ISGジェネレーション   作:京勇樹

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メンデル戦1

「この戦艦、エターナルを奪ったのは、ラクスを中心としたクライン派と呼ばれる和平による終戦を目指すザフト軍兵士達だった」

 

「その彼等を連れて、俺達はL4のメンデルに戻った」

 

「そして、アークエンジェル・クサナギ・エターナルによる終戦を目指した部隊。三隻同盟が誕生した」

 

それにより、地球連合軍、ザフト軍の他に、新しく第三勢力が出来たことになる

しかし、前途多難だった

なにせ、戦力が違いすぎる

ザフトと連合は、合わせて数千に届く戦力になる

それに対して三隻同盟は、約百に届くというところである

更に言えば、物資もそうだった

そこで三隻同盟は、ジャンク屋組合(ギルド)に助力を求めた

ジャンク屋組合(ギルド)

彼等はこの戦乱の時代を逞しく生きる職人達である

彼等は戦場跡地に向かうと、廃棄された戦車やMSを修理したり、使える部品等を回収した後は街の復興にも手を貸す人々である

その活動は国際法により保障されており、軍属の者達は無闇に攻撃することを禁止されている(とはいえ、それを守らない軍人も多々居るが)

更に彼等は、コーディネーター、ナチュラル関係なく所属しているために、様々な特許品を開発・発売もしていた

その活動の場は宇宙・地球関係なく、それにより連合製、ザフト製。更に自作の物資を大量に保有していた

三隻同盟はそれを突き止めて、ジャンク屋組合に物資の補給を頼んだのである(勿論、お金は払ってます)

そのジャンク屋からの補給を経て、彼等は機体や艦艇の整備をしていた

特にエターナルは、まだ艤装が完全では無かった

 

「あ、このエターナルはフリーダムとジャスティス専用母艦でもあるらしい」

 

「この艦首の白いのは、フリーダムとジャスティスの追加武装を艦の武装としても使えるようにしたらしい」

 

弾と一夏がそう説明した

フリーダムとジャスティス専用母艦、エターナル

二機の機動性はこの時代に於いては特に高い

それに追随し支援するために、エターナルの速度はザフト軍の中でも最速であった

恐らく、エターナルに追い付けるのはアークエンジェル位だろう

そして、各艦に補給物資を運んでいた時だった

 

『接近する熱源感知!』

 

とアークエンジェルから通信が来て、緊迫した雰囲気になった

 

『熱源の大きさから、戦艦と推測……映像、出ます!』

 

迎撃に出たアークエンジェル、クサナギ、スピリッツが捕捉したのは、黒いアークエンジェル級だった

 

『黒い……アークエンジェル!?』

 

『同型艦か!?』

 

と各々が驚いていた時

 

『こちらは、地球連合軍所属。ドミニオン』

 

と懐かしい声が聞こえた

 

『この声は……』

 

『ナタル!』

 

ドミニオンの艦長は、元アークエンジェル副艦長

ナタル・バジルール少佐だった

彼女はジョシュアでアークエンジェルから降りた後、パナマに移動

そこから宇宙に上がり、月基地にてドミニオンの艦長に着任

それに合わせて、少佐に昇進

上からの命令で、アークエンジェル撃滅の任務に就いたのだ

 

『私も、そちらに何が起きたのかは把握しています。投降してくだされば、私も弁護します……投降を』

 

ナタルがそう言うが、マリューは

 

『ありがとう、ナタル……けど我々は、連合軍だけではないの。この戦争自体に疑念を抱いてるのよ』

 

と返答した

それは要するに、投降しないという宣言だった

 

『ラミアス艦長……』

 

その時だった

突如、男の笑い声が聞こえた

 

『何を仰るかと思えば、そんなことですか? そこに敵が居る。ならば、討たねば!』

 

『アズラエル理事!』

 

その笑い声の主は、ムルタ・アズラエルという男だった

ムルタ・アズラエル

地球連合軍需産業理事を勤める男であり、ストライクダガーや三機のガンダムの開発の主軸となった企業の代表である

しかし、もう一つの姿があった

 

『アズラエルって……』

 

『ブルーコスモスの盟主だ!』

 

そう

反コーディネーター団体

ブルーコスモスの盟主だったのだ

その男が自ら、ドミニオンに乗っていた

 

『カラミティ、レイダー、フォビドゥン発進です。不沈艦アークエンジェル。今日こそ討ってさしあげる!』

 

アズラエルのその宣言の後、ドミニオンから三機のガンダムが出撃

その後に、ストライクダガーが次々と出撃した

 

『来るぞ!』

 

『スピリッツ、行動開始!』

 

『アークエンジェルも前に出る! ストリングスワイヤーに注意!』

 

スピリッツとアークエンジェル、クサナギが前に出始めた

しかし、すぐにクサナギが動きを止めた

その原因は、クサナギの船体にコロニーの構成に使う極太ワイヤーが絡まったのだ

そのワイヤーを切るために、一機のアストレイがクサナギに戻った

そこから、三隻同盟と連合軍の戦闘が始まった

実はこの時、反対側にザフト軍

ヴェサリウスとナスカ級が二隻が近づいてきていた

それは、再編されたクルーゼ隊だった

クルーゼ隊はエターナルの追撃命令が下されていた

近付いたクルーゼは、新型機ゲイツに搭乗し、部下

イザークを連れて出撃した

それに気付いたのは、ムウだった

ムウが中に戻ると、その近くに居たバスター

ディアッカ・エルスマンがメンデル内に入った

その少し後、地球連合軍は一度後退した

補給と整備を受けるために、各機体が母艦に戻った

その時

 

『おい、フラガとエルスマンは戻ったか?』

 

『どうしました?』

 

『中にザフトが居ると言って入ってから、戻ってない!』

 

直哉が問い掛けると、バルトフェルドがそう言った

それを聞いて、フリーダムが中に向かった

 

『弾、行け』

 

『了解!』

 

そのフリーダムの後に、弾が中に入った

そして、メンデルで行われていた狂気の実験を知る


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