ISGジェネレーション   作:京勇樹

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犠牲

プトレマイオスとスピリッツは、現れた巨大外宇宙航行艦、ソレスタルビーイング目掛けて侵攻を開始した

だがソレスタルビーイングから、凄まじい弾幕が形成されて迂闊には近づけないでいた

スピリッツやプトレマイオス隊は、そのビームの弾幕を回避しながら砲台を潰し続けた

しかし、数が多いために中々弾幕が薄まることはなかった

プトレマイオスでは着艦ドックを探しながら、ソレスタルビーイングに近づいていた

その時、ソレスタルビーイングの中から凄まじい数の敵機が現れた

その敵機は、足に当たる場所がスラスターで、武装が見当たらなかった

全員がそれを見て、ライフルを向けた

その直後、その敵機

ガガが赤く光り、速度を上げた

 

『TRANSーAM!?』

 

『特攻機だ!!』

 

マークの言葉の通り、ガガは特攻機だった

プトレマイオス隊とスピリッツは、迎撃を開始した

だが、相手の数が多すぎた

ガガは着実に接近

まさしく、物量で押し潰す策だった

プトレマイオスやスピリッツ母艦に、次々とぶつかり始めた

その時、プトレマイオスの右側にソレスタルビーイングの補給艦が割り込んだ

プトレマイオスを、守るために

そして補給艦故に、装甲はプトレマイオスに遠く及ばない

その結果、補給艦は爆散した

だが、補給艦の挺身は決して無駄ではなかった

遅れていたカタロン艦隊と、カティ隊が到着

援護を開始した

それにより、ガガ部隊は僅かに押し返せた

そして、プトレマイオスは着艦ドックを発見

プトレマイオス隊とスピリッツは、一気に艦を加速させて強引にドックに着艦させた

そのタイミングで、真打ちが動いた

それまで見つからなかったイノベイド達が、見つかったのだ

そしてソレスタルビーイング号内では、アルケーガンダムとケルディムガンダムが因縁の対決を迎えていた

アリオスとGNアーチャー、予備機体の0ガンダムがプトレマイオスの防衛に

スピリッツは、小隊単位に別れてガガの迎撃を開始した

スピリッツは圧倒的数のガガを次々と撃墜していくが、徐々に防衛線を抜ける数が増えていく

この時戦場では、仲間達が一人、また一人と傷付いていく

トライアド隊が最終防衛として、母艦を守っていた

その時、二機のガガが前に出ていた一夏機と弾機の弾幕を突破

母艦に迫った

それに向かったのは、二人の後方で二人のカバーをしていた直哉機だった

直哉機はファンネルで迎撃しつつ、突破して母艦に近づいていたガガに攻撃

その二機のガガを撃破した

その直後、爆煙を突き破って更に二機現れた

一機は、盾で殴って撃墜した

だがもう一機は、間に合わなかった

その一機は、直哉機の左肩付近に直撃した

その直後、直哉の痛みからくる絶叫が響き渡った

それを聞いて、何人かは思わず耳を塞いだ

そのような絶叫を、聞いたことが無いからかもしれない

被弾し漂う直哉機の近くに、一夏機と弾機が後退してきた

 

『直哉、しっかりしろ!』

 

『ちくしょう! コクピット内部の映像、早く来いってんだよ……来た……直哉!?』

 

直哉の左肩の辺りに鉄片が突き刺さり、腕が浮いていた

その映像を見て、何人かの顔色が蒼白になった

 

『お前ら……離れろっ』

 

直哉が血を吐きながらそう言った

その直後、全員の耳に聞き覚えのある音が聞こえた

それは、自爆装置が起動した警告音だった

 

『直哉、なにを!?』

 

『やめろ!!』

 

『俺を守りながらじゃ……お前らまで……』

 

二人の言葉を聞いて、直哉はそう言った

だが二人は、離れなかった

直哉機の近くに陣取り、近付いてくるガガの迎撃を始めた

 

『バカ……野郎がぁ……』

 

『見捨てられるか!』

 

直哉の言葉を聞いて、弾はそう言ってSEEDを発動させてフリーダムの武装で次々と撃破していく

しかし、二人の迎撃と母艦の迎撃を突破してきたガガが三機へ迫った

そこに

 

『させるかよぉ!?』

 

と声を上げながら、一機の赤いセラヴィーが来た

パイロットは、ビリー・ブレイズである

ビリー機は三機の前に陣取ると、TRANSーAMを使った砲撃を敢行

ガガを次々と撃破していった

だがその時、一機のガガがビリー機に直撃

ビリー機が大破した

 

『ビリーさん! 脱出してきださい! ビリーさん!』

 

『お前ら……無事……か?』

 

弾が脱出を促すと、ビリーから通信が繋がった

 

『俺達は無事です! ですから、早く脱出を!』

 

『前に……話したっけな……俺には、死んだ弟が……居たってよ……あいつも、生きてれば……ちょうど、お前達……位に……ガブっ!?』

 

ビリーはまるで、何かを思い出すようにそう言った

そしてビリーは、口から血を吐くと右手を上げて

 

『なあ、ヨーン……兄ちゃん、今度は……』

 

そこまで言った直後、ビリー機は爆散した

 

『ビリーさぁぁぁぁん!!』

 

初めて、スピリッツに被害が出た

だがそれでも、スピリッツは戦い続けていた

その時だった

 

『命が、消えていく……傷付いていく……』

 

と一夏が言った

この時一夏は、戦域に満ちているGN粒子で仲間達が次々と傷付いていくことに、気付いていた

そして

 

『そんなこと……許すかぁぁぁぁぁ!!』

 

と叫んだ

その直後、一夏機から凄まじい量のGN粒子が吹き出した

一夏がイノベイターに覚醒したのである

更に同時に、刹那もイノベイターに覚醒

戦域に、凄まじい濃度のGN粒子が満ちた

この直後、ガガの動きに異常が起きて、ガガは殲滅された

その後に一夏と弾は、直哉機を抱えて母艦に帰投

この少し後に、リボンズは刹那に敗北

連邦政府は、一度解体された

 


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