ISGジェネレーション   作:京勇樹

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最後の地

キルギスから離れた後、エウクレイデスはアークエンジェルと合流

一行は、そのまま亡国機業の本部

南極へ向かった

目的地は、南極の昭和基地

そこが、亡国機業の本部だったのだ

ここが陥落すれば、他の拠点は形骸化する

既に、統括支部は陥落

そして、情報戦の準備も整っている

後は、自分達が南極本部を陥落させれば、片がつく

そのために、失敗は許されない

死の商人という側面を持ち、世界各国にMSを販売

更に、生産技術と整備技術を与え、紛争を起こさせたテロ組織

亡国機業

作戦参加要員の中で、彼女達は一際強い炎を燃やしていた

亡国機業により、世界は第三次世界大戦が勃発し、彼女達の祖国は、戦火に焼かれた

そしてなにより、亡国機業によって直哉達が苦しめられた

その報い、必ず受けさせる

エウクレイデスとアークエンジェルが合流してから、約四日後

二隻は、南極圏に到着

アークエンジェルが上空から

エウクレイデスが、海中から一気に進攻を開始

昭和基地に迫った

昭和基地は、名目上は複合施設である

天体観測や、氷面下を採掘しての地質調査

更に、様々な実験等々だ

そのために、地下にもその空間を広げている

恐らく、かなり広大だろう

その破壊のために、ISを使う

そして、行動開始したスピリッツの動きは、迅速だった

アークエンジェルは、降下しながら放てる火力を一斉解放

エウクレイデスは、海中から出た直後に、全ての火力を解き放った

それらは、永久凍土と呼ばれている南極の氷に逃げる隙間もなく着弾

爆炎が乱立し、分厚い氷を砕き、クレバスを幾つも作り出した

それにより、昭和基地の周囲に停まっていた車や柵は全て吹き飛んだ

その直後、氷

否、氷に偽装していたハッチの下から、次々とMSが出現してきた

現れたのは、蛇使い座の名前を与えられた機体

サーペントだった

地下から現れたサーペントは、砲撃を開始

狙いはやはり、二隻だった

しかし、それは罠だった

サーペントは、次々と砲撃を受けて撃破された

それは、先行出撃したMSだった

アークエンジェルから出撃したMSは、追加スラスターを装備

エウクレイデスからのは、使い捨てのハイドロスラスターを装備して出撃

それぞれ、二隻が囮になっている間に銃口炎(マズルフラッシュ)からサーペントの位置を特定

狙撃したのである

数が減ったのを確認した後、主力部隊は一気にサーペントに肉薄

ビームサーベルで、次々と撃破していった

サーペントには、近接戦闘用の装備はないのだ

完全に、砲撃戦闘用装備のみなのだ

その理由は、開発の参考にしたのがヘビーアームズだからだ

言うなれば、サーペントはヘビーアームズの量産型機体に位置する機体である

そして、なぜ砲撃戦闘特化型にしたのか

その理由は、格闘戦闘では勝てないと切り捨てたからだ

開発を指示した男

デキム・バートンは、その野心で地球圏の支配を目論んでいた

そして、その障害になると判断したのは、ガンダムだった

ガンダムナタク以外の四機

ウィングゼロ

ヘビーアームズ

デスサイズ・ヘル

サンドロック

この四機と戦うには、パイロットの技量が圧倒的に足りなかった

その状態では、格闘戦は自殺行為に他ならない

だから、数を揃えての砲撃戦闘を選択したのだ

圧倒的弾幕による暴力で、片を着けようと思ったのだ

だから、格闘戦装備を排除したのだ

そしてその選択は、ある意味正解だった

圧倒的数による暴力

それは、最も単純な力だ

それにより、直哉達を含めた八機は追い込まれた

予想外だったのは、民衆が立ち上がったこと

そしてなにより、ウィングゼロがガンダムナタクと交戦しながらもブリュッセルに来て、ツインバスターライフルを撃ったことだった

それらが重なり、バートン財団の企みは防がれたのだ

閑話休題

 

『クリア』

 

『クリア』

 

『オールクリア!』

 

『損傷は?』

 

『無しです』

 

部下からの報告を聞いて、マークは思わず腕組みをした

予想よりも、簡単に敵戦力を殲滅出来たからだ

 

『マーク……どう思う?』

 

『明らかに、敵戦力が少な過ぎる……』

 

ラナロウの問い掛けに、マークはそう答えた

その時だった

 

『地下に極大エネルギー反応!』

 

とミラ・ルナから通信が来た

その直後

 

『総員、散開!!』

 

とマークは指示を出し、全員はほぼ同時に散開した

その瞬間、下から凄まじいまでの光条が空に走った

 

『全員、無事か!?』

 

『無事です!』

 

『被弾なし!』

 

『問題ありませんわ!』

 

マークからの問い掛けに、全員はほぼ同時に答えた

確かに、被弾した機体は確認されなかった

そして、全員の視線が一点

ビームによって空いた、巨大な穴に向けられた

その中から現れたのは、破壊の化身

MSを越える巨体

 

『サイコガンダム、サイコガンダムmkーⅡ、デストロイ!?』

 

『で、デカっ!?』

 

『これが、本当のサイズ!?』

 

三機を見て、彼女達は驚愕した

海の時ですら巨大だと思ったが、本来のサイズを見て、驚愕する他なかった

MSですら、人形のように思えてしまうサイズ

それが、MAという分類なのだ

 

『デカブツだけに気を取られるな! 他にも居るぞ!』

 

『つっ!?』

 

マークの言葉を聞いて、彼女達は気づいた

三機と共に、地下から現れた機体が居たことに

数は、数機

だが、その全てはガンダムだった

カオス、アビス、ガイア、セイバー、インパルス、ストライクノワール、ヴェルデバスター、ブルデュエル、ロッソイージス、ネロヴリッツ、ヴァサーゴ・チェストブレイク、アシュタロン・ハーミットクラブ

それだけのガンダムが、同時に出てきた

本格交戦は、これからだった


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