ISGジェネレーション   作:京勇樹

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次は、Wです


デビルガンダム戦

「第13回ガンダムファイトは、ネオ・ジャパンの勝利で幕を下ろした」

 

「これで、全部終わったら万々歳だったんだがな……」

 

「この後、予想外の事態が起きたんだ……」

 

三人がそう語ると、ある映像が始まった

それは、ネオ・ジャパンの軍人

ウルベ・イシカワが世界中に発信した映像だった

その内容は、要約すると以下になる

ガンダムファイトは、第13回をもって終了する

そして世界は、ネオ・ジャパンが支配する

勿論だが、これに反対する国は他の国全てだった

しかし、そこでウルベ・イシカワは切り札を切った

それは、ネオ・ジャパンコロニーと同化したデビルガンダムだった

最大級の大きさになったデビルガンダム

このデビルガンダム

実は、別の機体だったのだ

その名前は、アルティメットガンダム

自己学習・自己進化・自己修復という三大理論を使って開発された機体

その本来の目的は、地球の再生だった

それを開発したのは、ドモンの父親だった

ドモンの父親は度重なって行われるガンダムファイトにより、地球の環境が深刻化していることに気付いた

だから、アルティメットガンダムを開始して地球環境の再生をしようと試みた

しかし、ウルベ・イシカワとレインの父親によって開発研究所が襲撃を受けて、ドモンの兄

キョウジ・カッシュがアルティメットガンダムに乗って脱出

地球に到着したのだが、襲撃によるダメージと大気圏突入のショックによって変異

キョウジ・カッシュを生体ユニットにして、デビルガンダムへと変わったのである

それを見つけさせるために、ウルベ・イシカワはドモンをガンダムファイトに参加させたのだ

そして、ランタオ島で撃破されたデビルガンダムを回収

その後、レインを生体ユニットにしてデビルガンダムを起動させたのである

世界を支配するために

 

「勿論だが、そんなことを許す訳がなかった」

 

「だから、各国のファイターが集結」

 

「スピリッツも展開して、戦いに挑んだ」

 

三人がそう言うと、映像が変わった

場所は宇宙

その宇宙には、シャッフル同盟を先頭に夥しい数のガンダムが居た

その先には、コロニーと同化したデビルガンダム

その手前には、大量のデスアーミーやガンダムヘッドが展開していた

 

『全機、彼等の道を切り開け!』

 

『了解!』

 

ゼノンの指示に従い、スピリッツはデビルガンダム軍に攻撃を開始

すると、突如としてスピリッツ本隊が散開した

その直後、母艦から凄まじい砲撃が放たれた

放たれた二条の閃光は射線上のデスアーミーを、全て蒸発させた

 

「じょ、蒸発した!?」

 

「ビームって規模じゃない……何あれ!?」

 

それを見て、誰もが驚いていた

特に、簪が驚いていた

 

「あれは、母艦。アークエンジェルに搭載されている陽電子破城砲……ローエングリンだ」

 

弾がそう言うと、アークエンジェルのローエングリン発射シークエンスが映された

それを見て、簪は絶句していた

その圧倒的威力に

束を抜いたメンバーの中では、一番科学者の簪だから理解出来た

 

(正に……破城砲……)

 

ユニコーンの時にも撃っていたが、その時はネェル・アーガマ改のハイパーメガ粒子砲の方に意識が向いていた

今は比較対象が居ないから、ようやく理解した

 

(威力も凄いけど……環境への被害も相当だ……ああ、だから地上では使ってなかったんだ……放射能汚染を出させないために)

 

今まで見ていた中で、何回も使えば状況を変えられる場面があった

しかし、スピリッツはあまり使ってこなかった

その理由が、放射能汚染だった

MSは除染すれば済むかもしれないが、人や自然はそうはいかない

一度汚染されれば、長い期間苦しむことになる

だからスピリッツは、地上では使わなかったのだ

放射能汚染を防ぐために

ローエングリンの一撃で空いた空間に、スピリッツや各国のガンダムファイター達が雪崩れ込んだ

そして、作られた道をシャッフル同盟は進んだ

ネオ・ジャパンコロニーに向かって

勿論だが、それを阻止しようとデスアーミーやガンダムヘッドが攻撃をしようとした

だが、それは他のガンダムファイターやスピリッツがさせなかった

各国ガンダムファイター達は決勝に来れなかったのが大半だが、それでも一流に間違いない

凄まじい技でデスアーミーを撃破し、シャッフル同盟の道を切り開いていく

そしてシャッフル同盟は、ネオ・ジャパンコロニーに突入した

それを見送りながら、全員は奮戦した

相手の数は莫大で、正直言って数えるのも馬鹿馬鹿しい

だが、だからと言って逃げる者は居なかった

恐らくだが、逃げても誰も責めないだろう

相手の数は、恐らくネオ・ジャパンコロニー一つ分

つまり、数十万の軍勢

それに立ち向かうは、僅か数百のガンダム

勝利条件は、根源たるデビルガンダムの撃破

その希望が、送り出したシャッフル同盟だった

勝算など、無きに等しい

だが、希望はある

だから彼等はこの戦場に来たのだ

送るために

そして、どれほど戦っただろうか

周囲には、デスアーミーの残骸や集ったガンダムファイターの装甲破片が浮いていた

その時だった

 

『レイン!!』

 

とドモンの声が聞こえた

それを聞きながらも、全員は戦っていた

一機でも多くの敵を、撃破するために

そして、直哉達がデビルガンダム四天王を模した敵を撃破した

すると

 

『俺は……レインが好きだ!!』

 

と告白が始まった

 

『答えてくれ! レイン!!』

 

『……ドモン!!』

 

ドモンが呼び掛けた数秒後、レインが呼び掛けに応じた

ドモンの一世一代の告白に、生体ユニットと化していたレインの心が応えた

この時、一部の女子が一夏を見ていたのを千冬は見逃さなかった

 

『二人の拳が真っ赤に燃える!』

 

『幸せ掴めと、轟き叫ぶ!!』

 

『石破ラブラブ! 天驚拳!!』

 

二人のその技名を叫んだ直後、ネオ・ジャパンコロニーで巨大な爆発が発生

それを境に、デスアーミーやガンダムヘッドの動きが止まった

こうして、デビルガンダムを巡る戦いは幕を下ろした


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