ISGジェネレーション   作:京勇樹

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第二次オーブ攻防戦

直哉達が奮闘していたのは、ほんの数分だった

エターナル艦首のカタパルトが起動し、中から一機の機体が出てきた

蒼い翼に、金色の関節

そして、両手にライフルを持ちし新しき自由の翼

 

『あれは……』

 

『ストライクフリーダムか』

 

ストライクフリーダムの性能は、驚異的だった

出て数分と経たずに、二個中隊規模が無力化された

しかもキラは、ストライクフリーダムの翼

スーパードラグーンを使い、二隻のナスカ級を航行不能にさせた

その後直哉達は、キャリーベースに帰還

そして、大気圏突入シークエンスに入った

 

『オーブが、対ロゴス同盟に包囲されたか』

 

『オーブ政府は、どう返答したんだ?』

 

『それが……オーブには、ロード・ジブリールは居ないと……』

 

直哉の問い掛けに、レイチェルが困惑した様子でそう言った

それを聞いた当時の直哉達は、頭を抱えたのを覚えている

なぜならば、その時のオーブは中立国ではなかったからだ

ギルバート・デュランダルは地球連合を裏から操る者として、死の商人達

ブルーコスモスこと、ロゴスのメンバーの顔写真と名前を公開

それにより、ブルーコスモスの息が掛かっていない地球連合とザフトにより対ロゴス同盟が結成された

その対ロゴス同盟により、地球連合総本部のヘブンズベース攻略作戦が行われた

その作戦により、ロゴスの主だったメンバーは捕まった

しかし盟主、ロード・ジブリールは仲間を見捨てて逃亡

一人でオーブに入っていたのだ

それを知ったザフトからの情報提供により、対ロゴス同盟はオーブ近海に展開

オーブに対して、ロード・ジブリールを引き渡すように要求していたのだ

しかし、公式として発表されたのは先の言葉

今や地球連合の一員たるオーブのそんな言葉を、信じる対ロゴス同盟ではなかった

結果、対ロゴス同盟はオーブに対して攻撃を開始

オーブは、国民に対して説明も避難誘導も何もしていなかった

それだけでなく、軍の展開もしていなかった

そして当時のオーブ政府の主要メンバーは、一目散に隠れ始めた

守るべき国民を見捨てて

その後、ユウナ・ロマ・セイランの指示でオーブ軍は展開した

だが、マトモな指揮も統率もされてないオーブは、いいように押された

窮地に陥ったオーブに、救世主が現れた

それは、秘匿ドックから出撃してきた不沈艦アークエンジェルとスピリッツ

更に、沈んだオーブの空母

タケミカヅチの艦載機部隊

そして、その先頭にいる金色のMS

ORBー01

アカツキだった

アカツキに乗っていたのは、カガリだった

その後カガリは、国家反逆罪でユウナ・ロマ・セイランを捕まえさせ、自ら陣頭指揮を開始

オーブ軍は、息を吹き返した

だが対ロゴス同盟は、切り札を投入

ザフトが開発した最新鋭機体

デスティニー

パイロットは、シン・アスカ

彼は、前オーブ攻防戦の折に家族を喪った

その後彼は、トダカ一佐の助言でプラントに渡った

そして、ザフト軍に入隊

その後、少し前にタケミカヅチ諸ともトダカ一佐を討っている

しかも今、オーブに対してその牙を向けていた

なんという運命なんだろうか

しかもその実力は、ザフト軍最精鋭と認められていた

そのシンにより、カガリは押された

パイロットとしての技量は、完全にシンが上だった

そして、カガリが窮地に陥った時、直哉達より先に降下したキラが腰のレールガンを撃った

それにより、カガリに迫っていたビームブーメランは破壊された

そのタイミングで

 

『最終減速、完了……進路、オールクリア。トライアド、ジェミニ、リトル隊、出撃せよ!』

 

『出るぞ!!』

 

直哉達は、次々と出撃した

既に、スピリッツ本隊は展開している

しかし、対ロゴス同盟の数は凄まじかった

スピリッツ全機が展開しても、ようやく膠着状態を維持する位だった

この時、オーブ国内ではロード・ジブリールの捜索が行われていた

ロード・ジブリールが居たのは、セイラン家の私有地のシャトル発射台エリアだった

ロード・ジブリールは、宇宙に逃げるつもりだったのだ

もちろんだが、カガリはセイラン家私有地にも部隊を派遣していた

しかし、その部隊は全員射殺されていた

セイラン家私有地には、セイラン私有部隊が居て、彼等とロード・ジブリールの私兵達に殺されたのだ

その時、補給のために一度後退していたデスティニーが再出撃

そして、兄弟機

レジェンドと共闘し、フリーダムを追い詰めていた

その時だった

 

『やめろぉ!!』

 

と現れたのは、フリーダムの兄弟機

かつて爆発した、正義の名を継ぐ新たな機体

その名を、インフィニットジャスティス

そのパイロットはもちろん、アスランである

アスランは一度ザフトに戻り、ミネルバに着任

セイバーガンダムを駆り、戦果を上げていた

だがヘブンズベース攻略作戦の前に、グフを奪い脱走

デスティニーに撃墜されたが、連合軍に潜入していたキサカ一佐により救出され、アークエンジェルに合流していた

そして、新たな愛機に搭乗し出撃したのだ

だが、アスランは本来、出撃出来る体ではなかった

今も、痛みに苛まれていた

だが、キラを守るために出撃したのだ

そして、ジャスティス対デスティニー

フリーダム対レジェンドの戦いが始まった

何時になれば終わるのか

それは分からなかった

その時だった

空に向けて、一機のシャトルが飛び立った

それは、セイラン家の家紋がマークされていた

そう、それにロード・ジブリールが乗っていたのだ

それを撃墜しようと、二機のムラサメとインパルスが飛び立った

だが追撃虚しく、シャトルは大気圏を突破

その直後に、ザフト軍の作戦旗艦が轟沈

それにより、状況の不利を察したミネルバ艦長

タリア・グラディスは作戦の中断並びに撤退を決意

信号弾を上げた

こうして、第二次オーブ攻防戦は幕を下ろした


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