ISGジェネレーション   作:京勇樹

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オーブ攻防戦2 そして……

「翌日、連合軍は再び戦端を開いた」

 

「オーブ軍とアークエンジェルは出撃」

 

「勿論、俺達も出撃した」

 

三人がそう言うと、再びオーブでの戦闘が始まった

連合は戦力の補充を受けたのか、数は大して減ってないようだった

その連合軍に対して、スピリッツが一気に突撃開始

その突撃は、指示も何もなく行った

だというのに、その連携は研ぎ澄まされていた

隣の機体の動きから察し、最適な援護をする

そして、ある一点に達した時だった

 

『スピリッツ各機、小隊単位で散開!』

 

『了解!!』

 

マークの指示に従い、スピリッツは一気に散開

それにより、連合の第一陣部隊は総崩れとなった

そこに、連合の第二陣が強襲上陸してきた

だがその第二陣に、オーブ軍のアストレイ隊がビームを雨霰と撃ち込んだ

その中を、スピリッツは高速機動しながら戦う

 

『MS戦に慣れてないのが、丸わかりなんだよぉ!』

 

『ド素人が!』

 

一夏と弾はそう言いながら、一機ずつストライクダガーを蹴り飛ばして他のダガーにぶつけると、一斉砲撃で撃破した

その時

 

『こちらに高速接近してくる複数の機体確認……連合のガンダムです!』

 

『散開、回避!』

 

ミラ・ルナの報告の直後に、直哉は指示を出した

その指示に従い、四機がバラバラの方向に回避機動をした

その直後、先ほどまで直哉達が居た場所を砲撃が走った

しかも、ストライクダガーも巻き込んで

 

『あの野郎!』

 

『味方も平気で!』

 

シュンとナナがそう言った直後、ナナ機の前の海の中からフォビドゥンが現れた

 

『しまっ!?』

 

『ナナ! つぁ!?』

 

ナナは回避しようとしたが間に合わないと察し、シュンは援護しようとしたがカラミティの砲撃を防ぐので時間を取られた

そして、フォビドゥンが鎌で切り裂こうとした

その時

 

『させるかよ、ボケが!』

 

と一夏機が、フォビドゥンを蹴り飛ばした

フォビドゥンは素早く空中で態勢を建て直すと、レールガンを撃った

だがそのレールガンは、直哉と弾が撃墜した

すると、そのフォビドゥンにビームが殺到した

だがそのビームは、フォビドゥンが盾を構えると曲がった

 

『こいつか、キラ君の報告にあった機体は!?』

 

『厄介な!』

 

その光景に、殆どのメンバーが驚いていた

ビームを曲げるとは、予想していなかったからだ

そこに、フリーダムとジャスティスが参戦

更に、カラミティとレイダーが乱入

フリーダムとジャスティスと戦い始めた

それを見た直哉達は、キラとアスランの邪魔になると判断

三機を二人に任せて、オーブ軍の援護に回った

その後、スピリッツは戦場を所狭しと駆け続けた

それから数十分後、三機のガンダムが撤退すると戦闘は終わった

その時だった

 

『マザーからスピリッツ全機に通達! スピリッツ全機は今すぐ、カグヤに集結せよ!』

 

とゼノンから指示が来た

 

『カグヤ?』

 

『確か、オーブが有するマスドライバーだ』

 

連合の狙いは、まさにそのマスドライバーとオーブの軍需企業、モルゲンレーテだった

端から見たら、背水の陣だろう

しかしそれは、部隊を逃がすためのものだった

ウズミ・ナラ・アスハが下した、決断

そこに格納されている、オーブ軍の宇宙戦艦

イズモ級二番艦クサナギ

その格納庫に、アストレイ隊を全機収容させて、宇宙に打ち上げる算段だった

それを聞いたスピリッツはハロと力を合わせて、アークエンジェルと母艦にブースターを取り付け始めた

その作業は警備と併せて、交替で行った

その作業が終わったのは、直哉達が警備をやっていた朝方だった

そのタイミングで、連合軍が動いた

反応は、三つ

あの三機だった

 

『艦長、俺達が迎撃に行きます!』

 

『本隊はそのまま、艦へ収容してください!』

 

『俺達も、必ず後を追います!』

 

『……分かった、すまん!』

 

ゼノンは三人の言葉を受け入れ、作業をしていたスピリッツ本隊の収容を開始した

それを見ながら、三機はフリーダムとジャスティスと共に迎撃に動いた

 

『僕達が迎撃します! アークエンジェルは行ってください!』

 

『了解!』

 

キラの提案を聞き、先に収容を終えたアークエンジェルが艦首を上げ始めた

 

『クサナギはまだか!?』

 

『すまない、もう少しだ!』

 

直哉が問い掛けると、褐色肌の男性

レドニル・キサカ一佐がそう返答した

その間にも、三機は接近

五機はカグヤに近づけまいと、戦闘を開始した

その直後、アークエンジェルがローエングリンを発射

ポジトロニック・インターフェアレンスという現象で空いた空気の穴を、ブースターを使って一気に高度を上げていった

それを見たからか、三機のガンダムはスピリッツ母艦の方向に砲撃を開始した

 

『させるかよ!!』

 

『てめぇらの好きに、させるか!』

 

『行ってください、艦長!!』

 

その砲撃は間に入った直哉達によって防がれ、スピリッツ母艦もアークエンジェルと同じようにローエングリンを発射

空を駆け上がっていった

直哉達はそれを見上げながらも、三機と交戦していた

その時だった

カグヤの格納庫の扉が開き、中にクサナギが見えた

 

『ディビジョンC以外の要員の離脱を確認。オールシステムズ・ゴー……ハウメアの護りが有らんことを……』

 

その言葉は恐らく、今まで何回も繰り返し言われた言葉なのだろう

その言葉を合図に、クサナギがマスドライバーの上を走り始めた

 

『アスラン! トライアド隊!』

 

『ああ!』

 

『了解!!』

 

キラの言葉を聞いて、アスラン機と直哉達は戦闘を停止

機体を反転させると、最大加速でクサナギに向かった

五機はスラスターを限界まで噴かせて、クサナギに近づいた

三機のガンダムはそれを撃破しようと砲撃してくるが、カグヤを傷付けるなと言われたのか、直撃コースになっていない

五機はそんな砲撃を無視し、クサナギに近づいた

そして、先にキラ機と弾機がクサナギに取り付いた

その直後に直哉機が取り付いた

しかし、僅かに機速の関係で、ジャスティスと一夏機が取り付けないでいた

それを見た三機は、必死に手を伸ばした

五人の雄叫びと思いが届いたのか、キラ機はアスラン機の手を

直哉機と弾機は一夏機の手を掴んだ

そして五機は示し併せて、砲門を開いた

正確な砲撃を撃つ必要はない

狙いは、三機のガンダムの進行上の海面

五機は一斉に砲撃を放ち、膨大な水柱を形成

三機をほんの僅かな時間足止めした

それが功を奏し、クサナギはマスドライバーで宇宙目掛けて飛び立った

この時までは、誰もが残ったウズミ達は捕虜になると思っていた

だがその時

カグヤが爆発を起こした

それに連動するように、モルゲンレーテ、行政府、軍基地が次々と爆発していった

これにより、オーブは一度滅びた


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