ISGジェネレーション   作:京勇樹

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短いです
ごめんなさい


惨劇の現場

クルーゼ達との戦闘後、直哉達は本隊と合流

ある小惑星に近づいた

そこは、マーク達フェニックス隊が発見した小惑星だった

見た目は普通の小惑星だが、機体のセンサーで確認したところ、エネルギー反応を検知した

どうやら、小惑星基地らしい

合流した各部隊で、入り口を探索

発見した格納庫から、突入することにした

 

『これは……エアロックね』

 

『ということは、中には空気が満ちてるようだな』 

 

と言ったのは、ハッチを調べたナナとシュンだった

すると、マークが

 

『何やら嫌な予感がする……総員、即応態勢』

 

と下命し、全員はそれに従った 

それを確認したシュンとナナは、頷いてから

 

『では』

 

『開けます』

 

と言った

それを聞いたマークが頷いたその直後、ハッチが開き近くに居た全員は拳銃やマシンガン、小銃を向けた

そして見たのは、地獄だった

中では、何人もの人々が首を押さえて、漂っていた

 

『この死に方は……!』

 

『G3ガスか!?』

 

それは、宇宙世紀に於いて猛威を振るった毒ガス兵器

G3ガスだった

 

『総員、絶対にバイザーは開けるな!』

 

マークはそう命令し、中に入った

その光景を見た後合流組は、身を強張らせ言葉を失っていた

やはり、そういった光景は初めて見たらしい

すると直哉が、ヴィシュヌやベルベットの背中を叩き

 

『気をしっかり保て』

 

と激を入れた

そして、マークに

 

『隊長』

 

と言って、ジェスチャーで後合流組を示した

それを見たマークは

 

『後から合流した者達は、外からの敵を警戒。他は中に突入するぞ』

 

と指示を下した

その指示に従い、ベルベットを臨時の隊長とした部隊はその場で警戒態勢へ

他は、中に突入した

だが中は、死が充満していた

宙や床に死体が転がり、突入部隊はそれらを避けるか退かしながら奥に進んでいた

G3ガス

更に、G3ガスの基になったGGガスは、コロニーのような密閉空間でその効果を発揮する毒ガスである

だからジオンもティターンズも、コロニーに使用したのである

今スピリッツが突入した小惑星基地も、密閉された空間だ

中に居る人間の生存は、絶望的だろう

事実、道中の通路や部屋では、死体しか見つからなかった

なおスピリッツは、途中途中で、部隊ごとに別れて進んだ

念のために、生存者を探すのだ

トライアド隊も、ある通路で本隊から別れて奥に進んでいた

そして、あるドアの前に到着した

そこは機密性が高いらしく、電子ロックが掛けられていた

直哉は簪に指示して、ロックの解除をさせた

そして数秒後

 

『……ロック、解除。開くよ』

 

と簪が言ったので、一同は構えた

その直後、ドアが開いた

そして見えたのは、最早見慣れた死体だった

 

『こりゃ……生存者は居なさそうだな……』

 

『ああ……』

 

『しかし、ここは何の研究ブロックなんだ……』

 

三人はそう言いながら、死体を確認していた

その時、シャルロットが

 

『待って……あの奥の研究者達……酸素マスク付けてない?』

 

と、奥で力なく漂っていた二人の白衣を指差した

確かに、その二人は酸素マスクを付けていた

それを見た直哉達は、ゆっくりとその二人に近づいた

よく見れば、僅かだが胸元が動いている

どうやら、生きているようだ

 

『隊長、こちらトライアド1。生存者二名発見しました』

 

『分かった。確保しろ』

 

直哉が通信すると、マークはそう返答してきた

それを聞いた直哉は、ハンドサインで確保するように伝えた

それを聞いた一夏と弾が、その二人に近づいた

その時だった

 

『……まさか……一夏……なのか』

 

と男の声が聞こえた

その声は、一夏にどこか似ていた

 

『まさか、あんたは……』

 

『私は……織斑百春……こっちは、織斑十秋だ……』 

 

一夏の問い掛けに、男

百春はそう言った

一夏は沸き上がる激情を飲み込み、弾と一緒に二人をそれぞれ背負った

その後、簪が端末を使ってデータの吸出しを行い、その部屋から出た

そしてマークの指示に従って、先に母艦に帰投した

情報を聞き出すために


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