ISGジェネレーション   作:京勇樹

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星を見上げる者2

「連合の宣戦布告に対してザフトは、積極的自衛権の行使として軍備の拡張と配置の変換を開始」

 

「とはいえ、地球から大分離れた俺達に出来ることなんてない」

 

「だから俺達は、教導を続行した」

 

と三人は言った

教導は直哉達三人だけでなく、ジェミニ隊やリトル隊も行った

そして地球では、ミネルヴァが地球各地を回り、激戦を繰り広げた

そしてスピリッツは、物資の補給や艦の整備を秘匿ドックで受けていた

更に、カガリ個人からの依頼でザフトに数人が潜入していた

現プラント議長

ギルバート・デュランダルの動向を探るために

その最中で、ある事件に遭遇した

 

「ある日、ミネルヴァがある場所を見つけた」

 

「場所はロドニア」

 

「そこで見つけたのは……ブルーコスモスによる、強化人間の研究所だった」

 

三人がそう言うと、別枠で映像が映された

そこに映されたのは、無惨な子供と白衣を着た大人の死体が転がった施設だった

しかも、一人二人ではない

夥しい数の遺体だった

そこから分かるのは、子供達がその大人達に反抗したのだろうということだった

そしてその施設の奥には、遺体や脳髄が浮かんだポッドだった

 

「なんて……ことを……」

 

「一体、何人が……」

 

とメンバーは、言葉を失っていた

 

「反コーディネーターを掲げるのは結構」

 

「だが、やっていることは外道だった」

 

「前ヤキン・ドゥーエ戦役に投入された、三人の強化人間も、このロドニアの研究所で生み出されたことが分かった」

 

ブルーコスモスはテロで生まれた孤児を引き取り、それを強化人間としていたのだ

中には非強化人間型パイロットも居たが、直哉達は後でそれと戦うことになる

なお、ミネルヴァがロドニアに居た時にガイアが襲撃してきたが、それはインパルスにより無力化

パイロット

ステラ・ルーシェを捕縛した

インパルスのパイロット

シン・アスカはステラに惹かれていて、後に独断でロアノーク隊指揮官

ネオ・ロアノークに引き渡した

なお、少し前にフリーダムがオーブにて結婚式をしていたカガリを救出(事実上拉致だが)

アークエンジェルと共に、戦場に現れた

連合に加盟してしまった、オーブを止めるために

そして、悲劇が起きた

 

「ある日、突如として欧州に巨大な機体が出現」

 

「街を破壊し始めた」

 

「それを行ったのも、ブルーコスモスだった」

 

三人がそう言うと、再び別枠で映像が映された

それは、街を蹂躙する破壊の化身だった

 

「ベルリンが……」

 

と言ったのは、ラウラだった

やはり、元祖国なだけあり、見ただけで場所が分かったらしい

だがそれよりも、全員の視線は巨大な機体に集められた

迎撃に出たザフト軍だけでなく、街や住民までも吹き飛ばしている破壊の化身に

 

「あの機体は!?」

 

「あの海の!?」

 

と言ったのは、セツコと真耶だった

 

「このデカブツの名前は、デストロイ」

 

「その名前の通り、コーディネーターに関わる全てを破壊するために作られた機動兵器だ」

 

「こいつ一機に、街とザフト軍は壊滅した」

 

と三人は言った

そして、一拍置いて

 

「海の時に襲撃してきた機体は、このデストロイと回りに居るウィンダムだな」

 

「ウィンダムは、前ヤキン・ドゥーエ戦役で活躍したストライクの完全な量産型機体だ」

 

「特徴は、ストライクから受け継いだストライカーパックと機動性の高さだな」

 

と説明した

地球連合では複数のストライカーパックを用意し、それを戦局やパイロットの好み。作戦により換装することにより機体に高い汎用性を得る形を採った

実際、ウィンダムは総合性能で言えばストライクに比肩する機体である

 

「話を戻そう。このデストロイは、住民の避難と迎撃のために展開したザフト軍毎街を吹き飛ばした」

 

「その理由はただ単に、ザフトを受け入れたから」

 

「ブレイク・ザ・ワールド事件の被害を受けていた街に、ザフトは物資供給や地域の治安維持に努めていただけなんだがな」

 

それは、余りにも身勝手な行動だった

本来ならば、宣戦布告するよりもそちらに注力すべきだったのだ

しかし、ブルーコスモス現盟主

ロード・ジブリールの独断的判断により、宣戦布告と核攻撃が優先された

結果、一部地域しか満足に物資が送られなかった

そして送られなかった地域に、ギルバート・デュランダルがザフトを派遣

救いの手を差し伸べたのだ

しかし、ロード・ジブリールはそれが気に入らなかった

だから、ザフトを受け入れた街なんかは不用としてデストロイを送ったのだ

 

「だがこのデストロイは、急行したミネルヴァとアークエンジェル。そしてスピリッツが撃破した」

 

「だが、街は完全に焼け野はらと化した」

 

「そしてこの時、俺達の居たDSSDにもファントム・ペインが迫っていた」

 

更に言えば、地球ではギルバート・デュランダルがある作戦を随行していた

作戦名、エンジェルダウン作戦

アークエンジェルを撃滅するための作戦だった

その作戦により、フリーダムが撃破された

だが、キラの咄嗟の判断とマリューの機転

それらが合わさり、アークエンジェルは一時姿を隠すことに成功した

 

『こちらは、第81独立機動軍所属、ナナバルクである。我々は貴様らに対する無条件撃滅作戦を敢行する』

 

ファントム・ペインの指揮官はそう言うと、DSSDのステーションに対して攻撃を始めた

 

『スピリッツ、緊急展開! 警備MS隊も出せ!』

 

『それよりも、連合本部に作戦の中止要請を!』

 

直哉の言葉を聞いて、ステーションの通信責任者はそう反論した

 

『無駄だ! 先程地球との通信が途切れたのは、奴等が通信衛星に破壊工作をしたからだ! こうなったら、奴等を撃滅するしかない!』

 

直哉は強い語気でそう言った

少し前、地球のDSSD基地と物資補給のことで話していたら、いきなり全ての通信が途切れた

当初、衛星の故障と思っていた

その矢先に、ファントム・ペインが襲撃してきた

どう考えても、破壊工作をされたと考えるのが自然だった

直哉達は居間で見ていたテレビの画像が切れた段階で、動き出していた

そして出撃しようとしたが、先に攻撃を受けてしまったのだ

 

『恐らく、陸戦隊を入れてくる可能性がある! ジェミニ隊、済まないが警備班の指揮を!』

 

『了解!』

 

『トライアド1、来るよ!』

 

『警備MS隊、交戦開始!』

 

直哉の指示により、警備MS隊は攻撃を開始

星を見上げる者を巡る戦いが始まった


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