ISGジェネレーション   作:京勇樹

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月はそこにある

「反連邦軍と合流した後、少ししてから宇宙(ソラ)に上がった」

 

「連邦軍と宇宙革命軍の戦争を止めるために」

 

「そして、NTと言えども……同じ人間だと分かった」

 

三人がそう言うと、画面は変わった

その場所は、月の近くだった

そこには、連邦軍、宇宙革命軍合わせて、凄まじい数の部隊が展開していた

戦闘は激しかったが、双方共に月に向かおうとしていることが分かった

スピリッツと新たな艦

フリーデンⅡは、そのど真ん中を突っ切ろうとしていた

それは、余りにも無謀だった

その時、DXが前に出た

その直後、月からレーザービーコンがDXに伸びた

すると、それに気付いたらしく両軍が一気に散開した

すると

 

『DX、サテライトキャノン、強制カット!』

 

『了解!』

 

という指示の直後、レーザービーコンが途切れた

それは、サテライトキャノンを囮にした作戦だった

サテライトキャノンの威力は、前大戦で両軍に知られていた

それが、ど真ん中で撃たれたらどうなるのか

勿論、当たりたくないのは両軍とて同じ

だから、そこから離れたのだ

その隙を突いて、両隊は開けた場所を進んだ

しかし、相手はすぐに囮だと気付いたのだろう

一気に進軍してきた

 

『右から、連邦軍の皆さんがお出でなすったぜ!?』

 

『左からは、革命軍のお出ましだ!』

 

『足止めしろ! 散開(ブレイク)!!』

 

ジャミルが指示を出した直後に、ガロードとティファが乗ったDX以外は、連邦軍と宇宙革命軍を相手に戦闘を開始した

二人が乗ったDXは、月へと向かった

それを見て

 

「あの機体、なんで月に行ったのよ」

 

と鈴が問い掛けた

すると弾が

 

「それは、この月面にあるDOMEを目指したからさ」

 

と言った

 

「DOME?」

 

「月に建設された、連邦軍の施設でな。ここに、サテライトキャノンを撃つために使うエネルギーを発電し、マイクロウェーブとして照射する施設なのさ」

 

シャルロットが首を傾げると、一夏がそう言った

すると、直哉が

 

「そして、DOMEの正体は……この世界の地球連邦で、初めて確認されたNTを遺伝子レベルまで解剖し、その人に管理を任せた生体施設なのさ」

 

と語り、誰もが絶句した

人を遺伝子レベルまで解剖し、あまつさえ、それを施設の管理者に据えた

誰もが、正気を疑った

 

「ティファはそのDOMEに呼ばれて、フリーデン隊と一緒に月に来たんだ」

 

「遺伝子レベルにまで解剖されて、生体施設にされたのに、まだ意識があったんですの!?」

 

直哉の説明を聞いて、セシリアが叫んだ

確かに、普通だったら意識は無くなっているだろう

 

「確かにな……普通だったら、耐えられないだろうね……けど彼は、それを耐えたんだ……来るべき時のために」

 

直哉がそう言った時、戦闘に異変が起きた

戦闘が収まり始めたのである

すると、スピリッツの母艦とフリーデンⅡの近くに連邦系の意匠の機体が来た

その機体は、揃って月の方を指し示した

 

『第三ポートに入港しろ……か』

 

『こちらは、月面にて待機せよ……か』

 

フリーデンⅡのオペレーターと、ミラ・ルナがそう言うと、二隻と両MS隊は移動を開始

更に、連邦軍と宇宙革命軍からも旗艦らしい艦がそれぞれ指定されたポートに入港した

そしてスピリッツは、指定された月面に着陸

動きを止めた

すると、専用ユニットを装着した大量のハロが艦の両舷のハッチから出てきた

 

「……あ、ハロだ」

 

「あの可愛らしいの、ご存知なんですの?」

 

ハロに反応した簪に、セシリアが問い掛けた

 

「……うん。ペットロボット」

 

と簪が言った矢先、そのハロ達が機体に取り付いて整備を開始した

しかも、艦内から資材を運び出してだ

中には、機体にホースを接続しているハロも居た

 

「ハロ、凄いぞ」

 

「見た目の愛らしさから、ペットロボットにもなる」

 

