ISGジェネレーション   作:京勇樹

22 / 265
本当に筆が進まない…………
これだけ書くのに、四日も掛かった…………


授業風景

数分後、一夏達はアリーナのロッカーへとたどり着いた

 

そして、時計を見ると

 

「これなら、なんとか間に合うな」

 

「急いで着替えるぞ」

 

と言うと、着ていた制服を脱いだ

 

「うひゃっ!?」

 

一夏達が脱ぐと、シャルルが自分の目元を覆った

 

シャルルのその行為に、一夏達は首を傾げた

 

「どうした?」

 

一夏が問い掛けると、シャルルは恥ずかしそうに

 

「え、いや、えっと……僕、こういうのに慣れてなくって……む、向こうで着替えるね!」

 

と言うと、一目散に離れていった

 

それを見て一夏達は不思議そうに首を傾げたが、直哉はスッと目を細めた

 

それから数分後、アリーナの競技場には一組と二組の生徒達が整列していた

 

「今日はこれから、ISの実践訓練を行う!」

 

と告げたのは、並んでいる生徒達の前に立っている千冬である

 

なお、シャルルは暫定的に直哉の後ろに立っている

 

「オルコット、凰! 前に出ろ!」

 

呼ばれた二人は返事をすると、前に出てから

 

「今からお前達には、模擬戦をしてもらう」

 

と千冬が告げた

 

すると、二人は嫌そうな表情を浮かべて

 

「なんであたし達なのよ……」

 

「そうですわ……」

 

と文句を言ったが、千冬が耳元で

 

「あいつらに良いところを見せたくないのか?」

 

と言うと、やる気に満ちた表情を浮かべて

 

「OK! やってやろうじゃないの!」

 

「お相手は鈴さんですの?」

 

と千冬に問い掛けた

 

すると、千冬は首を振ってから

 

「いや、お前達の相手は……」

 

と言おうとした時、遠くから

 

「ひゃああぁぁぁぁ……」

 

という悲鳴が聞こえてきた

 

それを聞いた千冬は深々と溜め息を吐き、直哉達は視線を悲鳴が聞こえてきた方に向けた

 

すると、遠くからネイビーグリーンに塗装された一機のIS

 

ラファール・リヴァイブに乗った山田先生が見えて

 

「退いてくださーい!」

 

と叫んだ

 

その直後

 

「一夏、弾」

 

「おうよ」

 

「了解」

 

直哉が名前を呼ぶと二人は機体を展開してから、山田先生の方へと飛んでいった

 

そして、まず一夏が若干錐揉み状態だった山田先生の腕を掴んで勢いを止めると、反対側の腕を弾が掴んで山田先生を引き止めた

 

二人は山田先生の動きが完全に止まったのを確認すると、ゆっくりと千冬の隣に降りた

 

「お前達、ご苦労」

 

千冬がそう労うと、二人は機体を収納してから、元の位置に戻った

 

そして、千冬はセシリアと鈴に視線を向けて

 

「お前達には今から、山田先生と模擬戦をしてもらう」

 

と言った

 

すると、二人はキョトンとした表情を浮かべて

 

「え、二対一で?」

 

「構いませんが……」

 

と困惑するが、千冬が

 

「安心しろ……今のお前達だったら、簡単に終わる」

 

と不敵な笑みを浮かべながら言うと、流石に頭に来たようで

 

「上等よ!」

 

「やりますわ!」

 

とそれぞれ武器を構えた

 

それを見て、山田先生も両手に武器を構えて

 

「い、行きます!」

 

と宣言した

 

「それでは……始め!」

 

千冬がそう言った直後、三人は一気に高度を上げて模擬戦を始めた

 

千冬はそれを見上げながら

 

「デュノア、山田先生が使っている機体のことを説明しろ」

 

とシャルルに、説明するように促した

 

「あ、はい。山田先生が使っているのは、デュノア社製第二世代……」

 

千冬に促されて、シャルルは説明を始めた

 

