ISGジェネレーション   作:京勇樹

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いよいよ、最終回間近です


終結

『ミサイルが!?』

 

『さあ、新たな世界の幕開けだよ』

 

二機の横を通り過ぎたミサイル群が、高速で地球に向かった

だがその時、分厚い弾幕が形成されて、そのミサイル群の悉くが迎撃された

 

『ちいっ!?』

 

それを見たリボンズは、舌打ちし

 

『隊長!!』

 

一夏は歓声を上げた

それは、スピリッツ本隊と残存オーブ軍の砲撃だった

スピリッツの方は、まだ十分に戦闘可能状態である

それに対して、オーブ軍の方は過半数が損傷していた

片腕が無かったり、片足が無かったりしている

だがそれでも、装備していた武装で撃墜したのである

それは一重に、地球を守りたかったからに他ならない

中性子ミサイルが地球に到達したら、何人が亡くなるのかわからない

一つの中性子爆弾で、約数万人規模の街が全滅する

もし、数十発のミサイルが着弾すれば、どうなるか

それを考えたら、見てるだけという訳にはいかない

だから、修理もせずに弾幕の形成をしたのである

 

『トライアド2! そのままリボンズと戦え! ミサイルは此方で引き受ける!!』

 

『了解!』

 

マークの言葉を聞いて、一夏はリボンズに意識を集中

攻撃を開始した

 

『本当に、邪魔だね! 君達、英雄気取りは!?』

 

『救世主を気取る貴様よりかは、百倍マシだ!!』

 

一夏とリボンズの二人は、迫るミサイル群の中で高機動戦闘を繰り広げた

一歩間違えたら、ミサイルが直撃して二人共無事ではすまない

だが、そんなこと関係無いとばかりに激しく動いた

むしろ一夏は、邪魔だと思ったミサイルは弾頭を切り落としてから、縦に両断

その爆発を使い、リボンズに迫った

 

『これ以上、地球を貴様の好きにさせるかぁぁぁ!』

 

『未来も読めない人間風情が!』

 

リボンズは一夏の攻撃を避けると、TRANSーAMを発動した

それを見た一夏は、サブモニターを見た

そこに表示されていたのは、240秒という時間

それは、一夏機のTRANSーAM可能時間を示していた

それを見た一夏は

 

『TRANSーAM!!』

 

とTRANSーAMを発動させた

そこからは、赤い軌跡のぶつかり合いだった

通常では考えられない速度で、激しくぶつかり合った

 

『ああぁぁぁぁぁぁぁぁ!』

 

『はぁぁぁぁぁぁ!!』

 

二人は気合いの声を上げながら、剣を振るい、ライフルを撃ち続けた

この時、弾とクルーゼの戦いも佳境に入っていた

弾はライフルを一挺失っていたが、クルーゼは左腕を肩から失っていた

それは、弾がすれ違い様にビームサーベルで切り飛ばしたからである

そして、互いにドラグーンは全て失っていた

 

『最早止められんよ、人類の滅びはな!?』

 

『止める! 俺達が、止めてみせる!! 滅ぼさせてたまるか! 終わらせてたまるか!! 失ってたまるかぁぁぁぁ!!』

 

クルーゼの言葉を否定するように、弾はがむしゃらに攻撃した

弾機とクルーゼ機は、互いの攻撃で損傷していく

弾の一撃で、クルーゼ機の片足が吹き飛び、クルーゼの攻撃で弾機の片足とレールガンの片方が破壊される

そして弾は、ビームサーベルを構えて

 

『俺には……俺達には!』

 

と言いながら、クルーゼ機に迫った

クルーゼはその弾機の迎撃を開始

ライフルを連射した

そのビームは、弾機の頭部を吹き飛ばし、肩アーマーを破壊した

だがそれでも、弾は止まらず

 

『守りたい世界が有るんだぁぁぁぁぁぁぁ!!』

 

と言いながら、ビームサーベルを突き出した

そして、一夏達の方も

 

『リボンズ・アルマークぅぅぅぅぅ!!』

 

『織斑一夏ぁぁぁぁぁぁぁ!!』

 

リボンズはビームサーベルを突き出し、一夏はビームサーベルを振り下ろした

クルーゼの撃ったビームは、弾機の胸部に直撃

弾機は、機能停止

リボンズ機のビームサーベルは、一夏機の左肩付け根を貫通

一夏機は、左肩のGNドライヴを失い、戦闘不能に陥った

それに対して、弾のビームサーベルは、クルーゼ機のコクピットを貫通

一夏のビームサーベルは、リボンズ機を右肩から左腰まで両断

軍配は、弾と一夏に上がった

そして、時は少し遡り

 

『見つけた! ジェネシス!!』

 

直哉はジェネシスを発見し、正面に布陣した

そこに

 

『直哉!』

 

『直哉さん!』

 

シャルロット機とセシリア機が到着した

 

『二人共、なぜ!?』

 

追い掛けてきた二人を見て、直哉は驚いた

すると、二人が

 

『一人よりも二人!』

 

『二人よりも三人ならば、防げるはずですわ!』

 

と言った

そう

二人も、直哉と共にサイコフィールドを展開するつもりなのだ

確かに、直哉一人だと防げる確率は余りにも低かった

だが、三人ならばどうだろうか

防げる確率は、必然的に高まる

 

『……すまん』

 

直哉が謝ると、二人は

 

『僕達が欲しいのは、謝罪の言葉じゃないよ』

 

『感謝の言葉ですわ』

 

と言った

 

『分かった……ありがとう、二人共……』

 

直哉が感謝の言葉を告げると、二人は無言で親指を立てた

そして三機は、直哉、セシリア、シャルロットの順で布陣

その時を待った

そして、弾と一夏がそれぞれ宿敵を倒した直後

 

『来た!』

 

ジェネシス内部で、エネルギーが高まり始めた

それを確認した直哉は

 

『二人共、俺の感覚を掴んでるな?』

 

と二人に問い掛けた

その問い掛けに、二人は無言で頷いた

それを見た直哉は

 

『ぶっつけ本番になる……行くぞ!!』

 

と言って、意識を集中した

そして

 

『デルタぁぁぁぁぁぁぁ!!』

 

とサイコフィールドを展開した

そして、二人は

 

『つっ!!』

 

『いっけぇぇぇ!!』

 

と言った

セシリア機は、人の意志を伝えるGN粒子とサイコフレームを使っている

それに対して、シャルロット機

V2ガンダム・デュークスは、二機より少ないがサイコフレームを採用していた

その場所は、コクピットとして使うコアファイター

そのフレーム全てが、サイコフレームだった

使用量は、直哉機やセシリア機と比べて遥かに少ない

だが、同じ条件でアムロは、アクシズを押し返した

ならば、不可能な訳がない

直哉機に僅かに遅れて、セシリア機とシャルロット機も確かにサイコフィールドを展開した

その直後、ジェネシスが放たれた

そして、三機が展開したサイコフィールドに直撃

三機を、凄まじい衝撃が襲った

だがそれでも、三機はサイコフィールドを展開し続けた

その結末は……


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