ISGジェネレーション   作:京勇樹

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対アロウズ戦 4

スピリッツとプトレマイオスがアフリカタワーに到着すると、そこでは刹那と敵新型機が戦っていた

しかも驚いたことに、その新型機はTRANSーAMを使っていたのだ

TRANSーAMは、高濃度GN粒子を一気に解放するGNドライヴの切り札である

だがその切り札の重要な部分を、解析していた技術者が居たのだ

それが、前国家時のユニオンの技術者

レイフ・エイフマン教授だった

彼はその重要部分に使われている材質や理論を解析し、パソコンだけでなく紙媒体の資料に残していたのだ

それを、ビリー・カタギリが発見し検証

新型機

マスラオに搭載したのである

それをパイロット

ミスター・ブシドーこと、グラハム・エーカーは使いこなしていた

しかしその戦いは、スピリッツとプトレマイオスチームの横槍で、グラハム・エーカーが撤退したことで終結

その後、アフリカタワー周辺に展開したアロウズの布陣を見た

すると一部では、アフリカタワーから離れた場所に部隊が展開していたことがわかった

スメラギとゼノン、マークの三人はアロウズの布陣

そして、風向きからその布陣の意図に気付いた

それは、《アフリカタワーの倒壊による破片に巻き込まれないためだった》

そこからわかったのは、アロウズはもう一基のメメントモリを有していたのだ

そしてそれを使い、アフリカタワーを攻撃しようとしていることに

それに気付いたパング・ハーキュリーは、約一万人の民間人を軌道エレベーターから逃がし始めた

そして最後のトレインが発車した後、セルゲイと共にMSで脱出を開始

そのタイミングで、メメントモリ二号機が動いた

勿論だが、プトレマイオスとスピリッツは対策を行っていた

プトレマイオスは00ライザーを送り、スピリッツはキャリーベースを使い、部隊を送った

しかし、間に合わなかった

00ライザーの攻撃は命中したが、、メメントモリ二号機から砲撃が放たれた

その砲撃は、アフリカタワーに命中

アフリカタワーは倒壊を免れるために、タワーの外郭を形成しているパネルが一斉パージされた

大気圏外のパネルは大気圏突入時に燃え尽きる

だが、大気圏内のパネルは風向きにより、人口密集地帯に落ちることが分かった

それが分かったスメラギは、オープンチャンネルで付近一帯に布陣している全MSと艦艇に落ちてくるパネルの破砕を頼んだ

でなければ、アフリカタワー真下にある街が壊滅すると

それを聞いて先に動いたのは、プトレマイオス隊とスピリッツだった

全ガンダムは、一気に散開

落ちてくるパネルに対して、砲撃を開始した

その砲撃により、次々とパネルは破壊されていく

しかし、落ちてくるパネルの数が余りにも多かった

それにより、一部のパネルが砲撃の隙間を通って落下してきた

その時、地上からの砲撃がパネルに命中

パネルは破砕された

その砲撃をしたのは、来ていたカタロンとクーデター部隊だった

そこに更に、正規軍も破砕に参加

それでようやく、パネルの破砕がギリギリ間に合うかという瀬戸際だった

だがそこに、アロウズが来た

 

「まさか、このタイミングで!?」

 

「いくらなんでも!?」

 

それを見て、メンバーは口々にそう言った

だがアロウズが攻撃したのは、パネルだった

それは、その部隊の指揮官

カティ・マネキンの独断だった

カティ・マネキンは元々、アロウズに懐疑的だったのだ

そしてそれは、パング・ハーキュリーの説得に派遣されたセルゲイもだった

カティ配下の部隊の参加により、落下してきたパネルはなんとか破砕出来た

しかしそれでも、街には幾つかのパネルが落下

それにより、参加していた正規軍やアロウズ、カタロン。民間人に被害が出た

だがパネルを破砕していなかったら、街は確実に壊滅していただろう

そこから考えれば、行幸と言えた

だがその直後に、アロウズ所属の一機のGNーXⅢがパング・ハーキュリー機を撃破

そして更に、セルゲイが乗っていたティエレン・タオツーを撃破した

そのGNーXⅢのパイロットの名前は、アンドレイ・スミルノフ

セルゲイの一人息子だった

 

「息子が……父親を?」

 

「……なんで」

 

と言ったのは、更識姉妹だった

アンドレイがセルゲイを殺した根底にあったのは、過去からのスレ違いだった

セルゲイの妻、ホーリー・スミルノフ

その女性もまた、軍人だった

それも、MSパイロットだった

そのホーリーは、西暦2293年に起きていた宇宙太陽光発電戦争時に戦死していた

その時にセルゲイは、アンドレイとどう向き合っていいのか分からず、結局は投げ出すような形で別れてしまっていた

それからずっと、アンドレイはセルゲイを憎んでいたのだ

任務を優先し、母を見捨てたと思っていたセルゲイを

そして更に、アンドレイはセルゲイもクーデターに参加していたと誤認していたのだ

故にアンドレイは、セルゲイも撃破したのである

この後に、この事件は通称でブレイクピラー事件と呼ばれることになった

それから数ヵ月間は、プトレマイオスとスピリッツは潜伏

更に言えば、アロウズからカティ配下の部隊も姿を消した

そしてブレイクピラー事件から数ヵ月後、プトレマイオス隊とスピリッツは動いた

見つけたメメントモリ二号機の破壊に動いた

それにより、メメントモリ二号機は破壊された

そして戦いは、終局に向かう


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