ISGジェネレーション   作:京勇樹

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介入

『HQより迎撃部隊に通達します! 今こちらに、援軍が向かってきています! 持ちこたえてください!』

 

『了解!』

 

指揮所からの通信を聞いて、全員は返答した

すると、箒が

 

『しかし、援軍……自衛隊が動いたのか?』

 

とアドヴァンスド・ジンクスのGNプロトランスを受け流しながら、首を傾げた

すると、簪が

 

『今の自衛隊の腰抜けばかりのIS部隊とは思えない』

 

と言った

中々辛辣な言葉である

しかし、それも仕方ないだろう

裏の家系の彼女とは違い、IS部隊の隊員は大抵が女尊男卑に染まった女性権利主義者だ

それ以外にマジメな人も居るが、実戦経験は皆無

経験したのは、災害派遣位だった

故に、殆どの隊員は戦闘になると萎縮してしまいマトモに戦えないのだ

だから戦えるのは、自衛隊以外の代表か代表候補生位だった

それを知っているから、簪の自衛隊IS部隊への評価は軒並み低かった

 

『それに、接近してくる部隊のエネルギー値……全機が無限ってなってる』

 

『それはまさか……』

 

『間違いない、ガンダムだ』

 

箒の言葉に被せるように、カオルがそう言った

 

『彼等が、来たようですね』

 

『スピリッツか!』

 

『かの世界を救った、英雄部隊……』

 

ジュリの言葉を聞いて、箒と簪は興奮した様子でそう言った

そして何も、気づいたのは彼女達だけではない

 

『セシリア、気付いてる?』

 

『ええ……とても強い方々が来てますわね』

 

無人機部隊と交戦していた彼女達は、感応波でスピリッツの接近を感じ取っていた

 

『まだ遠いのに、分かる』

 

『ええ……敵の数が、凄い勢いで減っていってますわ』

 

データリンクには映っていないが、彼女達にはわかった

こちらに近づいてきていた、百機以上の敵部隊が減っていくのが

そしてそれを蹂躙する、たった十機程の部隊

それほどの戦闘をこなせる国の部隊を、彼女達は知らない

だが、こなせる傭兵部隊は知っている

戦争の起きていた世界にて、各世界の戦争を止めようと奮闘し、果てには世界を救った傭兵部隊を

 

『間違いないね』

 

『ええ、スピリッツですわ』

 

秘匿回線で通信しながらも、彼女達は無人機部隊の大部分を一機ずつ確実に撃破していった

そして気付けば、二人の動きは少しずつ無人機部隊を圧倒していくようになっていた

そして彼女達は、二人で十以上の無人機部隊を撃破していった

そして戦いながらとはいえ、スピリッツの接近に直哉達が気づかない訳がなかった

 

『お前ら、気付いてるよな?』

 

『ああ、来たな……』

 

『本命の到着だな』

 

今の三人は、はっきり言って劣勢に他ならない状況だった

三人の背後には、逃げ遅れている民間人の居る校舎があった

そこを三人は守りながら、リボンズ達を相手にしていた

機体の損傷はまだ無いが、体力が大部消耗していた

だが

 

『隊長達が来たんだ……情けない所見せられないぞ!』

 

『だよなぁ!』

 

『気合い入れろぉ!』

 

直哉達は閧の声を上げながら、戦い続けた

特に、直哉は

 

『デルタァァァァァァァ!!』

 

NTーDを発動した

開いた機体の装甲から漏れでるのは、緑色の光

そして直哉が手を振ると、緑色の光によって壁が形勢されて校舎に迫ったサーシェスのGNメガランチャーを防いだ

その直後、その直哉機を狙ってリボンズのGNファングが迫った

しかしそれは、一夏機が撃ったGNライフルによって破壊された

だがそれによって起きた煙を突き破り、ガデッサとガラッゾが一夏機を挟んだ

だがそれを、直哉機と弾機が蹴り飛ばした

今度は二機を狙い、アルケーのGNファングが高速で迫った

その数は、二十に迫る

しかしそれは、直哉達が放ったファンネル、ドラグーン、ビットによって迎撃

破壊された

疲労困憊の直哉達は、リボンズ達を押さえ込んだ

そしてリボンズ達は、今度は一斉に直哉達と校舎に狙いを定めた

自分達を守れば、校舎が危ない

しかし、校舎を守れば自分達の撃墜は必至

だが直哉達は、迷わず校舎の守りを優先した

それにより、校舎は無傷だった

しかし、直哉達に次々と弾幕と攻撃が迫る

それを、校舎で逃げていた麻里耶達が見ていた

 

「直哉!」

 

「一夏さん! お兄!!」

 

「お前らぁ!」

 

この時、見ていた人々は直哉達の撃墜を予想した

しかし次の瞬間、それは裏切られた

何故ならば、現れた新たなガンダムにより迫った攻撃が全て弾かれたからだ

先頭に立つのは、不死鳥を彷彿する紅いガンダム

その名は、フェニックスガンダム

それを駈るのは、スピリッツMS部隊隊長を勤める男

マーク・ギルダー

そのマーク率いるスピリッツ第一MS部隊、フェニックス隊

その後に現れたのは、リトル隊とジェミニ隊

今ここに、ジェネレーションワールドのあらゆる戦場を駆け抜けた精鋭部隊が到着した

そして

 

「フェニックス1より各員に通達する……全武装使用自由(オールウェポンズ・フリー)! 奴等の暴虐から、力無き人々を守れ!」

 

と指示が下された


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