ISGジェネレーション   作:京勇樹

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ギアナ高地戦

映像が変わり、場所は山間だった

そこでは、新シャッフル同盟がマスター・アジアと蛇のような機体と対峙していた

蛇のような機体の名前は、ガンダムヘッド

その名前の通り、ガンダム頭が特徴の機体だ

その機体も、デビルガンダムによって作り出された機体だった

デスアーミー程ではないが、これもかなり大量に居る

 

「場所は、ギアナ高地」

 

「俺たちはまた、ネオ・ジャパンに要請される形でシャイニングガンダムの脱出を支援するために向かったんだ」

 

「そしたら何故か、他の国の機体も居たんだがな」

 

直哉達がそう言うと、ガンダムヘッドと地表に居たデスアーミーが対空砲撃を始めた

それは、母艦と母艦から降下してきたスピリッツを狙っていた

しかし、エースが狙っているわけでもない弾幕に、撃破されるスピリッツではない

スピリッツは高々度から全速で降下しながら、デスアーミーを次々と正確に狙撃

次々と撃破していた

 

『くっ……凄まじい弾幕だ……つっ!』

 

『これ、降りられるの!?』

 

と不安そうに言ったのは、シュンとナナだった

二人はスピリッツの中ではまだ新米なので、腕に不安があった

その二機の横を、直哉達はガンヘッドダイビングで通り過ぎながら

 

『臆したら死ぬぞ、ジェミニ隊!』

 

『弾を見るんじゃない、相手を見るんだ!』

 

『そうすりゃ、ダンスしながらでも避けられるぜ!』

 

と言いながら、最低限の機動で回避

更に、ライフルを撃った

それは、特に狙った様子のない射撃だった

だというのに、その一発はデスアーミーを直撃

爆散させた

全速で機体を進ませると、大気の摩擦で機体が激しく揺れる

それにより、精密射撃は困難を極める

それを、見ていたメンバー達は知っていた

だが、スピリッツの面々は難なくこなしている

パイロットの技量

更に、機体のポテンシャルとそれを万全に活かす整備

その全てが、それを可能にしていた

直哉達はその勢いのまま、一気に降下

そして、着地した

それにより、地面に脚がめり込んだ

その着地の隙を突いて、近くのデスアーミーが金棒型ライフルを向けた

だが、直哉は慌てずに

 

『頭上注意だ』

 

と言った

その直後、周囲に次々とグレネードが着弾

直哉達の周囲に、空間を作り出した

そのグレネードは、ジェミニ隊を通り過ぎた直後に撃っていたものだった

しかし、直哉達の降下速度のほうが早く、追い抜いていた

だがそれは、狙ったものだった

着地した自分達に注目を集めて、確実に当てるために

 

『隊長!』

 

『確認した。スピリッツ全機、強行着陸(ハードランディング)!』

 

『了解!』

 

マークの指示に従って、直哉達以外のスピリッツは降下速度を上げて、直哉達が作った空間に一気に着地した

すると、近くに着地したマリアが

 

『まったく……貴方達、無茶しないの』

 

と苦言を呈した

実は先程の強行降下

直哉達が立候補したのである

自分達が対空砲撃を引き受けつつ、先に降下

着地空間を作り出すと

それを聞いて、実はマリアは含めて三人程反対していたのだ

余りにも、無茶で無謀だと

しかし、直哉の

 

『こうでもしないと、あの数相手。更に、再生持ちにはじり貧になります』

 

という言葉に、許可が降りたのだ

そして、直哉が

 

『無理無茶無謀は、男の特権ですよ』

 

とマリアに返答した

そして、スピリッツはその牙を解放した

その技量の全てを、デスアーミー群に叩き付けた

交差した瞬間に、互いの背後に居たデスアーミーを撃ち抜き、背中合わせで相手の間をすり抜けた瞬間に、その二機を切り裂いた

ある機体は、背面飛びでガンダムヘッドの頭を吹き飛ばした

そして、ある機体は相手の金棒を受け流した瞬間に腕を切り裂いて飛ばして後ろの別の敵機のコクピットを潰させると、その敵を真っ二つに切り裂いた

そして、脱出経路を作ると

 

『そこの六機、血路を切り開いた! 脱出しろ!』

 

とマークがオープンチャンネルで告げた

ふと気付けば、一機増えていた

増えていたのは、ネオ・ドイツの機体

ガンダムシュピーゲルだった

パイロットは、あのシュバルツ・ブルーダーだ

彼の機体の動きは凄まじく、機体が分身している

機体の機能もあるが、シュバルツ・ブルーダーの腕が高いのだ

シュバルツ・ブルーダーの援護もあり、退路は予想より早く確保出来た

そしてマークの指示に従って、新シャッフル同盟達は離脱を始めた

シャイニングガンダム以外は

 

『何をしている、ドモン! 彼等の指示に従え!?』

 

『うるさい! 俺は、この男を倒す!』

 

シュバルツの言葉に反論すると、ドモンはマスター・アジアに向かって突撃していった

 

『隊長、俺も向かって援護します!』

 

『却下する。もう予定時間だ……離脱しないと、俺達はともかく、彼らが危ない』

 

一夏の提案を、マークは拒否した

それは、最初に決められていたからだ

今回の救出作戦は、時間制限付き電撃救出作戦だったのだ

その理由が、新シャッフル同盟の機体にあった

彼らの機体は度重なる戦闘により、機体のダメージが蓄積していた

それを考慮すると、長時間の戦闘は不可能だったのだ

特にネオ・ジャパンの機体は、ドモンの動きに一部が追い付いていなかった

それは、依頼主たるネオ・ジャパンから知らされていた

 

『マザーよりフェニックス1。敵の対空砲撃が再開された! 長時間は厳しいぞ!』

 

『了解……全機、離脱だ』

 

『了解!』

 

マークの指示に従って、ドモン以外の機体を伴ってスピリッツは離脱

ギアナ高地での戦闘は、終わったのだった

 


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