だが、直哉達はシャルルの説明は話し半分ほど聞き流し、セシリアと鈴対山田先生の模擬戦を見ていた

 

二人の布陣は鈴が前衛でセシリアが後衛という、最もな布陣だった

 

しかも、セシリアは以前とは違ってビットを扱いながら武装を使えるようになっている

 

とは言っても、まだ命中率はさほど高くはないが

 

これには理由があり、直哉に負けた翌日

 

セシリアは直哉にどうすればビットを扱いながら、武装を使えるのか質問したのだ

 

それに対して直哉の答えは

 

『考えるのではなく、感じて操作するんだ』

 

と答えた

 

更に詳しく言うと

 

『戦場を感じ、相手を感じ、戦闘の流れを感じる……そうすれば、自然と直感的に動かせる』

 

と教えたのだ

 

それを聞いてからセシリアは、なるべく全体を感じるように心掛けた

 

その結果少しずつではあるが、ビットを扱いながらの武装同時使用が可能になってきていた

 

以上、説明終了

 

二人は即席ではあるが、山田先生に対して猛攻を仕掛けた

 

だが、山田先生はその全てを避けるか防ぎ、時折鋭い反撃を仕掛けた

 

その姿は普段とは打って変わり、機敏かつ的確だった

 

「山田先生、凄いな」

 

「ああ。今だって、鈴の青竜刀を右手のナイフで受け流しながら、左手に持ったショットガンで吹っ飛ばした」

 

「それだけじゃねえぞ。鈴を上手いことセシリアの狙撃の射線上に誘導して、セシリアの狙撃を妨害してる」

 

と言ったのは、一夏、弾、直哉である

 

そう会話している間にも、山田先生は鈴を誘導し続けて、バランスを崩した直後にセシリア目掛けて投げた

 

セシリアは避けることも出来ず、鈴とぶつかった

 

その隙を山田先生が見逃す訳が無く、山田先生は新しく出したグレネードランチャーで攻撃

 

二人は見事に直撃を喰らい、悲鳴を上げながら落下した

 

「うぅ……鈴さん、退いてください……」

 

「ごめん……っていうか、セシリア! もう少し位援護しなさいよ!」

 

鈴は立ち上がるとセシリアに対して、そう叫んだ

 

すると、同じように立ち上がったセシリアが

 

「鈴さんこそ! 山田先生に良いように誘導され過ぎですわ!」

 

と反論した

 

「そこまでにしろ、お前達。諸君も今見たように、教師にとっては代表候補生二人程度を相手にするなど、雑作もないことだ。以後、敬意を持って接するように」

 

千冬がそう言うと、降りてきた山田先生が

 

「私も結局は候補生止まりでしたけど……」

 

と言いながら苦笑を浮かべた

 

すると、一人の女子が手を上げて

 

「神崎君達はどうなんですか?」

 

と問い掛けた

 

それを聞いて、千冬は直哉達を見てから山田先生に

 

「山田君、やってみるか?」

 

と問い掛けた

 

すると、山田先生は慌てた様子で

 

「流石に、神崎君達を相手にして勝てる自信は……」

 

と言った

 

どうやら、直哉達を相手にはしたくないようだ

 

山田先生の言葉に、千冬は頷いてから

 

「それでは、専用機持ちの所に並んで訓練を始める!」

 

と千冬が告げた直後、女子達はこぞって直哉達やカオル、シャルルに駆け寄って

 

「織斑君、丁寧に教えてね!」

 

「手取り足取り教えてください!」

 

と口々に言うが、次の瞬間

 

「いい加減にしろ貴様ら! 出席番号順に並べ! 10秒以内に並ばないと、アリーナを10周させるぞ!?」

 

と千冬が叫んだ直後、一瞬にして女子達は並び直した

 

「最初からそうしろ……使う機体は、打鉄とラファール・リヴァイブの二種だ。好きな方を選べ」

 

千冬にそう言われて、専用機持ちの一夏達は多数決によって選ばれた機体を持っていき、千冬の睨みもあったからか、授業はつつがなく終了したのだった


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。