ISGジェネレーション   作:京勇樹

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今回は短いです


確認

「さて、これで俺達の過去は終わりです」

 

直哉がそう言った直後、束が三人に機体の待機形態を返却した

すると、直哉が

 

「さて、ここで線引きだ」

 

と言った

その直後、三人はその身に機体を纏っていた

戦争の象徴

MSという兵器を

 

「俺達が走ってるのは、命懸けの戦争だ」

 

「一瞬の油断が命取りになる、冷酷な戦場」

 

「敵は間違いなく、ジェネレーションワールドでその猛威を振るった猛者だ」

 

三人がそう言った直後、部屋に殺気が満ちた

三人が戦場を駆け抜けて鍛え上げられた、まるで鋭利な刀のような殺気が

 

「悪いことは言わない。俺達が居る戦場には来るな」

 

「戦うのは、俺達みたいな兵士や戦士だけでいい」

 

「どっちみち、俺達の手はもう血に濡れてる。完全に日常(そっち)の世界には帰れない」

 

そう、それは正しく線引きだった

三人が言っているのは、全員に平和な場所に居ろということだった

三人が放っている殺気に、殆どのメンバーは体が震えた

そんな中、一番先に動いたのは

 

「元軍人たる私に、戦うなと?」

 

「……私の家は、元々そういう役割」

 

「後輩だけに、戦わせるわけにはいかないわねぇ」

 

ラウラ、簪、楯無の三人だった

元軍人のラウラ

更に、日本を古くから守る対暗部用暗部の家柄の出

この三人は、直哉達も想定していた

三人は元々、戦う覚悟がある

だから、直哉達の居る戦場に足を踏み込むと

そして、他は足を止めると

だが、その直後

 

「見くびらないで」

 

「くださいませんか?」

 

と言って前に出たのは、シャルロットとセシリアだった

二人は最初、直哉達の殺気に震えた

だが、二人はその殺気に耐えて前に出た

更に

 

「あたし達が」

 

「待つだけと?」

 

鈴と箒が前に出た

そして

 

「貴方方が戦場を駆け抜けてきたのは、理解しました」

 

「そして、血に濡れてるのは分かりました」

 

「だけど、待つだけはね~」

 

虚とセツコ、本音が前に出た

そして最後に

 

「教師が」

 

「教え子を見捨てる訳にはいきません」

 

千冬と真耶が前に出た

それは、三人の完全に予想外だった

そしてそれは、思いの強さだった

彼女達の、三人に対する思いが彼女達を動かしたのだ

正しく、人の思いの強さは予想外というものだった

そして言うまでもなく、カオルとジュリ、ダリルの三人も前に出ている

彼女達の目には、意思の強い光があった

つまり、彼女達が自身の決意を翻すことは無いだろう

三人はそれを察し、深々と溜め息を吐いた

そして、機体を解除すると同時に、殺気も消した

すると、束が

 

「やっぱり、君たちと関わったほうが、束さんの夢の実現が出来そうだね!」

 

と言った

それを聞いて、千冬が

 

「そういえば、束。お前、何処に居るんだ」

 

と束に問い掛けた

すると、束は

 

「束さんはね、今オーブに居るよー!」

 

と言った

更に束は

 

「あの国の技術者達は、束さんの意見に付いてこれそうなんだよねぇ」

 

と言った

それを聞いて、千冬は驚いた

束は並大抵の天才ではない

天災的な天才なのだ

その技術と発想は、並大抵ではない

その束に着いていけるというのは、千冬には予想外過ぎた

 

「今の世界は、束さんにとっては生き辛過ぎる……宇宙開拓のために作った筈のISが……下らない女性権利主義者達のせいで、下らない権利確保や戦場に使われている……だったら束さんは、ISじゃない方法で宇宙を目指したい! そんな束さんを、オーブは受け入れてくれたんだ」

 

その話と束の目を見て、千冬は察した

束が行方を眩ます前に会った時、束の目には失望の光があった

しかし今は、希望の光に満ちていた

そのオーブには、直哉達も所属している

しかも、三機のガンダムの部品も供給している

恐らくオーブの技術は、世界でも間違いなくトップなのは間違いない

 

「……分かった。私はIS委員会には言わない。山田くんは?」

 

「私も、言いません」

 

千冬が問い掛けると、真耶はそう答えた

それに千冬が満足そうに頷くと、直哉が

 

「それじゃあ、そろそろ帰りましょうか。IS学園に」

 

と言った

その後、全員はヘリでIS学園に戻ったのだった

 


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