ISGジェネレーション   作:京勇樹

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行き先は

作戦開始日、スピリッツは二隻に別れて行動を開始

アークエンジェルは、欧州方面へ

エウクレイデスは、アメリカ大陸へ

そして、エウクレイデスの目的地は

 

「我々の目的地は……南北アメリカ大陸の統括支部……ロスアラモスだ」

 

その名前を聞いて、何人かが息を飲んだ

ロスアラモス

そこはかつて、世界で初めての核爆弾を研究・開発した場所である

すると、ナターシャが

 

「今では、核の研究部門は縮小されて、ISに関わる様々な研究がされている技術研究所です」

 

と語った

確かに、そこならば亡国機業の隠れ家に打ってつけだろう

施設の規模や、様々な最先端技術が集まってくるのだから

すると簪が

 

「……最悪の場合、核を使った迎撃や自爆が考えられる」

 

と呟いた

確かにその通りだった

元々は、核の研究施設だったのだ

核を使った自爆システムが有っても、おかしくはない

するとカムナは、横に居たエレンを見て

 

「一応だが、その対策は用意した」

 

と言った

するとエレンは、パソコンを操作した

その直後、会議室のモニターにある機械が表示された

それを見た直哉達が

 

「こいつは……」

 

「NJか!?」

 

と驚きの声を上げた

そうそれは、嘗てCE世界で一時期あらゆる核を使えなくした機械

ニュートロンジャマーだった

するとカムナが

 

「設計図データがあったからな……場所がロスアラモスだと知った時に、モルゲンレーテに頼んだのだ」

 

と語った

しかしNJは、たった四つで地球のあらゆる核を使えなくした程に効果範囲が広い

一個あれば、アメリカ大陸の原子力関連は全滅すると言っても過言ではないだろう

すると、直哉達の危惧に気付いたエレンが

 

「安心してください。これは簡易型で、効果範囲はそんなに広くないから」

 

と言った

するとモニターに、その効果範囲が表示された

確かに、広くとも漸く街一つにしてある

 

「電源のオンオフは、こちらで行います」

 

「これが、対核対策だ……何か、質問は?」

 

カムナが問い掛けるが、誰も手を挙げたりしない

それを確認したカムナは

 

「パイロット各員は、ブリーフィングルームで待機していろ」

 

と言った

それを聞いた全員は、ブリーフィングルームに向かった

そこでは

 

「お、来たね~」

 

と本音が居た

本音の手には、紙コップが乗ったお盆があった

 

「……本音、機体の整備は?」

 

簪が呆れた様子で問い掛けると、本音は笑みを浮かべながら

 

「万全だよ~! だから、落ち着いて待機してもらえるように、お茶を淹れておいたよ~」

 

と答えた

まあ、本音は整備に関しての腕はケイが保証している

そのケイは今、アークエンジェルに乗っている

エウクレイデスの整備は、布仏姉妹と薫子に一任したのである

機体の改修に関しては、ハロネットワークを通じて設計図のやり取りをしている

すると本音は、イーリスとナターシャ、グラハムの三人を見て

 

「あ、皆さんの機体の仕様で~す」

 

と懐から、端末を取り出して手渡した

それを受け取った三人は

 

「本当に、凄いですね……ガンダムは」

 

「ISを遥かに凌駕してるからな……」

 

「まさか、この私がガンダムに乗るとはな……やはり、運命か」

 

と言った

ナターシャの機体は、ゴスペル・フリーダムガンダム

フリーダムをベースに、機動性を向上させた機体である

火力に関しては、ビームライフルからツインビームライフルに改造したのを二丁装備している

それに合わせて、左腕の盾は展開タイプに変更してある

そして、イーリス機はオーガ・カラミティ

ベースはソードカラミティガンダムで、基本的にはそのままだが、両腕のパンツァーアイゼンが、ヒートロッド形式になっており、両手に追加されている手甲に繋ぐことで電撃ナックルになるようになっている

そして、グラハム機

機体名は、ラセツガンダム

ベースはスサノオだが、最早完全に別物となっていると言っても過言ではない

GNドライヴはオリジナルのしかも、ツインドライヴに変更

更に、武装に小太刀の長さのGNビームサーベルを二本追加

遠距離用として、GNビームチャクラム発射装置が両腕に内蔵されている

勿論だが、TRANSーAMも可能である

その仕様を見たグラハムは

 

「ふ……こちらの要望を全て叶えてくれたのか……素晴らしいな」

 

と呟いた

すると本音が

 

「薫子先輩が、一生懸命調整してたよ~」

 

と言った

それを聞いたグラハムは

 

「その少女は、どうしているかね?」

 

と本音から受け取った緑茶を飲みながら、問い掛けた

すると本音は

 

「調整で疲れて、ハンガー横の待機室で寝てるよ~」

 

と伝えた

するとグラハムは

 

「後で、礼を告げに行こう」

 

と言って、緑茶を飲んだ

そして、エウクレイデスはロスアラモスに向かう

対亡国機業壊滅作戦は、開始される


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