ISGジェネレーション   作:京勇樹

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時系列、弄ってますので


星を見上げる者3

『民間組織相手に、遠慮ねえな!』

 

『そんなの期待するな、相手はブルーコスモスだ!』

 

『警備MS隊、必ず二機一組(エレメント)を維持しろ! 相手は戦争のプロだ!』

 

『了解!』

 

直哉の指示に、警備MS隊のパイロット達は斉唱で返した

トライアド隊とリトル隊は素早い機動で肉薄し、ファントム・ペインを次々と撃破していく

敵部隊の中に、二機のガンダムを見つけた

 

『あれは、ストライク・ノワールにヴェルデ・バスターか』

 

『リトル隊、警備MS隊と共に敵部隊の迎撃を!』

 

『分かったよ、お兄ちゃん!』

 

『……了解』

 

その二機に対して、直哉達が向かおうとした時

 

『スターゲイザー、出撃します!』

 

と女性の声が聞こえた

 

『まさか!?』

 

『貴方達は、敵主力部隊の迎撃を!』

 

『なぜ出てきた!?』

 

スターゲイザーは基本的に無人での運用が主体である

だが、コクピットブロックを換装すれば、複座式で操縦することが出来た

そしてパイロットは、セレーネ・マクグリフとソル・リューネ・ランジュという民間人だった

 

『いくら貴方達でも、敵主力部隊を相手にしながらガンダム二機は不利でしょう?』

 

セレーネがそう言った直後、スターゲイザーは二発のビームを発射

二機のスローターダガーを撃破した

スローターダガー

これは、地球連合では少数しか生産・運用されていない105ダガーを改修し、ファントム・ペイン用の主力にした機体である

なお、スローターとは殺戮を意味する

コーディネーターの撃滅を望むブルーコスモスらしい命名だった

 

『ちいっ……一夏、弾、続け!』

 

『了解!』

 

スターゲイザーは通常では有り得ない機動で敵のビームを回避し、擦れ違い樣に次々と撃破していく

それを背後からビームで狙い撃とうとしているスローターダガーを、直哉達が撃破する

気付けばスターゲイザーは、ストライクノワールを引いて離れていく

 

『速すぎるっ!』

 

『任せるしかないのか……ヴェルデ・バスターをやるぞ!』

 

『前の愛機だったから、少し複雑だが……俺もプロだ!』

 

直哉達はストライクノワールをスターゲイザーに任せ、ヴェルデ・バスターに向かった

 

『許さねえ……コーディネーターも奴等に味方する奴も全部許さねえ!!』

 

ヴェルデ・バスターのパイロットはオープンチャンネルにしているらしく、憎しみの声が聞こえた

 

『貴様に何があったのかは知らんが、民間組織に対して攻撃するのは許されると思うな!』

 

『散開!』

 

直哉の指示の直後、三機は散開

乱数機動をしながら、ヴェルデ・バスターに迫った

それに対してヴェルデ・バスターは、全身の武装を乱射

デタラメに攻撃していた

 

『怒りに飲まれているな』

 

『その時点でお前は、二流なんだよ』

 

一夏と弾がそう言った直後、ヴェルデ・バスターは砲撃が停止

更に、PS装甲がダウンした

 

『エネルギーゲージを見てなかったな、戯け』

 

弾はそう言いながら、ビームライフルを発射

ヴェルデ・バスターは爆散した

そして、スローターダガーと戦っていた時だった

 

『アポロンA、出力30%で私を撃ちなさい。こいつを外宇宙に排除します!』

 

『ダメだ、セレーネ! そんなことをしたら、体がGで押し潰されてしまうぞ!』

 

セレーネの言葉に、ソルが必死に押しとどまるように言っていた

だが、セレーネは止まらず

 

『後、10秒よ……外さないでね』

 

と少しずつ自ら軸線に機体を乗せていった

そして、ある地点に到着した時

 

『押しなさい!』

 

『うぁぁぁぁぁ!』

 

『セレーネェェェェ!』

 

一筋の閃光が走った

 

『セレーネ女史!』

 

『また……民間人を犠牲にしたのか……』

 

『……今は、敵を殲滅する』

 

直哉は悔しそうにしながらも、未だにステーション目掛けて進軍するスローターダガーを撃破し続けた

その時だった

 

『スピリッツに通達します、今からアポロンAで敵戦艦を撃ちます。射線上から退避せよ』

 

とソルが言ってきた

 

『了解』

 

ソルの言葉に従い、直哉達は離れた

その直後、アポロンAから放たれた閃光がガーティールー級戦艦、ナナバルクに直撃

ナナバルクは、轟沈した

 

『ここまでだ』

 

『投降しろ……命までは取らない』

 

直哉達が投降勧告した後、戦闘は終結した

 

「この後俺達は、スピリッツ本隊との合流を目指して地球へ進路を取った」

 

「後で聞いた話では、セレーネ女史は奇跡的に帰還したらしいがな」

 

「その途中で、エターナルがザフト軍に追われてると聞いて緊急出撃した」

 

と三人が言うと、映像が始まった

場所は、地球の近く

エターナルは少しずつ地球に接近していた

 

『ザフト軍、今更かよ』

 

『愚痴を言ってる場合か』

 

直哉達は出撃すると、一気にザフト軍に迫った

しかし、相手も精鋭らしい

直哉達も手こずっていた

その時、センサーが何かを捉えた

 

『なんだ!?』

 

直哉達が見た先に居たのは、巨大なブースターを着けたストライクだった

 

『ストライク!?』

 

『まさか、キラか!?』

 

その動きはまさしく、キラだった

キラはブースターをパージすると、素早くビームを連射

ザクを撃破した

だが、一機のザクが撃ったビームで腕を損傷

ライフルが離れた

すると、そのライフルをガイアが掴んで

 

『キラ、早くエターナルに入れ!』

 

とバルトフェルドが言った

バルトフェルドは義手を付けて、パイロットとして出撃したのだ

 

『え?』

 

『お前の新しい機体を取ってこい!』

 

バルトフェルドの言葉を聞いて、キラはエターナルの後部ハッチに向かった

その隙を突いて、二機のザクがビーム砲を撃った

しかしその砲撃は、直哉達によって防がれた

その間にストライクは着艦

そして、新たなる翼が再臨する


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