ISGジェネレーション   作:京勇樹

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新たなガンダム

「バルチャー、フリーデンの目的は、世界中に居るNTの保護だった」

 

「その途中で保護したのが、地球産まれのNT、ティファ・アディールだった」

 

「そして、ティファと一緒に行動をすることになった戦災孤児のガロード・ランだった」

 

三人がそう言うと、ティファとガロードの顏写真が表示された

二人共に、まだ幼さが残る少年少女だった

その後に、フリーデンのクルーの顏写真も表示された

その中で一人、サングラスを掛けている人物が居た

名前は、ジャミル・ニート

その表示されているプロフィールの中に、元連邦軍パイロットと表示されていた

すると、映像が変わった

場所は、何処ぞの基地のようだった

 

「この基地は、連邦軍が作った人工島の基地だった」

 

「数日前に、その島に空からレーザービーコンが照射されたのを確認したんだ」

 

「そこに行く前に、俺達は念の為にと雇われたんだ」

 

その島に到着し、フリーデンクルーは上陸

スピリッツも、直哉達を含めた数名が上陸した

そして、施設の中に侵入した

 

『嫌に静かだな……』

 

『なんか……きな臭いな……』

 

『……ん、広い場所に出るな』

 

そして、フリーデンクルーとスピリッツが出たのは、ハンガーだった

そのハンガーに有ったのは、GXによく似た機体だった

 

『この機体は……』

 

『ガンダムダブルXだよ』

 

ガロードがその機体を見上げていると、男の声が聞こえた

声のした方に視線を向けると、そこに居たのは連邦軍の将官だった

 

『ダブルX!?』

 

『ああ、そうだ……我等連邦軍の、フラグシップ機となるべく開発した機体だよ』

 

ガロードが驚いた様子で声を上げると、その将官はそう言った

その時、ジャミルはダブルXから伸びているケーブルを視線で追い掛けた

その先の暗闇に、一機の機体が横たわっていることに気付いた

その機体は、ジャミルが若い頃に乗っていたGXだった

 

『まさか、あのGXは!?』

 

『そうだ、お前の機体だよ。ジャミル・ニート』

 

ジャミルが驚いていると、その将官はそう言った

ジャミルにとっては、亡霊に等しい機体のようだった

その時だった

警報音が鳴り響き、ダブルXの居た区画が離れていった

 

『な、なんだ!?』

 

『貴様らに見つかったからな……この基地は廃棄する』

 

将官はそう言うと、通路の奥に消えていった

 

『待て!』

 

『ガロード、伏せろ!!』

 

ガロードが手を伸ばした直後、ジャミルがガロードを抱えて近くのコンテナの陰に隠れた

その瞬間、激しい銃声が鳴り響いた

見ると、左右の通路から兵士が小銃を撃ってきていた

 

『ちっ……やはり、態と通したか……構うな、撃ちまくれ!』

 

マークがそう指示を出すと、スピリッツメンバーとフリーデンクルーは銃撃を開始した

すると、一人の連邦士官らしい男がガロードに近寄り

 

『坊主、来い!』

 

とガロードに小銃を手渡した

 

『分かった!』

 

ガロードはその小銃を受け取ると、その男の後に続いた

 

『ガロード!?』

 

『あっちは大丈夫だ!』

 

弾が驚いて呼び掛けたが、ジャミルがそう言うと銃撃を再開した

その時、一夏が腰の剣帯からナイフを一本抜いて上に投げた

一夏が投げたナイフは、上からジャミルを狙っていた兵士の喉に刺さった

 

『この部屋から出た方が良さそうだな!』

 

『出て、艦に戻るぞ! 急げ!』

 

マークとジャミルはそう会話すると、通ってきた通路を走って外を目指した

勿論だが、阻止しようと兵士達が現れてくる

それを銃撃

もしくは、手榴弾で倒しながら進んでいった

なお、よく勘違いされるが、手榴弾はピンを抜いてではなく、ピンとレバーが外れて五秒後に爆発する

そして、新兵がよくやるのが、ピンを抜いたらすぐ投げることだ

これでは相手に投げ返される可能性が非常に高い

それをさせないためには、ピンとレバーを外したら三秒程待ってから投げるのだ

そうすれば、相手に投げ返されることなく爆発させることが出来る

直哉達はそこも教育されていて、実践していた

その姿は最早、精鋭部隊並だった

しかも、相手が投げてきた手榴弾を銃撃で撃ち抜いていたりもした

それを見て、ラウラが

 

「なるほど……流石はビッグボス」

 

と呟いた

それを聞いて、直哉は

 

(そうだった。クラリッサって奴にOHANASIしないと)

 

と思い出した

そして、全員が外に出た

しかし、全員を影が覆った

上を見上げると、見たことの無い機体が飛行していた

 

『連邦軍の新型か!?』

 

『艦まで走れ!!』

 

ジャミルの指示を聞いて、全員は走った

しかし、飛行MSから逃げられる訳がない

そのMSがライフルを向けた

その直後、そのMSに体当たりした機体が居た

機体は、F91

ナナだった

 

『ナナか!?』

 

『皆さん、早く艦へ!!』

 

『ここは、俺達が押さえます!』

 

ナナ機の隣にシュン機が現れて、そう言った

それを聞いて、全員は艦まで急いだ

そして艦に戻り、機体を起動させようとした

だが、マークが

 

『いや、必要なさそうだな』

 

と言った

その言葉の意味が気になり、全員は空を見上げた

そこで見えたのが、飛行MSに対して無双しているガンダムダブルXだった

そのパイロットは、ガロードだった

ガロードはビームソードのみで、次々と敵MS部隊を撃破

そして数分後、その島は完全に制圧された

そこで映像が変わり、荒れ地

そこでは、スピリッツとフリーデン

更に、何処かの国のMS部隊が共闘していた

相手は、地球連邦軍だった

地球連邦が、武力で併合を開始したのである


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