ISGジェネレーション   作:京勇樹

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崩壊

「コロニー、へリオポリスの中に入ったシグーを追って、俺達も中に突入」

 

「そこで俺達は、この戦争に巻き込まれた少年少女達に出会った」

 

「特に、鍵となる人物……キラ・ヤマトにな」

 

と三人が言うと、五機はコロニー内部に突入

その機体を発見した

鉄灰色の機体を

 

『あれは……』

 

『ライブラリから、護衛対象機体の一機。GATーX105。ストライクです!』

 

『あの一機だけか……』

 

『ん? あのストライカーパックは……』

 

と直哉が言った直後、ストライクの装甲が赤青白に変わった

 

『全機、散開っ!』

 

直哉の指示に従い、五機は一気に散開した

その直後、ストライクから極太のビームが発射されて、コロニーに穴が空いた

 

『危ねぇ……アグニのこと、忘れてたぜ……』

 

『直撃受けたら、即死だ。気を付けろ』

 

『シグーは引くか……俺達は、ストライクの周囲に着地。警戒するぞ』

 

と直哉が言った直後に、白亜の巨艦

アークエンジェルがストライクの近くに着地した

すると、簪が

 

「……もしかして、ストライクって換装機体なの?」

 

と問い掛けた

 

「お、よく気づいたな。大正解だ」

 

「この時用意されていたのは、三種類」

 

「機動のエールに、砲撃のランチャー、近接格闘のソードだな」

 

と三人が言うと、その三種類の特徴が表示された

 

「なお、地球連合が開発した初期GATは、全部で五機」

 

「換装機体のストライクに、電撃戦闘用のブリッツ、砲撃戦闘用のバスター、指揮官機のイージス、そして、祖体のデュエルだ」

 

「だが、ストライク以外の四機はザフトに奪われてしまったんだ」

 

三人がそう言うと、他の四機のデータが表示された

 

「……そっか……本当は、五機の連携を想定して開発されたんだ……」

 

「そのようだな……それぞれの役割を遂行すれば、かなり厄介だな」

 

と言ったのは、軍事教練を受けた簪とラウラだった

確かに、本来は五機での連携を想定し開発されている

だが、奪われてしまっては意味はない

その時だった

 

『レーダーに感アリ! ザフト軍のジン! それに……イージスです!』

 

『奪った機体を、早速投入したのか!』

 

とアークエンジェルの艦橋要員が報告してきた

すると、機体の損傷が理由で艦橋に詰めていたムウが

 

『クソッ! なんてこったい! ジンの装備、拠点爆撃用のD装備だぞ!』

 

と悪態を吐いた

確かに、ジンの両手には巨大なミサイルが二本ずつ

足には、三連装式ミサイルランチャーが装備されていた

だが、その中でたった一機

機体と同じ位の全長の巨砲を持ったジンが居た

 

『あいつ、特化重粒子砲を持ってやがるのか!』

 

『……キラ君、特化重粒子砲持ちを任せる。いいか?』

 

『わかりました!』

 

直哉とキラのその会話を皮切りに、交戦が開始された

 

『D装備が、全部で8機か?』

 

『だな』

 

『ジンは俺達が押さえる。ジェミニ隊、イージスを』

 

『了解!』

 

『来ます!』

 

五機は一気に散開すると、ジン隊とイージスと交戦を開始

だが五機は、コロニーをこれ以上崩壊させないために武装を制限していた

ビームサーベルと実弾兵器のみで戦っていた

 

『ちいっ! 流石はコーディネーターってか!? 避けるね!?』

 

『なるべく、近くで撃つしかないな!』

 

『トライアド隊、ジェミニ隊! 今から艦砲射撃を開始する! 当たるなよ!?』

 

と言ったのは、ムウだった

それを聞いた五機は、なるべく射線に入らないようにした

だがそれで隙が生じて、イージスの突破を許した

 

『しまった!?』

 

『抜けられたか!』

 

とジェミニ隊の二人が歯噛みした

その時、ストライクと交戦していたジンが爆散した

どうやら、ストライクの対艦刀で切り裂かれたようだ

しかもその直後だった

アークエンジェルが撃ったビーム砲が、コロニーを支えていたワイヤーの一本に直撃した

 

『しまった!?』

 

『全機、衝撃に備えろ!』

 

ムウが舌打ちし、直哉がそう言った

その直後、コロニーの崩壊が始まった

 

『へリオポリスが……』

 

『やっちまったか……』

 

『せめて、住民が全員……無事なのを祈るか……』

 

『ザフトは、ジンは殆ど撃破。イージスは……引いたようだな』

 

『俺達も母艦に引くぞ』

 

直哉がそう言うと、五機は母艦に帰投していった

 

「この後に、キラが損傷してた脱出シャトルを一機保護」

 

「民間人を乗せて、俺達はこの宙域からの離脱を開始した」

 

「友軍たる、地球連合軍との合流を目指してな」

 

と三人がそう言うと、映像が変わった

相変わらず宇宙だったが、周囲には大小様々な隕石が浮いていた

 

『挟まれたか……』

 

『みたいですね』

 

『前には、ナスカ級……後ろには、ローラシア級か……』

 

『相手、相当しつこいな……』

 

『クルーゼ隊だ』

 

シュン、ナナ、弾、一夏の後に、ムウがそう言った

 

『クルーゼ隊?』

 

『ああ、奴はしつこいぞ。今から、ちょいと作戦を行う』

 

ムウはそう言うと、レーザー通信を使って直哉機に作戦内容を送った

それは、ストライクを囮にムウのメビウス・ゼロが静かにナスカ級に接近し奇襲

一撃加えたら、一気に離脱する

というものだった

それを見ると、直哉は少し考えてから

 

『大尉、自分も同行します。一機よりも二機の方が確実にダメージを与えられる筈です』

 

『そいつは助かる』

 

直哉の提案を聞いて、ムウは素直に受け入れた

そして直哉は、部隊の指揮をシュンに一任するとムウに同行した

直哉は機体を変形させてメビウス・ゼロに同行

四機は、ストライクと共に接近してきたザフト軍

イージス、バスター、デュエル、ブリッツの迎撃を開始した

作戦は順調に推移し、直哉機とムウ機はナスカ級戦艦

ヴェサリウスの真下に着くと、一気に上昇

 

『行くぞぉ!』

 

『つっ!!』

 

ヴェサリウスに接近した

しかし、直前に気づいたらしく、回避行動を開始した

だが、僅かに遅かった

二機の砲撃を喰らい、ヴェサリウスは火災を起こした

直哉機は一度MS形態になると、強引に方向転換

ムウ機は、ワイヤーアンカーをヴェサリウスに射出

ワイヤースイング・バイで離脱した

だが、アークエンジェルからのレーザー通信で文章が送られてきて、ムウは舌打ちした

 

『ちいっ!? キラが捕まっただと!?』

 

『すいません。どうやら、こちらのカバーリングが間に合わなかったようです』

 

と直哉が謝罪すると、ムウは僅かに黙考して

 

『賭けだが、やるしかねえか!』

 

と言った

それは、ストライクの空中換装だ

どうやらストライクはビームを乱射し過ぎて、エネルギー切れになった所を捕まったらしい

そして換装する理由は、ストライカーパックには大容量の予備バッテリーが内蔵されている

換装すれば、自動的に充電されるのだ

このムウの機転で、ストライクは脱出

ザフト軍を一度撃退に成功

一路、近くの友軍基地

難攻不落の宇宙要塞、アルテミスに向かった

だがそこで、隠謀に巻き込まれることになる


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