「しかし、専用ユニットを装着すれば、機体の整備から怪我人の治療、部品の精査までやってくれるぞ」

 

と三人が言うと、何人かが目を輝かせた

欲しいのだろうか

そして、機体の整備が終わったのだろう

ハロ達が離れた時だった

 

『ん……隊長、連邦軍の一部が動き出しました』

 

『……確認した。停戦は……いや、あいつらか』

 

その動き出した部隊の先頭に居たのは、あの二機のガンダムだった

 

『あの二人から、とんでもない悪意を感じます』

 

『俺もだ……各機、奴等は手練れだ!』

 

『了解!』

 

そして、フロスト兄弟とその部隊が動いたからか、戦闘が再開された

それから数分後だった

入港していた三隻が、出てきた

すると、宇宙革命軍の旗艦が連邦軍旗艦に照準を定めた

その直後、一発の閃光が宇宙革命軍の旗艦を吹き飛ばした

 

『サテライトキャノン!?』

 

『いや、ガロードじゃない……あの兄弟か!』

 

そうそれは、フロスト兄弟が撃ったサテライトランチャーだった

しかもフロスト兄弟は、宇宙革命軍の旗艦を吹き飛ばしただけでなく、そのまま、連邦軍旗艦も吹き飛ばした

 

『あいつら……!』

 

『味方まで!?』

 

すると、ガロードが見つけたらしく動き出した

 

『貴様らぁ!! なぜだ! なぜ、味方の船まで!?』

 

『奴等は愚かにも、力あるNTを求めた。だから制裁した!』

 

『僕達が殺すのは、力あるNTだけじゃない。力無きオールドタイプもだ!』

 

ガロードの問い掛けに、フロスト兄弟はそう返した

 

『なぜそこまで!?』

 

『世界が我等を黙殺するから、我等も世界を滅ぼすのだ!!』

 

『真に賞賛されるべきは、僕達兄弟だけなんだ!』

 

その言葉で分かるのは、憎しみだった

それも、生半可ではない憎しみ

 

『貴様に分かるか? 力があるのに、求めた物ではなかったという理由で認められなかった絶望が!?』

 

『その絶望は、世界を破壊してこそ癒される!!』

 

『誰にだって、悲しさだって、絶望だってあるんだ! そんなことで、世界を破壊されてたまるか! 分かってたまるかぁ!!』

 

フロスト兄弟を認めたくないと、ガロードはガムシャラに攻撃していく

しかし、ガンダムアシュタロンに捕まり、危機に陥った

そこに、ジャミル達が駆け付けて危機を脱した

 

『親衛隊が、ようやく来たか』

 

『命を捨てて、阻め!!』

 

フロスト兄弟はそう言うと、ある方向に向かった

地球の方角に

 

『こいつらは、俺達が相手をする!』

 

『行け、ガロード!!』

 

『過ちは繰り返させない、なんでしょ!?』

 

『頼む!』

 

ジャミル達の声に押されて、ガロードはフロスト兄弟を追い掛けた

すると、マークが

 

『トライアド隊! ガロードの道を切り開け!』

 

『了解!』

 

マークの指示を聞いて、直哉達もガロードを追い掛けた

直哉達はガロードに追い付くと

 

『ガロード、俺達が道を切り開く!』

 

『後ろに居ろ!』

 

『絶対に、送り届ける!』

 

『サンキュー!』

 

と会話してから、ガロードの前に出た

DXは先ほどのフロスト兄弟との戦闘で、武装の殆どを失っていた

残っているのは、サテライトキャノンとバルカン砲のみだった

そんなガロード機を狙い、連邦軍や宇宙革命軍が殺到してくる

しかし、接近を許す三機ではなかった

三機は得意の連携で次々と撃破していき、そして、直哉がハイメガカノンで一隻を撃沈させた

すると、フロスト兄弟が見えた

 

『行け、ガロード!!』

 

『ああ!!』

 

フロスト兄弟は、既に地球を狙い発射態勢に入っていた

ガロードはその前に割り込むと、サテライトキャノンを展開

そして、フロスト兄弟の放ったサテライトランチャーとガロード機のサテライトキャノンがぶつかり、大爆発が起き、DXと兄弟の機体も爆発に飲まれた

 


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