「これが、俺達のこの世界での、最後の戦いだった」
「この後、ミリシャとスピリッツは地球に降りたギンガナム艦隊を追いかけて降下」
「地球のとある荒野にて、最終決戦をした。その戦いで、ターンAとターンXは再び長い眠りに付いた……」
三人がそう言うと、部屋を沈黙が支配した
誰も言葉を発さなかったからか、三人は立て続けに
「次に俺達が行ったのは、コズミック・イラ71年。通称、CE世界」
「そこでは、ナチュラルの地球連合とコーディネーターのザフトが戦争していた」
と弾と一夏が言うと、箒が
「ナチュラルとコーディネーター?」
と首を傾げた
すると、直哉が
「ナチュラルというのは、普通に産まれた人間を指していて、コーディネーターというのは、遺伝子調整されて産まれた人間を指す言葉だ」
と説明した
「遺伝子調整された人間……だから、コーディネーター……」
と呟いたのは、ラウラだった
ラウラは正しく、コーディネーターと一緒だった
祖国たるドイツでは、
根本が同じなのだから
そして、ナチュラル
人々の営みにより産まれた、普通の人間
正しく、自分と他の人々だと、ラウラは思った
だからか、ラウラは自然と俯いていた
その時、ラウラの頭に誰かの手が乗った
顔を上げてみれば、そこにはシャルロットが居た
シャルロットが微笑みながら、ラウラの頭に手を置いていたのだ
シャルロットは、ラウラが遺伝子強化人間だということを知らない
しかし、気配りの出来るシャルロットが、落ち込んでいるラウラを放置するわけがない
それで励まされたのか、ラウラは顔を視線を前に戻した
「コーディネーターの始まりは、一人の男だった……」
「その名前は、ジョージ・グレン」
「彼が宇宙でした演説を聞いて、コーディネーターの人口が爆発的に増加……コーディネーターは遺伝子調整されていて、あらゆる身体能力が普通の人々を圧倒していた……」
三人がそう言うと、コーディネーターとナチュラルの身体能力差が表示された
確かに、その身体能力差は圧倒的だった
「それが理由で、互いに差別するようになった」
「コーディネーターはナチュラルを見下し、ナチュラルはコーディネーターを怖れた」
「だからか、コーディネーターは宇宙に。ナチュラルは地球に住み分けるようになった」
三人がそう言うと、コーディネーターの生活圏
プラントが表示された
「その差別から、緊張感が徐々に高まっていった」
「そして決定的になったのが、CE70年。プラントと地球連合の交渉の席で起きた爆破テロだった」
「それを理由に、地球連合はプラントに宣戦布告……そして、同年の二月十四日……通称、血のバレンタインと呼ばれる事態が起きた……」
「血のバレンタイン……?」
三人の話を聞いて、鈴が首を傾げた
ふと気付けば、ジュリが辛そうな表情をしていた
やはり、CE世界出身だからだろう
「バレンタインデー……つまりは、二月十四日だな」
「その日に、地球連合がプラントの農業コロニー、ユニウスセブンに……核ミサイルを撃ったんだ」
弾と一夏の話を聞いて、殆どのメンバーが息を飲んだ
「何故だ……何故、農業コロニーに核ミサイルを……」
「地球連合は、そこでプラントの軍隊……ザフトが新しい兵器を作っている。という情報を信じて、核ミサイルを撃ったんだ……その核ミサイルにより、ユニウスセブンは崩壊……約24万人が死亡した……」
ラウラの問い掛けに、直哉はそう答えた
勿論だが、ユニウスセブンで新しい兵器など開発されてはいなかった
そして地球連合の裏には、ブルーコスモスという反コーディネーター団体があった
恐らくは、そこが指示を出したのだろう
「勿論だが、ザフトは報復に出た」
「地球降下と同時に、ニュートロンジャマーという機械を地球のあらゆる所に埋めた」
「ニュートロンジャマーの効果は、核分裂を止める……まあ、副作用で通信にもジャミングが掛かったんだがな……そのNJにより、地球上で使っていた全原子炉は使えなくなり、電力不足により、約24億人が死亡……そこから戦争は激化した……」
三人がそう言うと、簡易的に戦域が表示された
ザフトの攻勢は激しいようで、地球の三割ほども支配されていた
「依頼されたのは、地球連合から」
「内容は二つ。一つは、極秘開発された機体。通称、第一期GATの護送。そしてもう一つは、新しく創設されたMS部隊への教導任務だった」
「護送任務には、俺達とジェミニ隊が。教導任務には本隊が当たることになった」
三人がそう言うと、映像が始まった
どうやら、コロニーらしい
『今日でしたよね、五機と母艦の移動開始日』
『ああ……だが、無事には終わらないようだな!』
『接近する艦影確認! ザフト軍だ!』
『MSの出撃も確認した! 数は12!』
『地球連合の部隊も来たな……』
とジェミニ隊と直哉達の声が聞こえた
そこで、五機のガンダムが見えた
だが、弾の機体が変わっていた
「あの機体……もしかして、前の機体の?」
と言ったのは、虚である
弾の機体は、フリーダムガンダムだった
「前の機体、大破したからな……乗り換えたんだ。原型機体、フリーダムガンダムだ。とはいえ、多少改修してあるがな」
弾がそう言った直後だった
交戦が始まった
地球連合の機体は、まるで戦闘機のようだった
機体名は、メビウス
地球連合で採用されている、MAだった
だが、ザフト軍の主力MS
ジンの方が性能は上だった
キルレシオは、7対1
ジン一機を撃破するには、メビウスが七機必要とされているのだ
ジンが12機に対して、そのメビウスはたった二機
敵うわけがなかった
だがたった一機だけ、動きの違う機体があった
その機体は、メビウス・ゼロ
メビウスの原型機体で、今の地球連合軍ではたった一人の機体だった
そしてパイロットの名前は、ムウ・ラ・フラガ
地球連合軍のエースパイロットの一人だ
ムウは一人で、一機のジンを撃墜した
すると、ザフト軍艦から一機の機体が出撃してきた
ジンの上位機体
シグーである
『この感覚は……クルーゼか!?』
ムウはそう言うと、シグー
ラウ・ル・クルーゼと交戦開始
『フラガ大尉!?』
『ジンは軒並み撃退したが、あのシグーが中に!』
『追うぞ!』
直哉がそう言うと、五機はコロニー内に突入した
そして、直哉達は出会う
この戦争に巻き込まれた少年
キラ・ヤマトに