隊員達が街に繰り出し英気を養っていた時、マークとゼノンはオーブ代表
ウズミ・ナラ・アスハと話し合っていた
これからスピリッツは、宇宙に上がる
その後のことだ
「アークエンジェルの打ち上げには、クサナギ用のスラスターを使ってもらうことになる……エウクレイデスは、マスドライバーを使えば、上がれるか?」
「は、大丈夫です」
ウズミの言葉を聞いて、ゼノンはそう頷いた
そして
「宇宙に上がった後だが……アメノミハシラを活動拠点として使いたまえ……」
「アメノミハシラが有るのですか!?」
ウズミの言葉を聞いて、マークは驚いた
まさか、軌道エレベーターステーションたるアメノミハシラが建造されているとは、完全に予想外だったのだ
「うむ……今は、宇宙ステーションとして機能している……更に、ファクトリー機能を重点的に強化させている……艦の修理も出きるようにしてある。君達の活動には、必要になるだろう」
「ありがとうございます。助かります」
ウズミの言葉を聞いて、ゼノンは頭を下げた
事実、そう言った活動拠点が有る無しでは、大きい差がある
確かに、エウクレイデスには高いファクトリー機能が付与されているが、専門のファクトリー機能を有する固定拠点があれば、もし艦が大打撃を受けても、迅速に直せることが出きるだろう
「連合軍の情勢は、どうなってますか?」
「先日の情報で、進攻処では無くなったらしい……正式に、終戦協定が結ばれた」
ゼノンの問い掛けに、ウズミはそう答えた
やはり、混乱状態らしい
その結果、終戦協定を締結するに至ったようだ
「ということは、しばらくは開戦の心配は無いですね」
「ああ……カオル」
「はい!」
ウズミに呼ばれて、新たにカオルが部屋に入ってきた
カオルは持っていた書類を、机の上に置いて
「今現在、アメノミハシラ駐留部隊と合わせて宇宙艦隊を編制しています……数は、こちらの通りです」
と指し示した
それを見たゼノンは
「宇宙艦隊……相手は、宇宙戦力を有している可能性が高いですからな」
と頷いた
そう
先日陥落させた昭和基地
そこで入手した情報から、亡国機業は強化人間が大人数居たことが分かっている
更に、敵に居たツバロフ技師長
そいつが作っているだろう、無人機
それを考えると、スピリッツだけでは手が回らなくなる可能性が高い
それを考えると、宇宙艦隊を編制するのは理に叶っている
「貴方達が先に上がることになりますが、遅くとも約二週間後には、編制した戦力を宇宙に上げることが出来ます」
「二週間ですか……」
「際どいか……?」
カオルの告げた日程を聞いて、ゼノンとマークは腕組みした
二週間もあれば、大抵のことは準備出きるからだ
特に、無人機生産はかなりの数になることが予想出きる
かなり際どいだろう
「相手の大人数の強化人間……そして、データで教えられた無人機……それらを考慮すれば、かなりギリギリでしょう……」
カオルも分かっているらしく、渋い表情だ
しかし
「だが、やるしかあるまい……我々には、それしかないのだ」
とウズミが言った
確かに、やるしかないのだ
宇宙に上がった奴等を放置したら、それこそ取り返しのつかない事態になるだろう
「すまないが、苦労を掛ける」
『ハッ!』
ウズミの言葉に、マークとゼノンは返礼した
場所は変わり、市街地
そこでは
「お父さん、お母さん、お兄ちゃん、早く!」
「落ち着け、ナナ」
「転ぶわよ」
「ったく……」
タチバナ家が、家族で買い物していた
とはいえ、ナナのテンションが天元突破一歩手前の状態にあり、ナナがまるで、子供のようだった
それを見て、カムナとエレンは微笑み、シュンは後頭部を掻いていた
まあ、仕方ないだろう
元々ナナは、少し子供っぽい性格だ
更に、家族四人が揃ったのは、約10年ぶりだ
それを考えれば、テンションが上がるのは仕方ない
「しかし、
「私はコロニー以来だから、本当に久しぶりね」
カムナが空を見上げて呟くと、エレンはそう言った
そして、家族は買い物を続けた
激動の宇宙は近付いていた