ISGジェネレーション   作:京勇樹

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欧州戦線

『目標地たる、ブリュッセルを視認……さあ、今回は拠点防衛戦闘になる。行くぞ!』

 

『了解!!』

 

マークの言葉を聞いたスピリッツは、斉唱でもって返答し突撃した

すると、そんなスピリッツに対して砲撃が放たれた

しかし、彼等はビームすら避ける猛者部隊

実弾に当たるほど、柔ではない

事実、一番の新人たる彼女達も避けた

そもそも、実弾で撃破出来るほど、ガンダムの装甲は脆くない

そして、突撃したスピリッツは数分もしない内に近くに居たMS部隊を撃破

今回はエウクレイデスが着地し、アークエンジェルが警戒に回った

それに伴い、部隊はトライアド隊がエウクレイデスの直衛となった

そして、眼下では開かれたハッチに次々と避難者達が入っていく

議事堂の地下シェルターの収容人数は、約三百人

怪我人は居るが、歩けるという話だった

その証拠に、避難は順調だった

そして、最後の一人が中に入り、ハッチが閉鎖された

それにより、後は離脱するのみ

の、筈だった

 

『つっ!?』

 

『何か来ますわ!』

 

『上!!』

 

一番最初に反応したのは、シャルロット、セシリア、直哉の三人だった

そして三人に僅かに遅れて、一夏と弾機が上を見た

そこに見えたのは、三機のMS

リボーンズガンダム、ガデッサ、ガラッゾの三機だった

リボンズとその部下二名だった

トライアド隊が視認したタイミングで、リボンズは無造作にライフルを構えた

その狙いは、エウクレイデスだった

その瞬間

 

『対空砲撃!!』

 

と直哉が指示を出し、それとほぼ同時に全員が三機に対して砲撃を開始した

咄嗟だったために、精密照準は出来ていない

しかし、その弾幕は濃密に形成された

流石に危険と判断したのか、三機は散開回避

それを見た直哉は

 

『艦長!!』

 

と声を上げた

その直後、エウクレイデスが急速上昇

更に、戦闘速度で離脱を開始した

 

『02、03!』

 

『了!!』

 

直哉が呼んだだけで、二人は意図を察した

二機は急速上昇し、三機に迫る

すると直哉は

 

『トライアド1より、フェニックス1! リボンズを含めた三機の奇襲です! これより、トライアド1から3は殿戦闘を開始します!』

 

とマークに告げた

するとマークが

 

『了解した! こちらで部隊の指揮を引き継ぐ! 行け!!』

 

と言った

その直後、直哉も突撃した

それを見た彼女達も、突撃しようとした

しかし

 

『フェニックス1より、トライアド4から各員! お前達はエウクレイデスの直衛だ!』

 

とマークから指示がきた

 

『今のお前達では、奴等に撃破されるのが落ちだ! だったら、あいつらが時間を稼いでる内にエウクレイデスを安全域にまで避難させろ!』

 

『つ……了解!』

 

マークの指摘は正論であり、納得出来なかったが彼女達はエウクレイデスの直衛に専念することにした

そして、サブモニターに表示されている六機の戦闘は彼女達からしたら完全に別次元の域だった

リボンズが撃ったライフルを、直哉は機体をロールさせて回避

その直後に、肩越しに背後のガデッサにライフルを発射した

その一撃は回避されたが、同時にガデッサは抱えていた巨砲を発射

その一撃は弾機が防ぎ、弾機は真上に来ていたガラッゾにライフルを連射した

それも回避されたが、そこにガラッゾが両手にビームサーベルを展開し強襲してきた

しかしそれは、横から現れた一夏機に蹴られて阻止された

そこに、リボンズがGNファングを射出

三機に迫った

しかしそれを三機は、機体をロールさせて回避

サーベルで切り捨てた

そこに、それぞれ砲撃が迫った

しかし三機は、ビームサーベルで砲撃を弾いた

そして三機は一気に散開

円を描くような軌道をしながら、リボンズ達に迫った

 

『そろそろ、消えてもらうよ! スピリッツ!!』

 

『させるかよ!』

 

一夏はそう言って、ガラッゾと切り結んだ

すると、リボンズが

 

『この世界は今、戦乱の世となった。僕が管理しなければ、この世界は滅んでしまうよ!』

 

『そうやってお前は、神を気取るのか!?』

 

『救世主なんだよ、僕は!!』

 

『分かりあうつもりはないのかぁ!?』

 

『微塵も無いよっ!!』

 

『その傲慢さを、償え! リボンズ!!』

 

三人はそう言いながら、次々と攻撃を繰り出した

しかしそれは、簡単に避けられた

その時、エウクレイデスの進路上に新たに敵MS部隊が現れた

機体は、シグー、ジン、ディン

どうやら、防衛線は完全に瓦解したようだ

 

『防衛しろ! 民間人に被害を出させるな!』

 

『了解!』

 

マークの指示に従い、彼女達は防衛戦闘を開始した

特に、セシリアとシャルロットは気迫が凄まじかった

何故ならば、エウクレイデスには大事な人達が居るのだから

 

『ハロちゃん、シールドビットとライフルビットを!』

 

『了解! 了解!』

 

『守るんだ……!』

 

そして彼女達は、守るための戦いを始めた


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