ISGジェネレーション   作:京勇樹

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オーブ攻防戦1

「俺達がオーブに到着した数日後に、スピリッツ本隊もオーブに到着」

 

「どうやら、一回は死んだと思われたみたいでな。一部には泣かれたわ」

 

「更にその数日後、連合軍がオーブに降伏勧告をしてきた」

 

三人がそう言うと、殆どのメンバーが驚いていた

オーブは中立国である

そのオーブがなぜ、降伏勧告を受けるのか

 

「確か、同じ地球国家の一員として、連合に与せよ。でなければ、ザフト支援国家として、武力を以て併合するだったかな?」

 

「勿論、オーブはそれを良しとしなかった」

 

「なんとか会談しようと再三要請したが、連合は全て無視。オーブ領海ギリギリに展開した。そして俺達は、オーブに雇われて参戦することにした」

 

と三人が言うと、映像が始まった

その映像では、アークエンジェルも参戦していた

 

「アークエンジェルも参戦したんだ」

 

「恐らく、連合の身勝手さに怒ったのだろう」

 

と言ったのは、シャルロットとラウラだった

そして、ラウラの指摘は正解だった

その時、連合軍艦隊から凄まじい数のミサイルが発射された

 

『連合軍、攻撃開始!』

 

『オーブ軍、迎撃開始!』

 

『我々も出撃する!』

 

『了解!』

 

ゼノンの指示の後、スピリッツは全機出撃

沿岸部の迎撃をすり抜けたミサイルを迎撃

更に、出撃してきたMS部隊の迎撃を開始した

 

『あれが、連合の量産型機。ストライクダガーか……』

 

『ビーム兵器は脅威だが……』

 

『動きが遅いんだよ!』

 

三人はそう言いながら、空を飛んでいたストライクダガーを次々と撃ち抜いた

その時

 

『こちらに接近してくる、大型の熱源感知……大型輸送機です!』

 

『なに?』

 

オーブ上空を、複数の大型輸送機が飛んできた

勿論、オーブ軍はその輸送機に対して迎撃を開始

何機かは被弾したが、そのペイロードの中からストライクダガーを吐き出し、降下させた

 

空挺降下(エアボーン)か!』

 

『あっちは、ヴァルキュリア隊に任せるしかない。今は撃ちまくれ!』

 

『了解!』

 

直哉の指示に従い、トライアドとジェミニ隊はストライクダガーを次々と撃ち抜いた

余りにも、力量差が有りすぎた

一機のストライクダガーは直哉機にビームサーベルを振るったが、直哉機はその腕を掴むと、腕をへし折った

そして、一歩下がったストライクダガーは、背後から一夏機のGNソードでコクピットを貫かれて、爆散した

そして弾の方は、地面スレスレを背面飛びしながらスラスターを使って飛んでいたストライクダガーを次々と撃ち抜いていた

そうして戦っていた時

 

『連合軍の新手を三機確認! これは……新型です!』

 

とミラ・ルナから通信が来た

それを聞いたメンバーが視線を向けた先には、その三機と交戦しているフリーダムの姿があった

一機目はカーキ色を基調にして、全身に火器を配したガンダム

カラミティガンダム

二機目は、緑色を基調にして、まるで亀の甲羅を被ったような見た目で、両手で鎌を持ったガンダム

フォビドゥンガンダム

三機目は、黒を基調にし可変機構を有するガンダム

レイダーガンダムだった

しかもその三機の動きは、他のパイロット達の域を超えていた

 

『あの動きは……』

 

『あいつら、強化人間か!?』

 

と一夏と弾が言った

そして、その二人の推察は正解だった

三機のガンダムのパイロット

オルガ・サブナック

クロト・ブエル

シャニ・アンドラス

この三名は、強化人間(ブーステンデッド)だった

この強化人間は外科的手術で人工心臓と血管を移植し、送られる血液量を倍に

更に、破壊衝動を快楽に変換するγグリフェプタンと呼ばれる薬を与えることで、戦場に於ける殺戮及び破壊マシーンとさせるものだった

故に、人間扱いではなく、生体CPU扱いだった

そんな三名の力量は、機体性能もあって、一般コーディネーターパイロットを圧倒する程だった

そんな三機を相手に、キラも押されていた

 

『ちいっ!』

 

『行くな! 今俺達が抜けたら、この防衛線は抜かれるぞ!』

 

シュンが行こうとしたが、それは直哉に止められた

元々、オーブと連合軍には戦力差が激しかった

その戦力差は、先の三機によって更に広げられていた

直哉達が居た場所は、既に崩壊する一歩手前だった

五機で防衛線を維持しているといっても、過言ではなかった

その状況で、誰か一機でも抜けたら、維持は困難と直哉は判断したのだ

そして、キラ機が一撃を受けてバランスを崩した直後、そのキラ機を援護する機体が現れた

赤い装甲のガンダム

フリーダムの兄弟機

ジャスティスだった

 

「このジャスティスに乗ってるのは、アスランだ」

 

「アスランは、奪取されたフリーダムの奪還。もしくは、破壊を命じられた」

 

「しかしアスランは、それに反して、キラの援護を開始」

 

三人がそう言った直後、キラとアスランは息のあった連携を開始

三機を終始圧倒し始めた

 

『あちらは、大丈夫そうだな』

 

『んじゃま、俺達はここを維持するぞ!』

 

『了解!』

 

三人はそう会話すると、敵部隊へと突撃した

それはまるで、近所の喫茶店に行くか

というレベルの会話だった

そして、三機が立て続けにストライクダガーを撃破した時

 

『ん? あの三機の動きが……』

 

『止まった?』

 

とシュンとナナが言った

言われて見てみれば、キラとアスランの二人と交戦していた三機が、動きを止めていた

 

『なんだ?』

 

『何が……』

 

何が起きたのか分からず、誰もが困惑した

その直後、三機が離脱

更に、連合軍も撤退していった

こうして、一戦目は終わったのだった

 


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