ISGジェネレーション   作:京勇樹

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戦場での叫び

『貴様は! 貴様だけはぁぁぁぁ!!』

 

と憎しみの声を上げたのは、一夏だった

 

『ははは! 何をそんなに怒ってるんだい? 敵だったんだろう?』

 

『それでも、血を分けた妹だった! 分かり合おうとしていたんだ!! それを、貴様はぁぁぁぁぁ!?』

 

一夏は怨嗟の声を上げながら、リボンズに対して攻撃を繰り出した

しかし、リボンズもウルトラ級のエース

簡単には、撃破出来ない

リボンズは一夏のGNソードⅢ改をビームサーベルで受け止めて

 

『人間同士が分かり合う? そんなの、不可能だね。人間は分かり合えないから、殺しあうのさ。だから、管理する必要がある』

 

と言った

そして、至近距離でライフルを撃ち

 

『救世主なんだよ、僕は! 今の人間は、管理されるべきなんだ!』

 

と言い切った

それは、人間を見下してるからに他ならない

一夏は、リボンズのビームを避けて

 

『貴様は、人間を分かろうとしてない!! ただ、人間を家畜のようにしか見てない!! そんな奴が救世主!? ふざけるなぁぁぁぁぁぁ!!』

 

と言葉と共に、怒涛のように攻撃を繰り出した

すると、リボンズは

 

『人間を分かろうとする必要なんてないさ。反抗する者達は、管理する必要はない。ただの動物さ。そんな存在とどうやって分かり合えと? 不可能さ』

 

と反論しながら、一夏の攻撃を全て回避

ビームサーベルを振り下ろした

そのビームサーベルを受け止め、一夏は

 

『貴様は、分かり合おうとしてないだけだ!!』

 

と言って、リボンズ機を蹴り飛ばした

そして、接近を図りながら

 

『貴様は……戦いを生み出す権化だ!!』

 

と言った

すると、リボンズは

 

『君たち傭兵と、一緒にしないでほしいな! 僕のガンダムこそが、人類を導くガンダムさ!』

 

と言った

それを聞いて、一夏は

 

俺達(スピリッツ)を、あいつと一緒にするなぁぁぁぁぁぁぁぁ!!』

 

と怒声を張り上げたのだった

そして二機は、激しく激突しながら要塞表面で交戦を続けた

この時、直哉と弾は引き離したクルーゼと交戦していた

これは、クルーゼに一夏を攻撃させないためだ

それが、二人に出来るせめてもの罪滅ぼしだった

 

『逃がすかよ!』

 

『食らえ、クルーゼ!!』

 

二人はそう言いながら、ビームを撃った

しかし数発のビームをクルーゼは、容易く回避

そして

 

『貴様らも懲りないな!』

 

と言って、ドラグーンを射出した

それを見た二人は

 

『来るぞ!』

 

『散開! 乱数機動!!』

 

とドラグーンを避けるために、デタラメに機動した

勿論だが、クルーゼを見失わないようにだ

そして、ドラグーンの攻撃を回避して

 

『なにがだ!!』

 

と二人して、クルーゼに言った

するとクルーゼは、ライフルを連射しながら

 

『君たちは、一体何回戦ったのかね!? 人々のためにと! 世界のためにと!』

 

と言った

その攻撃を、二人は盾のサーベルを展開し、弾いた

しかし、クルーゼは大して気にせずに

 

『幾多の戦いを乗り越えて、君たちは何を見てきた!? 人々は、なおも醜く争うだけだ! 覇権を握ろうと! 自身の欲を満たすために!! そんな人々を、守る必要が、価値があるのか!?』

 

と言いながら、再びドラグーンを展開

今度は、ジャベリンタイプも放った

直哉と弾は、その二種類の攻撃を機動と盾で耐えた

しかし、クルーゼはそれを予測していたらしい

気づけば、弾機に肉薄

サーベルを振るった

弾は即座に、サーベルを左手で抜刀し防御

0距離でライフルを撃とうとした

だが気づけば、ジャベリンタイプのドラグーンが頭上から迫っていた

それを避けるために、左半身になった

その直後に、弾機は蹴り飛ばされた

 

『ぐうっ!?』

 

『野郎!』

 

それを見た直哉は、近くを漂っていたデブリを蹴って強引に方向転換

意味ないと分かりながらも、グレネードを撃った

それをクルーゼは、サーベルで全て迎撃

直哉にライフルを撃った

それを直哉は、機体をロールさせて回避した

すると、クルーゼは

 

『今の世界は、人々は、一度滅ぶべきだ!!』

 

と言って、ドラグーンと合わせてライフルと盾内蔵のビームガンを撃った

それを二機は、ビームの雨をすり抜けるように回避しながら

 

『ふざけるな!!』

 

『あの世界には、守りたい人達が居るんだ!!』

 

と叫んだ

そして、続けて

 

『確かに、どうしようもない連中は居るさ!』

 

『戦争を望む奴や、自分の欲求のために人々を不幸にする奴はな!!』

 

と言いながら、ライフルを撃った

それをクルーゼは回避するが、ドラグーンでの攻撃は続行

二人はその攻撃を、サーベルで弾きながら近付いていく

そして

 

『だからこそ、俺達みたいな存在が必要なんだ!』

 

『そういった奴等から、世界を救うためにな!!』

 

と言って、ファンネルとドラグーンを全基展開

クルーゼのドラグーンと戦わせ始めた

それにより出来るのは、ビームによる檻

三機はその中を、激しく動きながら戦った

 

『そうやって、罪を重ねるのかね!? その果てに、何が待ち受けてるのかも知らずに!?』

 

クルーゼのその問い掛けに、二人は

 

『戦うさ! 何度でもな!!』

 

『既に俺達は大罪人だ! この手は、血に濡れている! だったら、今さら……』

 

『迷ってられるかぁぁぁぁぁ!!』

 

と返した

世界を救うために、罪を重ねる

その果てに何が待ち受けていようが、もう覚悟は出来ている

そうでなければ、戦場になど立つ筈がないのだから

そうして、この戦争は終局へ向かっていく


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