ISGジェネレーション   作:京勇樹

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オリジナルです、はい


月での戦い

なんとか宇宙に上がれたミリシャ部隊だったが、度々問題が起きた

酔っ払った奴が地球に帰りたいと暴れたり、ミリシャの殆どが宇宙が初めてだったので、体調を崩したりと

その度にロランが中心になって、奔走していた

そういった問題を乗り越えて、ミリシャとスピリッツはなんとか月に到着

そして、月の女王

ディアナに出会った

そしてディアナと面会し、ディアナカウンターの戦闘行為を止めさせて、それで終わる筈だった

しかし、アグリッパ・メンテナーとギム・ギンガナムに出会い、状況は変わった

スピリッツの殆どが、ギム・ギンガナムを危険人物だと思った

何故ならば、激しい闘志を感じたからだ

ギム・ギンガナム

月の軍隊の将官であり、名門武家の出の男だった

そしてなにより、戦争を求めていた

月の軍隊は滅びの原因となった戦争から、一度もしていなかった

しかも、ギム・ギンガナムが率いていた部隊は特に武闘派で知られている

そして部隊全員が戦争を求めていたから、ミリシャとスピリッツに接触してきたのだ

そして、アグリッパ・メンテナー

この男は、滅んだ理由となった戦争を含めた前歴の戦争

通称、黒歴史の資料を管理してきた一族の出だった

黒歴史には、これまでスピリッツが駆け抜けてきた戦争の歴史が刻まれていた

一年戦争

星の屑戦役

グリプス戦役

第一次ネオ・ジオン抗争

第二次ネオ・ジオン抗争

ユニコーン事変

コスモバビロニア建国戦争

木星戦役

鋼鉄の七人

デビルガンダム戦役

エンドレス・ワルツ

DOME戦役

そしてなにより、滅びの理由となった戦争

その鍵となる機体

通称、ターンタイプと呼ばれたガンダムの存在

その一機が、ロランが乗るターンAガンダムだった

 

『ホワイトドールが、世界を滅ぼした……?』

 

映像資料を見たロランは、信じられないといった様子で呟いた

しかし、ターンタイプはもう一機存在した

それはターンAの兄弟機

ターンXだった

そしてそのターンXは、月に埋まっていた

ターンAが月のロストマウンテンと呼ばれる場所に近づいた時、不思議な現象が起きた

付近に、AとXの文字が次々と浮かび上がったのだ

 

『これは……なんだ!?』

 

『兄弟機……まさか、共鳴か!?』

 

マークがそう言った直後、ある機体が現れた

左右非対称の、継ぎ接ぎが目立つ機体が

その機体こそが、もう一機のターンタイプ

ターンXだった

 

『フハハハハハハハハ!!』

 

『この声……ギム・ギンガナムか!?』

 

『我が世の春が来たぁぁぁぁぁ!!』

 

そのターンXのパイロットは、ギム・ギンガナムだった

その声からは、歓喜しか感じられない

ギム・ギンガナムは、自分の思い通りに動く機体

ターンXを入手して、心の底から喜んでいたのだ

戦いが出来ると

そして、戦争を引き起こそうとする輩を、スピリッツが放置するわけがない

 

『今ならまだ、機体に慣れてないはずだ!』

 

『全機、攻撃開始!』

 

ゼノンとマークの言葉の直後、スピリッツ全機はターンXを狙って攻撃した

だがその攻撃が当たる直前、ターンXがバラバラに分離した

 

『合体分離機構!?』

 

『いや、違う……これは!?』

 

『これは……機体自体が、ファンネルなのか!?』

 

それをスピリッツは回避したが、一機のカプルが直撃を受けそうになった

それを見たからか、弾が

 

『間に合えぇ!』

 

と叫びながら、そのカプルを体当たりで押し飛ばした

その直後、弾機に攻撃

ブラッディ・シージが直撃

弾機は、右腕と胴体を残すのみとなった

 

『ぐおぉぉぉ!?』

 

『戦争に、やり過ぎなんてねぇんだよぉ!!』

 

『させるかぁ!!』

 

戦闘不能になった弾機にトドメを刺そうとしたらしく、ターンXは右腕を上げた

しかしそれはさせないと、一夏機が割り込んだ

そして、左腕の盾を構えた

その直後

 

『これが! シャイニング・フィンガーである!』

 

と声を上げながら、その技を放った

嘗て共に共闘したガンダム

シャイニングガンダムの必殺技

シャイニング・フィンガーを

 

『ぐうぅぅ!?』

 

『ひゃはははははは! この機体凄いよお! 流石は、ターンAのお兄さん!!』

 

たった一撃で、エクシアの盾はバラバラに破壊された

しかもその一撃で、一夏機はバランスを崩していた

その隙を突いて、ターンXはバズーカを構えて一夏機を狙った

しかし

 

『させるかよ!!』

 

とマークが、メガビーム砲を撃った

それをターンXは回避し、その内に直哉機が一夏機の腕を掴んでバランスを回復させ、弾機に近寄り

 

『弾、その機体はもう駄目だ! 脱出しろ!』

 

と脱出を促した

 

『り、了解……!』

 

『一夏、大丈夫か?』

 

『なんとかな……ちいっ、左腕に異常確認! 動かないっ』

 

一夏がそう言った時、クロスボーンガンダム・フルクロス

ラナロウ機が近寄り

 

『トライアドは下がれ! ジェミニ、リトルの両隊は、トライアド隊のカバーに入れ! 奴の部隊も近付いてきた!』

 

ゼノンのその言葉の通り、二百近いMSが近付いてきていた

その機体の殆どが、マヒローと呼ばれる機体だった

しかし何機かは、発掘したMSが混じっていた

運の悪いことに、その部隊は後退を始めた直哉達とスピリッツ母艦の間に割り込む形で進行してきていた

その時だった

ターンAが来て

 

『衝撃に備えてください! 核爆弾を使います!』

 

と言った

 

『ミリシャ、スピリッツ全機、対ショック防御!!』

 

グエンの裏切りにより指揮官不在になっていたミリシャにも、ゼノンがそう指示を出した

その直後、ターンAは自ら投げた核爆弾をビームライフルで撃ち抜いた

それにより、凄まじい爆発が発生

ギム・ギンガナムの部隊は、大損害を被った

だがその時、一発のビームが飛来し、直哉機の右肩を貫通

爆発を起こした

 

『ぐうおぉぉぉ!?』

 

『直哉お兄ちゃん!?』

 

『……大丈夫!?』

 

『核を迎撃しようとした一発か!?』

 

『クソっ!? スラスターに異常発生!』

 

どうやらそのビームでスラスターの制御系に異常が起きたらしく、直哉機のスラスターは動かなくなった

その直哉機は、カチュア機が牽引して母艦に帰投した

 


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