ISGジェネレーション   作:京勇樹

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空港にて

翌日、直哉達はシャルロット達を車に乗せていた

すると、助手席に乗っていたシャルロットが

 

「でも、直哉達って運転出来るんだ?」

 

と問い掛けた

すると、信号待ちで止まった時に

 

「オーブ国内限定だが、エレカーは運転出来る。ジェネレーションワールドで覚えたからな」

 

と直哉が言った

実際、直哉の運転はかなり上手い

すると直哉は

 

「一応、一夏と弾も運転出来るぜ」

 

と言った

それを聞いて、虚が

 

「そうすれば、緊急時等に誰でも運転出来ますからね」

 

と言った

なお、何故直哉が運転しているのか

それは、全員で空港に行くためだ

これから六人は、日本に戻るのだ

日本でやることが、多々残っているためだ

特に直哉は、IS学園に居るという妹を探すために

そして、ホテルから出て暫く走り

 

「ほい、到着」

 

と車は、空港に到着した

直哉は駐車場に車を止めると、荷物を取り出した

そして忘れ物がないか確認してから、空港に入った

そして帰りのために、手続きを開始

搭乗時間まで、買い物をすることにした

 

「中々、お土産物のバラエティーが豊かですわね」

 

「まあ、様々な国籍の人が来るからな。対応するためだろ」

 

「なるほどね……」

 

セシリアやシャルロットは、土産物の種類の豊富さに驚き

 

「あら、これは……」

 

「ああ、虚さんに似合いそうですね。買います?」

 

「でも……」

 

虚と弾は土産物を買うか迷っていた

その間一夏は、手帳を開いていた

どうやら、予定を確認しているらしい

そして何やら、指折り数えている

その時

 

「だから、それがおかしいって言ってるのよ!」

 

と怒鳴り声が聞こえた

声のした方向を見ると、一人の女性がレジに立っている店員の襟首を掴んでいた

 

「私は、IS委員会のアーティシャル・エレイソンよ! VIP! 男女平等? 笑わせないで! 男なんて、私達の駒使いよ!」

 

「ですから、当オーブは女尊男卑を設けていません。そのように振る舞ってください」

 

どうやら、男女平等というのが受け入れられない女性らしい

 

「知ってるか?」

 

と直哉が問い掛けると、セシリアが

 

「EUイギリスのIS委員会の方ですわ」

 

と苦い表情で言った

それを聞いて、直哉は

 

「なるほど……いわゆる、勘違い女か」

 

と言って、歩きだした

そして、女が振り下ろそうとした腕を掴み

 

「そこまでにしておけ」

 

と言った

すると、その女は

 

「男風情が、触るな!」

 

と直哉の手を振り払った

その隙に、一夏と弾が店員を奥に引かせた

そして

 

「警告する……オーブは女尊男卑を設けていない。それどころか、禁止している国だ。今ならば、まだ見なかったことにしておく。即刻、態度を改めろ」

 

と告げた

すると、女は鼻で笑い

 

「ふん! 流石は、古臭い男女平等を掲げる国ね。男共の教育がなってないわ!」

 

と言って、拳を振り上げた

すると

 

「警告はした」

 

と直哉は呟き、女が振り下ろす前に一歩踏み出した

そして、女の顔面を掴み押しつつ、足払い

女を床に叩き付けた

更に、その勢いのまま女をうつ伏せにさせて、腕を捻った

 

「痛っ! 放しなさい! こんなことをして、只で済むと思ってるの!?」

 

「こちらは、一度警告した。それを無視し、手を出したのはそちらだ」

 

女がヒステリック気味に言うが、直哉は淡々とそう言った

すると、セシリアが近寄り

 

「アーティシャル・エレイソン委員」

 

と声を掛けた

すると、女は

 

「貴女は、セシリア・オルコット代表候補生! 貴女、今すぐこの男をどうにかしなさい!」

 

とセシリアに命令した

しかし、セシリアは聞き流し

 

「アーティシャル・エレイソン委員。ここオーブは、れっきとした法治国家であり、国連やIS委員会にも認められた国です。貴女の振舞いは、IS委員会だけでなく、祖国の恥さらしですわ」

 

と告げた

 

「な、なんですって!?」

 

セシリアの言葉を聞いて、女は激昂したようだった

しかし、直哉が体重を掛けて押さえているために動けない

 

「ここオーブの法には、オーブに入国したら従わなければならないのが道理です! しかし、貴女の振舞いは目に余ります!」

 

「小娘が、偉そうに!」

 

「黙っていろ」

 

女が動こうとしたが、直哉は腕をさらに捻って動きを止めた

そして、セシリアは最後に

 

「貴女のことは、祖国王室に報告させていただきます。覚悟してください」

 

と宣告した

そのタイミングで、空港の警備兵が駆け付けた

そして、直哉が放れると女を拘束した

 

「お手数を掛けました! 後は、我々が!」

 

「ご苦労様です」

 

直哉達は警備兵に敬礼すると、振り向いて

 

「一夏、弾、店員は?」

 

「大丈夫、無傷だ」

 

と確認した

すると、周囲から拍手が巻き起こった

どうやら、直哉達の行動を称賛しているらしい

そのタイミングで、放送が

 

『只今より、第8ゲートにて9時30分発。日本行き便の搭乗を開始します。搭乗予定のお客様は、お乗りください』

 

とされた

それを聞いて直哉達は、手早く買い物を済ませてから搭乗ゲートに向かった

そして、無事に飛行機に乗って日本に向かったのだった


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