された

それに続くように、仲間達も落とされた

今、シャルロットの心に諦めと絶望の気持ちが広がっていった

その時、シャルロットの視界に緑色の粒子が入った

 

「あれって………一夏の?」

 

シャルロットはそれが、一夏の機体のGN粒子だと気付いて視線を動かした

すると、二つの流れ星が視界に入った

自分達の所目掛けて落ちてくる流れ星が

その流れ星を見つめていたら、シャルロットの視界にある変化が起きた

消えていたトライアド1のシグナルが、復活したのだ

 

「………………え?」

 

シャルロットが呆然としていると、通信が繋がり

 

『諦めたら、そこで終わりだぞ?』

 

と待ち望んだ声が、聞こえた

 

「直哉………? ………直哉!」

 

「直哉さん!」

 

シャルロットが起き上がりながら呼ぶと、近くからセシリアの声が聞こえた

振り向くと、セシリアも起き上がっていた

どうやら、セシリアにも繋がっていたらしい

二人が顔を見合せていると

 

『さて………ここからは、俺達の番だ!』

 

と直哉の気合いが入った声が聞こえた

そして、二つの流れ星の中から直哉と弾の機体が姿を現した

直哉達はまだ、諦めていない

だったら、自分達も諦めるわけにはいかない

シャルロットとセシリアの二人は、震える体に渇を入れて立ち上がった

 

「僕は、ここで………っ!」

 

「私は、まだ………っ!」

 

「「諦めたくない!!」」

 

二人がそう言った直後、二人の機体が光り輝き始めた

そして、二人の視界にウィンドウが開いて

 

《セカンドシフト ラファール・リヴァイブ・ドラグーン》

 

《セカンドシフト ブルーティアーズ・スターズ》

 

と表示された

そして、少しずつ変わっていく自分の機体を見ながら

 

「これが………」

 

「私達の………」

 

「「新しい力……!」」

 

二人は口を揃えた

そして、面影を残しつつ新たなステージに至った自機から空に視線を向けて

 

「行くよ、ドラグーン!」

 

「行きますわよ、スターズ!」

 

と掛け声を上げて、空へと飛び立った

 

◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

 

「弾、そろそろだ」

 

「ああ……最終軌道修正、終了」

 

直哉が声を掛けると、弾は返事をしながら最終確認を終えた

そして減速すると、二人の機体を覆っていた赤熱化気流が消えた

それにより、二人の機体が露になった

弾は機体配色は基本的に、前とは変わっていない

しかし、膝と肘内側が金色に輝いている

更には、両手に持っているビームライフル

盾が無くなった代わりに、両手の甲にあるビームシールド発生装置

なお、このビームシールドは調整すればビームサーベルとしても使えるようになっている

勿論だが、ビームサーベルも用意、収納されている

腰のレールガンは前と同じように連装式

そして、背中の翼

半自立攻撃ユニット

ハイパードラグーンが10から20機へと増設されている

それにより増えた重量は、各部に増やされたスラスターによってバランス性を引き換えにして機動性を上げて補っている

次に直哉

直哉の機体は前と大幅に変わり、まず右手のビームライフルはビームマグナムへと変わっている

ただし、このビームマグナムは出力設定で通常のビームライフルとしても使える

しかも、銃身下部にはビームサーベルを追加してある

左腕の盾は、機首を彷彿する形から多角形のものに変わっている

勿論だが、ハイメガカノンは健在だ

しかも、盾の淵にはビームサーベル発振器が内蔵されており、斬撃武器としても使用できる

そして、盾裏にはビームガン

盾内部にはグレネードランチャーが標準装備されている

そして、機体構成

以前とは違い、戦闘機形態への変型機構が無くなっている

更に、特徴的だったガンダムを示すデュアルアイとV字形のアンテナでは無くなっていた

デュアルアイはゴーグル状になり、額には二角式の角があった

上が長く、下が短いV字状の金色の角が

背中には一対の翼と火砲

その翼の中央には、六つのスラスター孔

そして翼下面には、幾つかの細長い穴が開いていた

 

「直哉、あれ使えるか試したらどうだ?」

 

「ああ、そうだな………デルタ!」

 

直哉が愛機の名前を呼んだ

その直後、機体に変化が起きた

装甲がスライドし、そこから緑色の光が漏れだした

そして、頭部では角が開いてV字形のアンテナへと変わり、ゴーグル状だったセンサーはあのデュアルアイへと変わった

そして、直哉の視界に表示されているのは

 

《NTーD》

 

という文章だった

NTーD

それは、破壊の力

だが、それと同時に人の可能性の力だった

人の意志を受け取り、奇跡を起こす機能

それで、不可能を成し遂げたこともある

その力を得て、今、彼らはここに

戦場に

彼らを思う人達が居る場所へと、帰還した

三機将が

 

 

復活した




直哉の背中にあるのは、Zディファインの零式の飛行ユニットをイメージしてください

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